花魁令嬢~華の秘密は情火に燃えて~ (ジュリエット文庫)

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  • インフォレスト
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  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784861907968

作品紹介・あらすじ

「いとしい方へお怨み申し上げます」不運の末、遊郭に売られていた双子の妹が非業の死を遂げた。伯爵令嬢櫻子は妹である櫻太夫に扮し、死の真相を探ることに。妹を身請しようとしていた綾瀬和晃は、櫻子が人知れず慕っていた美しい軍人だった。彼女の偽装を見破り、櫻子を櫻子として迫ってくる和晃。初めて知る殿方の熱い情熱と淫靡な快楽。しかし彼は妹の死に関わるかもしれない人で-。

感想・レビュー・書評

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  • これまで、和もので挿絵が笠井あゆみさんの作品って、登場人物の病みようが半端ないものが多かったので、読む前はちょっと警戒してましたけど、予想外に面白かったです。

    生き別れていた双子の妹の真相を調べるために、吉原の太夫に扮した令嬢の櫻子ってなると、かなり無謀なお嬢様って感じですが、芯が通ったお嬢様って感じで、嫌いじゃなかったです。

    和晃も後半を読むと、桜太夫を身請けしようとしていた理由とか、櫻子が婚約破棄された裏で画策していた気配があるとか、腹黒いところはあったみたいですけど、櫻子に寄せる思いが一途で、彼の気持ちを思うと、確かに櫻子を吉原には置いておきたくはないだろうなって焦るのは分かる気がしました。

    最後に和晃が櫻子の求婚相手として出てくるのは予想できましたけど、そこで明らかになった正体とか、出てきかたは予想外でした。

    続編みたいなのも読みたいです。

  • ストーリーよりもエロが重視されがちな乙女系の中でも、読み応えがあって良い作品だと思います。
    双子の妹の謎の死の真相を暴くため、花魁を演じる令嬢の話、とだけ聞くと無謀以外の何でもないですが、実際には秘密を秘密のままにして生き、死んでゆく女性の強さがテーマ。イラストも明治、花街という舞台とあいまって美しいです。少し苦みの残るハッピーエンドも良かったです。

  • 犬飼先生には珍しい男女カップリングの話。TL王道だなって感じのライトに読める1冊。本当はもっと鼓楼の主人を掘り下げたり絡ませたりしたら面白かったと思うけど、まあ、1冊で収めるならこれくらいがちょうど良いのかも。

  • 雰囲気も心理描写も丁寧でよかったのですが、、、
    最後の最後で、主人公が好きになれなかった。。。
    元婚約者にあんなにひどい(正論とはいえ)セリフを投げておいて主人公と結ばれるために元婚約者を陥れた(?)らしい男性と安易にくっつくのはいかがなものかと。。お前自分のことを棚上げてないかと思わず突っ込んでしまいました。

    ですので「愛を貫く」という言葉に余計に興ざめし。。。
    主人公が一番悪女じゃないのか。。。元婚約者だって色々立場があり、確かにちょっと頼りないというところがあるにしろ、正直な人なのに。。。と。元婚約者に恋慕したという女性がどういう人なのか知りませんが、「彼女が可哀相だ」と言う資格が主人公にあるのか疑問でした。。。

    それが目に付いてからはそれまでの主人公の行動がすべて偽善っぽく思え、一気に冷めてしまいました。妹が、と連発していましたが。。。まぁ、貴族?の女性なのでその辺り気にしすぎなのかもしれません。。。

    相手役は腹黒ではなくて天然だ、と著者の方があとがきで言っていらっしゃいますが、まぁしかし何にせよメイン二人の周りで涙に暮れた人が多すぎるような気がします。。。
    いっそ主人公か、青年かが完全腹黒人間ならまだ納得できたのですが。。。主人公は清廉潔白なんだという主旨っぽいので、恐らく余計に私個人の感想として納得がいかないのでしょう。。私の読み方の意図が間違っているのかもしれませんが、何というか、もういろいろ個人的に残念でした。。。

    ただ、他の方が仰っているように、
    世界観や、ストーリー、心理描写はとても丁寧ですし、当時の雰囲気に浸れますので、遊女や明治大正?時代の頃がすきな人には楽しめるかと。あと性描写も酷いものではないので抵抗がなければ好きになれると思います。

    私のひねくれ具合がおこした感想かもしれませんので、ご参考までに。。

  • この時代の雰囲気がたまりません。イラストがこれまたぴったり。

    主人公目線で語られるので、読みやすくて、心情描写も丁寧です。

    サスペンスとまではいかないけども、主人公フィルターで真相が徐々にしか分からない感じが良かった。

    この話は読み終わってから最初を読み返すとまた違った感じでニヤニヤできますね。

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著者プロフィール

『不夜城のシンデレラ』がホワイトハート初作品。
現代ものからファンタジーまで幅広いジャンルを書き分ける。
竹書房、プランタン出版などで活躍。

「2013年 『料理男子の愛情レシピ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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