性別違和・性別不合へ

著者 :
  • 緑風出版
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感想 : 6
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  • Amazon.co.jp ・本 (152ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784846119157

作品紹介・あらすじ

性同一性障害が、DSM-5では「性別違和」にすでに変更され、ICD-11では「性別不合」へと変更される。その変更は単なる名称の変更だけではない。性同一性障害から何が変わるのか? どうなるのか? 「脱病理化」とはどういうことか? 精神疾患ではなくなるのか? 性同一性障害特例法、ガイドライン、保険適用などはどうなるのか?
 本書は性同一性障害をめぐる諸問題に精神科医として二十数年にわたって取り組み、現在も患者の診療を担っている第一人者が、その変更の意味と影響についてやさしく解説する。

感想・レビュー・書評

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  • 語りかけの文体で読みやすい、わかりやすい。ICD-11で「精神及び行動の障害」から、性機能不全や性疼痛症と同じ「性の健康に関連する状態」の章になったこととかなるほど。

    当事者のひとたちが、いかに自分の身体と性別に向き合わざるを得ず、これまでいかに切実にその解決を望んできたことか。

    読んで、やっぱり日本の法律の手術要件はいらないと思った。

    引用
    「身体的な性別違和が強いタイプの人は、手術をする権利を保障するべきだし、身体的な性別違和が強くないタイプの人は、無理に手術をしなくても性自認に一致した法的性別で生活できるようにする、というとてもシンプルなことです。」

    それと「Autogynephilia(自己女性化性愛)は、将来的に性別違和を持つ可能性が高く」とあり、ある時点ではクロスドレッサーとしても時間の経過で変わっていくこともあるのならやはりグラデーションで明確な線引きはできないと思った。

    これも大事。
    「思春期の開始以前には診断することはできない。ジェンダーに非典型な行動や嗜好だけでは、診断をする基盤とはならない。」

  • 今まで「性同一性障害」とされていたものの名称や概念が変更される。アメリカのDSM-5では「性別違和」に、国際機関のWHO世界保健機関のICD-11では「性別不合」に。特に後者では疾患である「精神の障害」ではなくなり「性の健康に関する状態」に変更された。
    これらの名称と定義や概念の変更によって、今後どうなって行くだろうかというところを実情や予想なども交えながらざっくり解説する。
    これまでの流れと変更点、そしてこれからがわかりやすくまとめられていた。ICD-11が発効するのは2022年なのでこれからについては未確定だが、臨床にたずさわられていた著者の予想もあり、概要をスムーズに掴むことができた。

  • DSM-VとICD-11でのトランスジェンダーまわりの診断基準の変更のあれやこれや。勉強になる。105頁にけっこうでかい誤植がある。

  • 現状が軽くまとめて読める本。良い意味でそれ以上でも以下でもないと思う。基本的に読みやすい。あとがきに本のスタンスが書かれているので先に読むと理解の助けとなって良いと思う。

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