- Amazon.co.jp ・本 (235ページ)
- / ISBN・EAN: 9784860730406
感想・レビュー・書評
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男気。石と木。
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建築デザイナーとして知っておきたい、構造のイロハ、材料のイロハ、歴史のイロハが分かりやすく書かれている。
院試前に見つけて読むのを自粛していたが、今思えば院試対策で読んでおいても良かった。 -
メモ;
・若者の「ボク的には」という言葉。自分をボカす、他人との相違を避ける表現。
・何かを美しいと感じた時、なぜ美しいかを考えてみること。対象物の中に、新たなテクノロジーやアイデアにつながる発見を出来るかもしれない。そしてそれは自身の完成にフィットしているはず。
・機能性、経済性、合理性はとても必要なことだが、誰のための機能性、経済性、合理性かを考えるべき。
・建築技術の進化とは、「スペースを生み出すための部材をいかに最小化するか」に基づいている。
・ゴシックはヨーロッパの北側(ドイツやフランス北部)で発展。対してルネサンスはローマやギリシャを規範にする。抑圧する北方文化に対する南方文化の反乱、それこそがルネサンスの精神ではないか。
・楕円の特徴は、中心が2つあること。空間に歪みと動きがあるため、人が感情移入できる。ルネサンスを特徴づけているのが円だとすれば、バロックのそれは楕円にあたる。バロック隆盛の時代に、ケプラーが惑星の楕円軌道を発見。物理的にも世界は円でなく楕円で構成されていることが認識された時代。のため?
・様式とは、その時代の文化を正当化するため、それ以前の文化を蔑み、区別するために編み出されることが多い。
・一般にバロックは、退廃的ととらえられることが多いが、むしろ、ルネサンス的な整合性から次の枠組みを模索するプロセスで現れた求心的な精神を表したもの
・フォース橋
・その時代の最先端の技術を駆使した構築物は、その時代の最上級の文化を盛り込んでつくられるべき。技術はそれだけでは短い間に優位性を失う。技術と文化の融合こそが最高の成果物である、という観点に立てば、それは唯一の価値となる→エッフェル塔
・ピーターライスの自伝
・ジャンヌーヴェルのルッツェルン文化会議センター
・ハビタ67
・「無矛盾」な構造物を目指すと、一点でも矛盾が生じるとそこに応力が集中し破壊につながる、という本質的な問題をかかえることに。⇔「多矛盾系」「リダンダンシー」の優位性と木材の可能性→cf.錦帯橋(桁かアーチかラーメンかトラスか謎。数千の部材が個別の力学的ユニットに)→依田先生ぱねぇ
・アアルトのセイナツァロの村役場
・スーパーウッド:木の繊維だけを取り出してプラスチックで固めた材料。→セルロースの意味、そこまでして木を使いたがる意味。
・非情な技術を人の感情やモラルにどう繋げられるか、コレがデザイン、か? 対象物、それを受け取る人間、両者への深い理解
・構造のポストモダニズムの時代
・ミレニアムブリッジ崩壊の際の設計者ノーマンフォスターの会見、「臆病と言われるより奇抜なデザインで避難される方がマシ」→うんち
・無制限な構造バリエーション→誰のため、何のためのデザインか、という思考の欠如
・技術と芸術が結び合ったその時代の精神の表れ
・言語は思考の枠組みを制限。いまこそ再定義の必要あり -
デザインとは翻訳すること。
構造エンジニア、かっこいい。 -
さまざまな構造について雑学的に知ることもできるが
何よりも内藤さんの経験や主観の中に
とても大切な言葉がちりばめられている -
構造デザイン講義
東京大学で行われた講義を収録した本。読みやすい。
また、感覚的な構造に対する意見が学生である私にとって非常に読みやすくなっていた
構造を学ぶ学生だけでなく、設計者の方にも読んでほしいと思う本。
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「考える」こと。
それは当然のことだが、
もっとも衰退し易い能力。
技術者としてだけではなく、
ヒトとして忘れずにいたいと思う。 -
すばらしい本だった。デザインの最先端にいる人の言葉はいつも説得力があるけど、その裏打ちがされた内容だと思う。
西洋と東洋の価値観、多矛盾系の考え方、エンジニアの傲慢さと空洞化など。
「デザインというのは、技術の本質に迫り、根源的な人間の本性と思考回路に根ざしているものだと考えています。したがって、デザインを極めるには、対象物に対する深い理解、それを受け取る側の人間に対する深い理解がどうしても必要であることを忘れないでください。」
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内藤さんの書籍は大変読みがいがあります!
建築に対する考え方や姿勢がとても共感できます。 -
今読書中♪