- Amazon.co.jp ・本 (223ページ)
- / ISBN・EAN: 9784860633820
感想・レビュー・書評
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全国からファンを集める旭山動物園の成長ストーリー。
ドラッカーの「マネジメント」を地でいく組織マネジメントの実例(組織の存在意義、一人ひとりの力を発揮させる方法など)と、
著者の分析が絶妙に重なり、成長の理由が納得できます。
もちろん公共の動物園という理由があるかもしれませんが、
利益ではなく「動物の感動をお客さんに見てもらう」ことを第一に置き、
現場が全力を尽くせる職場を実現。
書籍を見る限り、職場の人間がお互いの力を発揮し、助け合える場所となっていると思いました。
ここまで現場が力を尽くせる職場は、今どき珍しいかもしれません。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
『これを読みきったとき、
あなたは真のリーダーになる』
そんな帯を贈りたい。
真のリーダーとは
自分にしかない働き方であって、
自分の使命を全うする生き方である。
自分らしい生き方・働き方です。
そこには6つの旭山動物園の『感動が利益を生む』本質的ビジネスのあり方があるように思います。
【常信念】
「どんな動物だってすごい!動物の命の価値に差がない」ということを伝える信念=存在理由。時代がどのように変化しようと、それはかたくなに守り続けなければならない。
常のない変は単なる根無し草。
【智恵】
効率的な組織運営は、人が足りないくらいがちょうど良い。逆に、人が余っているような組織からは、智恵はなかなか生まれない。
【原体験】
現場の使命感、責任感の強弱を分けえるものは何なのか。
動物園は、繁殖する動物より、死んでいく動物のほうが多い。目の前に死があるから、いまいる動物の魅力を伝えようという気持ちが自然に湧いてくる
【個】
活力ある職場とは、型にはめて「個性」を削ぐのではなく、その中に眠る能力や持ち味を引き出したほうがいい。だから、自主的な楽しい仕組みが自然発生継続する。
【価値フォーカス】
「来園者を増やすつもりがなかった」少しでも多くのお客さんに動物のすごさを伝えたい。
来客者を増やすことは目的ではなく、顧客満足に大きな関心を払う。
そして、それが来園者の「感動」を生み出し、来園者数の増加という「結果」をもたらした。
寒天メーカー 伊那食品工業 塚越寛会長が、『人は自然にウンチが出るでしょ。それと同じで、健粉企業からは自然に利益が出るものだと思っています』というようなとても自然に健康なプロセスがある。
商品やサービスに独自の「価値」があってこそ、顧客は商品やサービスに「満足」、「感動」し、それに対価を払い、利益が生まれます。
【プラトー型の成長】
「成功の復讐」~自分たちを成功に導いた考え方ややり方が、時代の変化とともに通用しなくなる。
ダーウィンは進化論で
「最も強いものや、もっとも大きいものが生き残るのではない。変化に対応できたものだけが生き残るのだ」といっているように、柔軟性をもって環境変化に対応していく。
これを遠藤功さんは「串団子」といっていますが、
もう一歩加えて
私は「個の串団子」といいたい。
全部草もちではなく、
全部磯部焼きではなく、
いくつもの味の団子が
信念という1本の串で
ズバッとつながっている。
私たち一人ひとりがここにいる意味=価値が輝く集団のあり方が語られています。
未来のスケッチという14枚のスケッチから始まった
旭山動物園の再生の出発ですが、
それはビジョンを掲げる土台~組織~のあり方があってからこそ。
感動をビジネスにしたい人へ、必読です。 -
現場の声から、みんなで夢を描くスケッチ。その思いがしっかりしているから信念を貫くことができる。伝えること。本質とは?勉強になる1冊。
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注文した
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2010.03.14 朝日新聞で紹介されました。
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