ハ-レ-街の死 (論創海外ミステリ 63)

  • 論創社
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  • Amazon.co.jp ・本 (306ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784846007461

感想・レビュー・書評

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  • プリーストリー博士シリーズ。
    医師が診療所でストリキニーネによって変死。検死審問では、目撃者の証言と動機の不在から他殺でも自殺でもなく誤って自分でストリキニーネを注射してしまった事故死という評決が下った。しかし納得がいかないオールドランド医師がプリーストリー博士らに相談したところ、事件について調べることに…
    事故死と判断された事件を、コツコツと証言を集めては推理するという地味な展開だが、被害者の人柄や過去が徐々に判明する過程は意外に読みやすいし面白かった。
    しかしプリーストリー博士のいう「第四の可能性」は言い過ぎだし、トリックを見破るのは一般人には難しい。

  • 名前はよく聞くのにあまり翻訳されない本格ミステリの雄ジョン・ロード。多作で知られるがほとんどが退屈、陳腐、面白くないというあんまりな評判。そのジョン・ロードの最高傑作「ハーレー街の死」。ハーレー街のクリニックで名医と名高い医師の変死体が見つかった。死因はストリキニーネ。検屍審問では事故死の評決が下る。しかしプリーストリー博士は何かが引っ掛かった。事故でも自殺でも他殺でもない。第4の可能性を示唆する。
     面白いではないか!確かにプリーストリーは無個性だし推理は甘い。しかしストーリーがある。どんどん隠された真実が出てくる。意外と面白い作家かもしれない。

  • 検死審問で「事故死」と評決が下っている、とある一流医師の死亡事件について、プリーストリー博士が呈した疑問を食事会のメンバーがそれぞれ推理していくと……? と冒頭は毒チョコっぽい出だしから、実際に再捜査を行い、検死審問では明らかにならなかった事実が……。という、派手さはないですが、思わせぶりな展開や、捜査情報を小出しにしていくペースがちょうど良くてすいすい読める一冊でした。

  • ロンドンのハーレー街にある診療所で死因はストリキニーネによる毒死の医師の変死体が見つかります。
    検死審問では目撃者の証言と動機の不在から他殺でも自殺でもなく事故死の評決が下りますが、何かが気になるプリーストリー博士の書斎に集まるメンバーは捜査と推理を始めます。
    そして、博士は事故でも自殺でも他殺でもない第四の可能性を示唆するのです。
    意外な真相が待ち受ける本格派の巨匠ジョン・ロードによる最高傑作です。

  • プリストーリー博士シリーズ

    ハーレー街で開業する医師ラチャード・モーズリーの死。金に執着し女性にも興味があった被害者。自らストリキニーネを注射し死んだ被害者。検死審問では自殺として処理されたが不審を感じたプリストーリー博士の再調査。捜査に当たるジミー・ワグホーン警部。被害者が直前にあっていた弁護士事務所の事務員フォーセット。被害者に残された遺産の秘密。モーズリーの過去に隠された秘密。

     2011年3月3日読了

  • 自殺でも、事故でも、他殺でもない可能性を追究していく過程は、地味ながら堅実でよい。
    ただ、これを最高傑作と言い切っていいのかなぁ、というのが正直な感想。
    伏線はしっかりと張ってあるし、読んでいてもちろん納得は出来るんだけど、それ以上に?がたくさん出るのは、「これは普通の読者はわかんないだろう」ということ。
    これが最高傑作なら、他の作品はどんなもんなんだろう。

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著者プロフィール

1884年、英国生まれ。本名セシル・ジョン・チャールズ・ス トリート。別名義にマイルズ・バートン、セシル・ウェイ。1924年、“A.S.F”(1924)でミステリ作家としてデビュー。25年に発表 した “The Paddington Mystery” 以降、多数のミステリ作品を発表し、ディテクション・クラブの主要メンバーとしても活躍した。

「2022年 『デイヴィッドスン事件』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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