- Amazon.co.jp ・本 (276ページ)
- / ISBN・EAN: 9784847091797
感想・レビュー・書評
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どうして芸人になろうとしたのか不思議になるキャラクターだが、今となっては、立ち位置を確保し、独自路線を歩んでいくことができ、一口で芸人といっても、さまざまなのだなぁと。
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大好きな又吉さんの原点となった作品。
又吉直樹エッセイ集。
東京の100の景色とその思い出が又吉節全開で解説されています。
東京の雑踏と喧騒を又吉直樹独特の視点で表現し、美しく言い表されています。
笑えて、どこか心がぎゅっとするエッセイです。
おすすめです。
「僕の憂鬱も一緒に踏んでおくれ。」
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作者は、つくづく面倒臭い人やなあと感じさせてくれます。何かにオドオドして、でも好きな事を突き詰めたい、好きなことは好き。それを通して、今の成功したと言える立場までたどり着いていると言うのはすごいと思います。成功とは程遠いですが、面倒臭いと言う部分では共通する自分と照らし合わせて苦笑いする部分が多々あります。
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2021.10.18
再読。何度読んでも良い。
素敵なエッセイ。彼の目を通して見る東京がすごく新鮮。 -
タイトルどおり、東京が舞台となっており、著者の思い出深い街に纏わるエッセイ、私小説的な話が100ほど綴られている。又吉さんの目に映る東京は、果てしなく残酷で、時折楽しく、稀に優しい。未来の作品に期待します。
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芸人としてまだくすぶっていた時代の終わらない自己意識が東京という背景の中に描かれているエッセイ集。他の芸人や西加奈子、中村文則といった大好きな作家との関係も描かれてて、そういったファン的な楽しみもある。東京の華々しくも、大きな哀しみを抱えている部分を独特な視点から描いている。「人見知りとは所作のことだ。『あくび』などと一緒で一人の人間が終生背負う名詞ではない。」。これは一番刺さった。
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以前読んだ「第2図書係補佐」は単純にエッセイとして面白かったが、
こちらはそれプラス小説的な要素もあり、楽しめた。
特に気に入ったのが、過去に同棲した彼女との
出会いから別れが綴られている「池尻大橋の小さな部屋」
映画とまでは言わないが、鉄拳のパラパラ漫画を見ているかのように、
映像が目の前に広がり、最後は切なくて心がジュワーっとなった。
プツリと切れる終わり方がいい。切なさの余韻が胸を締め付けた。 -
第二図書館補佐と同じ話がちょこちょこでてきて、やっぱりクスッとなり心地よく読めた。寝る前のおともに調度いい感じ。パンサー向井とのやりとり、おもしろい。子どもの頃からちょっとぶっ飛んでる人なんだなぁ。ルパンは今度行ってみたい。
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突き抜けすぎてついて行けない章も
深く深く頷く章も
クスリと笑ったり、胸が締め付けられたり
奥行き 振り幅 次元 時空
全てがごった煮 -
又吉さんの文章、好きだ。
ぼんやりと情景が浮かぶんだけど、五感に鋭く響くほどでもない、独特の雰囲気。読んでいても変に疲れなかったのは、あの穏やかな声と口調で脳内再生されたからなのでしょうか。
でも、綴られる心の内側は時折とんでもなく鋭い。おこがましいけど、うんうんと頷きながら文字を追う瞬間が何度かあって、いくつかノートに書き写した。
深く仄暗い沼の底に静かに沈んで漂っているようなこの感じ、誰かに似ている……あ、星野源さんだ。そう思って最後の又吉さんのプロフィールを見たら、源さんと同じ1980年生まれ。私の心をつかむのはいつだって、この年の生まれの人なんだね。