2人が「最高のチーム」になる―― ワーキングカップルの人生戦略

  • 英治出版
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  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784862760937

感想・レビュー・書評

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  • いかに共働きという夫婦の形が、利益をもたらす合理的で賢い選択かということが、読みやすい文章と数値的なデータで書かれている。だが、タイトルと内容が一致しない。 具体例をふんだんに含むという前ふりから期待していたが、1つも使えそうな事がなかった。なぜなら、著者の男性は留学時に英語が話せなくても、「英語が話せる留学生」よりまわりに馴染み、受け入れられ、学生時代に自ら起業している代表理事、女性は自らが開くホームパーティーでまわりにコミュニティ形成のきっかけをもたらしたり、朝子どもを保育園に送り、飛行機で移動して各地、年200か所以上で講演、その後保育園のお迎えまでをこなす代表取締役なのだから。旦那は公務員。一般庶民の生活とはかけ離れすぎていて具体例に違和感ばかりが残る。共働きしたい人が、周囲を説得するのにしか使えない。武勇伝を延々と語るのではなく、読み手を考えた執筆をする事が本を売るための戦略であることに気付いていない。トリンプの元社長のワークライフバランスに関する本は分かりやく、そこに登場する妻の描写も的確、必然性があるのに対し、こちらは綺麗事や理想論が多く、「人生を輝かせてくれる美紀と新(さら)」と、妻と娘の名前まで公開、私がこの本にタイトルをつけるなら、「ナルシストの武勇伝語り」。文章も飾りすぎ、自分に酔いすぎ。自己実現と仕事の境目を見失うとこうなるという見本。夢に溢れた大学生には絶賛され、共働き夫婦には寝ぼけてるのかと思われる内容だろう。男性は学生時代に起業しているため、一般企業での就労経験皆無。育児休暇中は出勤する必要が全くないほど、自分無しでうまく仕事が回っていた。これでイクメンを語らないでほしい。一方女性は「自分の育児の都合に合わせてアポイント取り」なんて、代表取締役だからできることは本に書かなくて良い。「私達、対談してそれを本にしちゃおうよ」という軽い企画であった印象か拭えない。開拓者になってくれるのはありがたいが、自分の采配で仕事を進める経験しかしていない人にワークライフバランス、イクメンを語られるのは遺憾。本当に頑張って試行錯誤されている方に失礼極まりない。

著者プロフィール

株式会社ワーク・ライフバランス代表取締役社長。公立学校250校、民間企業2000社、7省庁の働き方改革コンサルティング実績を持つ。文部科学省「中央教育審議会」委員、「産業競争力会議」民間議員など複数の公務を歴任。2児の母。『男性の育休』(天野妙氏との共著、PHP新書)など著書多数。

「2023年 『先生がいなくなる』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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