ファム・ファタル――妖婦論

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感想 : 9
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  • Amazon.co.jp ・本 (298ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784861821684

感想・レビュー・書評

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  • 美術書としては大変興味深いもの「だったと思う。
    「ヤエルとシセラ」についてはすっかり忘れていた。確かにユーディトと並び称される話だ。またレンピッカが自分の生きていた時代の画家である、ということに驚いた。絵画から、ファム・ファタールとは、どういったものかを探る、というのがこの本のテーマかと私には感じられた。しかしなんとなく、恣意的な見方があるように思えた。それは私が知っている話とは違っているからなのかもしれない。
    例えば、私はキルケとオデュッセウスの別れについてはキルケがオデュッセウスを愛していたから身を引いた、もしくは神々からオデュッセウスを帰すよう強制された、と受け取っていたが(前者ならファム・ファタール的な要素が薄まるように思う)この本ではそのような説明はなかった。
    キルケの姪とされているメデイアも取り上げられていた。私はメデイアやクリュタイムネストラのような激情に駆られる女性が好きである。夫の不実を詰るために子を殺す、夫の不実を詰るために夫の相手の女性を殺す、この二つをやってしまうメデイアは悪女としては大変魅力的だ。絵画作品ではドラクロワの絵画が好きである。
    アルテミジアとアッローリの話は興味があるので、調べてみたい。しかしこのアッローリが描いたユーディドの顔がアルテミジアなのだろうか。アッローリの愛人がモデルとされているが、その他にも描かれている愛人の顔と違いすぎるような。
    ルドンの「パンドラ」は初めて見た。「キュクロプス」以外でルドンの作品をあまり見ない(それだけ強烈)ので神話題材の絵を他にも描いているのだろうか、と思う。

  • 恋に落ちた男を死にいたらしめるほど致命的な魅力を持った宿命の女性をファム・ファタルと呼びます。
    この本はファム・ファタルと呼ばれた美しい女性たちを絵画とともに紹介している美術書です。
    残酷、神秘、淫蕩、魅惑の4つの章に分け、それぞれ絵画を紹介しているのだが、どれも美しいです。
    画家によってその女性の捉え方が違い、絵も全然違うが、その相違や意図をわかりやすく説明している。
    個人的にはウォーターハウスの描く女性が大好きなのですが、人魚の絵が載っています。

  • 男はなんでも女のせいにするんだなあ

  • 悪女妖婦を絵画を通じて紹介する、軽めの美術本。
    美女の絵がたくさん見られて結構でした。

    しかし文章はちょっといただけない。女性が書いたのかと陳腐に男性目線過ぎて物足りないヨ。

    絵画紹介として読むべし。

  • (2011/4/10購入)

    美術作品からファム・ファタルについて論じた1冊。

  • これを物語にしてしまって良いのだろうか・・・?

    神話を中心にして、西洋歴史中で妖婦といわれる女性を紹介している。
    まぁ、キリスト教社会且つ男性社会なのでいいように修飾された中から、女性が編集しているのである程度偏りの無い意見になっている・・・といいね!

    一時期(今も?)歴史を動かすような妖婦をテーマとする事がヨーロッパの画家の間で流行っていたらしく、いろんな人の解釈の作品を見る事が出来る。

    気に入っているのが2枚あるんだけど、どちらも切り落とす系だったのはなぜだろう・・・
    更に、今判明した事だけど、昔ルーブルで見て気に入っていた絵のテーマも実はその2つの片方だった。
    ・・・価値観って変わらないんだね

  •  古今東西のファム・ファタルを描いた名作・迷作絵画集。著者は韓国の女性で、翻訳も女性、二人の女性が紹介する「美しい悪魔」というのも興味深いではないか。
     

  • こういうの好きです。

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