寝る前に読む 一句、二句。 - クスリと笑える、17音の物語 -
- ワニブックス (2017年10月27日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (207ページ)
- / ISBN・EAN: 9784847096174
作品紹介・あらすじ
1日の終わりに、愉快な俳句と小さな気づきを。俳人姉妹が軽妙に語り合う「ケーハツ的」対談。
感想・レビュー・書評
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傑物の姉に天才肌の妹がいて二人とも俳句に秀でているという奇跡のような組み合わせが織りなす名句鑑賞の一冊。
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「思いやり」で割れば、自ずと自分の皿に取るべき量が決まる
○○のために酔うはお酒に失礼
慈しみの心で諭したのが相手に伝わらず、「叱られた」と言っているらしいことを耳にする。なんとも心寒いことだ
俳句に興味がある人にオススメ -
本当に寝る前に読んだら、一句二句では終わらなくて三句四句と読み進めてしまい、止まらなくなった1冊。
「プレバト!」でおなじみの俳人・夏井いつきさんと、その妹で俳人(にとどまらない多才な経歴をもつ)ローゼン千津さんの著書です。
お二人が選んだ俳句と、その意味、季語を説明した見開きの次に、紹介した俳句について夏井姉妹の対談ならぬ雑談が続くのが基本で、ときどき夏井いつきさんのコラムがさしこまれるスタイルです。
俳句は全然ワカラナイ分野で、俳句を読んだだけでは意味が全然イメージできないものもありましたが、お二人の雑談を読んでいるとひとつの五七五のなかに、そんなにたくさんの解釈があるのか!と驚きました。
他者の俳句がなにをあらわしているか考えるためには、自分のなかの今まで経験した出来事や想いを総動員しなくてはいけないし、それだけでも解釈できないものがあるからこそ、他者の解釈を聴くことがおもしろくなるのですね。
テストではひとつのこたえしかありませんが、俳句にはいろんなこたえがある。
もちろんそれは俳句だけにとどまらず、絵画、短歌、陶芸、工作、などなどいろんなことに言えるのでしょうが、その人その人がその作品を見て、どんな情景を思い浮かべたのか言い合うことで、よりその自分の世界はな広がるんだなあとおもいました。
また俳句は自分を表現する手段としても、とても有用なのですね。
自分を表現するなにかしらの手段があるとないとでは、人生のたのしさや苦しみの感じ方が違ってくるとおもいます。
俳句以外の方法を自分をあらわす手段としてすでに持っているならそれでいいのですが、もし方法を持っていないのなら、俳句なんていかが?なんて、思わず言いたくなってしまう本でした。
雑談を通して、夏井姉妹の家族の様子まで丸わかっちゃいますし、俳句紹介のベージの絵もとても味があって大好きです。この絵、好き!
(イラストは山口洋佑さんという方だそうです)
夏井姉妹の雑談を読んでから、もう一度、俳句のページにもどったものもありましたし…
クスリと笑うだけでなく、ホロリとなったり、いろんなおもいを味あわせていただいた1冊でした。 -
最近、夏井先生の初心者向けの俳句の読み方的な本ばかり読んでいるせいか、この本も寝る前に布団の中で一句、二句俳句を作るhow toものかと思い、借りてきたが、それは勝手な私の早とちりで、全く違っていた
夏井いつきさんと実の妹のローゼン千津さんが、俳句を解釈鑑賞する中で、人生の喜びや悲しみについて語り合うというものである
この本に出てきた俳句が名だたる俳人の句で、なるほどそんな背景があったのか、そんなふうに鑑賞するのか、そんな意味が込められいるのかと目から鱗のことばかりだった
まあ、それにしても姉妹というのはこんなふうに遠慮なく言い合えるものなんだと、男兄弟しかいない私は、羨ましく思った
こんなに好き勝手におしゃべりしたのが本になるなんて
タレント並みの売れっ子の夏井先生ならではだなとちょっと意地悪な見方もしてしまった
妹のローゼン千津さんは、芸大の出身で音楽をやってらした方のようだが、俳句についての知識も相当なもので、それにも驚かされた
松山市出身の方は、正岡子規の故郷ということもあって、みんながみんな俳句を詠まれたり、俳句についての知識がおありなのかと思ってしまったが、まさかそんなはずはないだろう
所々にはさまれている「いつきのまなざし」というタイトルの夏井さんのエッセイも軽妙で楽しかった
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俳人の夏井いつき先生と、実の妹のローゼン千津さんが、俳句の鑑賞と、そこから連想されるあれこれを、遠慮なく語り合い、ツッコミあう本。
正反対な部分もあり、それでいて共有するものも多いお二人のやりとりが面白い。
この句、好き!から始まる。
なんと言っても夏井先生の俳句への愛だったり、アメリカ人のチェリストを夫に持つ千津さんならではの音楽への愛だったり。
日米の教育の違い。
老いた親との関係。
看取りの話も。
子供の頃のこと、自然と話のあちこちに出てきてしまうパートナーの話も盛りだくさん。
山口洋佑さんのイラストも楽しい。
この本は「啓発本」だそうなので、気付かされたことをいくつかメモしてみました
・「月並みな俳句しか詠めないのは、まわりに句材がないから」と言ってる人たちは観察眼がないだけ。
・俳句をやるって、いかにサバサバ死ぬかってことを日々練習しているのかも。
・「諭す(さとす)」が持っている慈しみの心に気づけない人間が増えた。怒られた、イジメられた、と感じてしまう。
・俳句とは、渋柿の如きもの
・千津さんと夫のニックさんが最初に会話したのは「源氏物語」がきっかけ
・「孫俳句はつまんない」と言われないポイントは『孫』という言葉を入れないこと
・驚けなくなったら、心が老いた印
日常の中に驚きと楽しみを発見しつつ日々を送り、サバサバと死ねたらいいな。 -
https://youtu.be/7JXeUYmpiyo
組長の俳句チャンネルにローゼン千津さんがゲスト出演されてこの本について語られています。 -
俳句いつかやってみたいなと昔から思っていて、手始めに取ってみた本。だけど、そもそもの趣旨が啓発本であるということ、そして対談部分の言葉遣いが想像と違ってびっくりしました。
最終的な読後感としては、好きな俳句も記憶に残る衝撃的な俳句もあったし、俳句を発端にアメリカ生活の長い妹さんと日米の違いを交えて話が進行していくので、楽しく読めました。 -
「啓発本なんです〜どうしましょ」みたいな書き出しからスタートするこの本。
読了すると、あぁ啓発本だなって思う(笑)私は手元においてちょこちょこ読み返したい感じさえするな。
人生の山と谷をからっと俳句に落とし込んで、生前葬したいね〜はははって笑える強さ?みたいなものに励まされる。いや〜先生、好きっすわ〜みたいな気持ちになります。
姉妹の感性の違いが絶妙で自分にも感性は違うのに妙に気の合う身内がいてその人のことを思ったりして(笑)
初めて読む俳句の本、少しだけその楽しさがわかった!! -
句集。日常を十七音で見ると楽しさよ。リズムよく、フレーズよく、ついつい曲を連想する。姉妹の会話形式で読みやすくなっている。