書評稼業四十年

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  • Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784860114329

作品紹介・あらすじ

本を読んで暮らしたいだけだった。

中間小説雑誌が熱かった時代に小説の洗礼を受けた青年は気づけば書評家になっていた。

エンタメ書評界の回想録

本を読むだけでは生活できない。そのくらいはわかっていた。だから、働く必要がある。ここまではわかるのだが、そこから先がわからない。働くことのイメージが何もないのだ。つきたい職業が一つもなかった。それが二十歳のときの正直な実感である。(あとがきより)

感想・レビュー・書評

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  • 【訃報】目黒考二 逝去のお知らせ - 本の雑誌特派員|WEB本の雑誌
    https://www.webdoku.jp/newshz/zasshi/2023/01/25/110000.html

    椎名誠 旅する文学館 » 目黒考二さんの訃報について
    https://www.shiina-tabi-bungakukan.com/bungakukan/info20230125

    北上次郎『書評稼業四十年』 | Bookworm | 新潮社 Foresight (有料会員記事)
    https://www.fsight.jp/articles/-/45989

    目黒考ニの何もない日々 | WEB本の雑誌
    https://www.webdoku.jp/column/meguro_n/

    北上次郎のこれが面白極上本だ!|日刊ゲンダイDIGITAL
    https://www.nikkan-gendai.com/articles/columns/1879

    書評稼業四十年 - 本の雑誌社の最新刊|WEB本の雑誌
    https://www.webdoku.jp/kanko/page/4860114329.html

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    いつも参考にさせて貰ってました、、、合掌

    • 猫丸(nyancomaru)さん
      目黒考二が開拓し、北上次郎が花開かせた書評文化ーー「本の雑誌」創刊者の功績を振り返る|Real Sound|リアルサウンド ブック
      htt...
      目黒考二が開拓し、北上次郎が花開かせた書評文化ーー「本の雑誌」創刊者の功績を振り返る|Real Sound|リアルサウンド ブック
      https://realsound.jp/book/2023/01/post-1243390.html
      2023/01/27
  • 漫画家を志望するも画力が及ばず原作者に、外科医を目指すも手術が苦手で研究医になったというのは時々耳にする。ただ書評家が小説家になったというのは未だ聞いたことがない。

    日夜、数多の本を読み、該博な文芸知識を背景に「読みどころ」を論評する書評家は、「いつかは自分も小説を!」と思ってるのだろうか?あるいは一編の小説を書くことの難しさを知悉している書評家は、あくまでも芝居で言うところの「見巧者」として、読者に作品の秀逸性を説くことに「矜持」を抱いているのだろうか?

    そんな思いを抱きつつ、本書を開いた。著者名の北上次郎は書評する際のペンネーム。本名は目黒考二。

    書評家 北上次郎誕生以前の目黒考二が書評家になった理由を述べている。「『本を読んで暮らしたい』。それが私にとっては、一番重要なことで、それ以外はどうでもよかった。とはいえ、それでは生活できないことはよくわかっている。だから働く必要がある。ただ、そこから先がわからない。働くことのイメージが何もない。就きたい職業がひとつもない。それが二十歳の正直な実感。自分には将来に対するビジョンがひとつもない」。

    著者の抱くこの思いは、一切揺らぐことなく、明大卒業後就職するも、いずれの会社も3日と続かず即退社。退社理由は「本が読めないから」。その理由で退社すること8回。ようやく9社目の出版社に落ち着く。そこで6年間働き、1976年椎名誠らと書評誌「本の雑誌社」を刊行するに至る。

    ただ、その本の雑誌に対しても、別に情報誌を作りたかったわけではない。学生時代、本好きの仲間と語り合っていたように、感想を放出したくて、コピー用紙に書評を書いていた。それが、やがて「本の雑誌」になったに過ぎない。

    著書は本の雑誌の編集発行人となる傍ら、編集長 椎名誠が売れっ子作家となったことにより、実質上、編集長も兼務し2001年まで長らく務めた。

    そんな本好きの著書であるが、読書の愉しみを知ったのは遅い。高校入学前の春休み。近所の貸本屋でたまたま読んだ松本清張「点と線」に大衆小説の面白さに魅了され、以後、黒岩重吾・笹沢左保・源氏鶏太らの作品を片っ端から読破していく。

    その自己の読書体験を下敷きに、1960年代後半に、大衆小説(中間小説)が勇躍する転換点があると考察した「書評家になるまで」「中間小説誌の時代」の稿が面白い。ちなみに大衆小説を牽引したのが、五木寛之・野坂昭如・松本清張であると指摘。

    書評家としての40年の来し方について、生来記憶力に乏しく、また日記や日誌をつける習慣がない中での古い記憶を掘り起こす難儀さに、悪戦苦闘・七転八倒している様子が伝わってきた一冊であった。

  • 巻末
    「たまに何も予定のない休日、書棚の前に座って何を読もうかと選ぶだけで終わってしまうことがあるが、あれ以上の至福はあり得ない」

  • 『本の雑誌』発行人を引退して悠々自適の読書人生を歩む著者の昔語り。若かりし時代の三橋暁、新保博久、大森望らとの思い出、中間小説全盛時代の記録的記述、名物編集者の思い出など業界の昔話の数々を思い出すを幸い…とばかりにめった切りに開陳する。

    日本も豊かな国になって、誰もが自分が好きなことだけをやって(何とか)食べていける時代になったが、北上次郎はその嚆矢ではなかったか。

  • 小説の面白さを教えてくれた先生。
    文庫本の解説で北上次郎の名前を見つけると、即買いしていたあの頃が懐かしい。

  • 2023/1/4購入
    2023/4/1読了

  • 大好きな人の本だけど言ってしまう。連載をまとめたものだとしても一冊の本として読むとまとまりに欠ける感じがあって惜しかった。そしてもう何十年も北上次郎の文を好んで読んできたくせに、「キタガミ」と読むという事を知ってショック。何故かずっと「キタカミ」と脳内で読んで来たので自分の中で修正できるか自信がなくうろたえてしまう。

    ちなみに、巻末の著作リストで藤代三郎名義の『鉄火場の競馬作法「そのまま」「差せ」の叫び方』、「差せ」を「幸せ」と誤植している。ずいぶん話が変わるので笑ってしまった。

  • 2021年12月22日読了

  • 巻末の出版リストは参考になるね。

  • 2019年7月27日購入。

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著者プロフィール

1946年生まれ。東京都出身。明治大学文学部卒。エッセイスト、文芸評論家、編集者。本名:目黒考二(めぐろ こうじ)。ジャンルごとに異なるペンネームを使用。私小説の目黒考二、ミステリー文学評論家の北上次郎、競馬評論家の藤代三郎(ふじしろ さぶろう)など。2000年まで「本の雑誌」の発行人を務める。 2011年「椎名誠 旅する文学館」の初代名誉館長に就任。主な著書に『書評稼業四十年』『冒険小説論』『息子たちよ』『余計者の系譜』『エンターテインメント作家ファイル108 国内編』『感情の法則』『記憶の放物線』などがある。

「2021年 『阿佐田哲也はこう読め!』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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