- Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
- / ISBN・EAN: 9784863111332
作品紹介・あらすじ
大阪で法律事務所を営む「弁護士夫夫」(同性カップルの弁護士)の出会いから今日までの波瀾万丈な日々を綴ったエッセイ。
同性愛者ならではの苦悩や困難を乗り越え、常に前向きに社会と対峙する二人の姿をユーモアあふれる筆致で著者自身が書き上げました。
社会の差別や偏見に、時に怒り、時に涙しながら、それでも胸を張って歩き続けるふたりの姿を通して、今注目のLGBTへの理解と共感を深めることができる、現代人必読の一冊です。
感想・レビュー・書評
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大学時代に付き合い始めた2人が紆余曲折を経ながら、結婚式を挙げ、共同の弁護士事務所を立ち上げ、日々暮らす様子を綴ったエッセイ。
お互いがお互いを大事に思っていて、とっても素敵なカップルだなあと感じました。こういうカップルの人生が本にならない時代が来た時、本当に日本でLGBTが受け入れられたと言えるんだろうなあと読みながらしみじみ。
自由の国ってイメージのアメリカですら、かつては同性愛者であることがバレた場合は外交官はクビになると決まっていたという話にびっくり。それがいまや同性パートナーを連れて海外へも赴任できる時代!(実際2012年当時、在大阪・神戸アメリカ総領事だったパトリックは同性パートナーのエマーソンを連れて関西に赴任)時代は変わっていくんだなー。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
ドキュメンタリーで拝見してから気になっていたお二人。
お付き合いのきっかけから結婚、日々の生活までノロケも適度に入って読んでいて面白かったです。
真面目な話ももちろん出てくるけれど、湿っぽさがないのは全体的に軽やかなトーンなのと「吉田くん」の茶々が良いくすぐりになってるからでしょうか。
繋がり方に関係なく、自分の本当に好きな人とともに時間を過ごせることが、何より幸せなことなんだなと教えてもらいました。 -
満点でも良かったが、吉田さんの自作曲の詞が載っていて、ありがちJポップ風で萎えたので星一つ減点。著者紹介で「素朴な詩作」が…とある辺り編集者の「止めたのに…」というこだわりを深読みした。まあ、自作曲の詞が活字になるって一生ないならここで、という気は分からんでもないけどさ。
結婚式で自作曲歌うって、エルトン・ジョン「ユア・ソング」とかビリージョエル「素顔のままで」とかカーペンターズ「幸せのプレリュード」が無難だけど…。
男性同士で結婚して夫夫(ふうふ)って苦しいが、カムアウトしただけでも勇気のいること。
「どっちが男役? 女役?」と陰で言っていた女性検察官に、相方が「僕たちのホームページを見ていただいてるようで」って暗に「昨日の陰口聞いてたぞ」って教えてあげるくだりにはやっぱ「弟の夫」みたいな差別はあるんだ、と嫌な後味。まあ、法曹関係者なら多分この失言した人特定できるだろうし、流石弁護士の「倍返し」は公開処刑で来ましたか。^_^ 前後の文脈から裁判沙汰にはならないように書いてる。先に失礼なこといったのはその女性だもんね。
アメリカで同性婚した男性カップルが養子貰った経緯を書いた本を読んだことがあるが、日本もそうなればいいですね。
精子提供を申し出てきた女性が沢山いるとのことだが、レズビアンでもヘテロでも「弁護士」の精子が欲しいってそりゃ全員断るわな。二人の共同事務所の資産並びにどちらかが亡くなった場合の遺産を認知迫って(公証役場で「認知しない。遺産相続権は子供にない」と契約しても)「私の子には遺産を相続する権利がある! 子供は小さいからそれを管理する権利があるのは子の母の私」ってバカ女いそうだもん。男共働きで子供いなけりゃ使える金は多いもんね。(LGBTに寛容な会社が増えたのはその購買力を市場として無視できないからと聞いたことがある)。
「はじめに」で『その人は「同性愛者に実際に会ったことがない」のではなく「同性愛をカミングアウトしている人に会ったことがない」だけなのだ』とある。
やっぱりまだまだ日本はLGBTに寛容な社会ではないのだ。この本がその理解の一歩となって欲しい。
しかし、講演会で60歳くらいの老人に「子供を作らないのは親不孝」って言われたって悲しい。そのジジイは自分の娘か息子の嫁が初めての妊娠で流産して以降不妊になったら同じことが言えるのか? 不妊症の男性女性は結婚してても親不孝なの? 独身の人は? 人数が多い団塊ジュニア世代が少子なのはあんたらの責任じゃないの?
追伸:お二人とも21世紀になってから弁護士になっているが、司法試験勉強中には、やっぱりブリーフ裁判官こと岡口Jの「要件事実マニュアル」買って勉強したのだろうか。 -
めちゃくちゃ仲良くて超うらやましい(笑)もはやこれは南さんの長編ラブレターではないかと思うくらいです。
「普通」って、すごく難しい言葉だと思います。そんな「普通」を、彼らの生活を通して考えさせられます。LGBTに誤解がある人に、ぜひ読んで欲しいなと思いました。内容もすごくスッキリしていて読みやすいです。 -
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ジェンダーってなンダー?
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同性愛者であることを明かし活動している弁護士カップルの2人が、その何気ない日常を綴ることで、同性愛というものが、おかしいものなどではなく、ほかの恋愛となにひとつ変わらないものであると教えてくれる一冊。
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東京MXTVだかEテレだかで、南さんの存在を知り、
エッセイも出してるというので読んでみた。
”普通”という言い方は、とても繊細に扱わないといけない言葉であるのだけど、
公にしにくい中で、二人が出会い、付き合いはじめ、
家族のことも含めて関係を築いていく様子がきちんと書かれていて、
二人の組み合わせが違っても、一緒に生きていくことを選ぶことときに
たどっていく道に違いはないんだなと分かる。
どこにでもあるたくさんの事例のうちのひとつとして読めるような内容で
こういうタイプの本が増えていくのが大事なんだよなーと思う。
ちょこちょこ挟まれる二人の写真が微笑ましくていいんですよ。 -
弁護士夫夫の波瀾万丈奮闘記とサブタイトルにあるように、同性愛者カップルふたりの出会いからこれまでを書いたエッセイ。ふたりのことは新聞記事やテレビのドキュメントで知り、昨年はふたりを取り扱った映画も見ました。
LGBTという言葉が広まり、あらゆるメディアで日常的に語られることが多くなった今でも、実際にLGBTの人(この言い方は好きではないし、問題もありますが、敢えて使います)と会ったことがあるという人はどれくらいいるでしょうか。少ないのではないでしょうか。
でも、もしかすると日常的に話をしているのかも知れません。何故ならLGBTというカテゴリで言われる人たちは、そのことを隠しているから。気付かないだけで、すぐ隣にいるのかも知れません。
何故隠しているのか、その理由はここに述べなくともすぐにわかるでしょう。世にはびこる差別に対して自分を守るために隠さざるを得ないのです。
ならばこのふたりのように同性愛者であることをオープンにしている人はどうなのか。ふたりも世の中を変えようとしてオープンにしているのではないでしょう。自分たちの生き方そして自分たちの幸せのためには、オープンにする方がいいと考え抜いた結果なのでしょう。
そしてオープンにすること(本にすること)で、同性愛者があなたの隣のにいることをを示すことができるのです。少数者である自分たちは日々こうして暮らし、こう考えて、こんなに幸せでいる。それを世に示すことで社会は生きやすいものへと変えることができるかもしれない。生き苦しく感じている人が少し楽になるかもしれない。
書かれている内容は、本当にごく何でもないことです。波瀾万丈とサブタイトルにありますが、そんな煽ることでもない。でも当人たちにとっては大きなことであり大切なこと。
ひとりひとり異なった人生があり暮らしがある。それは異性愛者も同性愛者も変わらないこと。だからこれは異性愛者も同性愛者も関係なく、みんなそれぞれが自分の幸せを求めて生きることを応援する本でもあるのでしょう。 -
映画の「愛と法」を見たのだけど、こちらで仮登録。
これはぼくらと何ら変わらない、ふつうの人(いい意味で)が法的に適正な態度でごく当たり前の権利を主張している映画だと思う。
これに違和感を感じる人はある種旧時代的なのかなと思う。 -
読んだ!昨日の試合の帰り道に読み始めて、止められなくてその日のうちに全部読んじゃった。
この本、男性同士のカップルが書いているからとかじゃなくて、現在の社会では多数派ではない派にいて、悩んだり、悩まなかったり、でも幸せで、幸せになるためにこころをくだいていて、周りの人も幸せにしている、ふっつう(でもないか、少々かっこよくて、あと、頭がいいな)のひとのエッセイとして、ほんとによかった。
どうして結婚しようと思ったかとか、弁護士になろうと思ったかとか、お仕事のこととか、家族のこととか、南さんと吉田先生のこととか、喧嘩後の仲直りとかを、読んでてほっこりしたり、一緒に憤ったり、仲良しの秘訣を探ったり、大阪の文化に触れたりした!!
児相に置いといて、悩める子どもたちが読んだら、セクシャリティにかかわらず勇気と元気が出るだろうし、差別とかするつもりはないけど、LGBTの人のことを知らなくてどうしていいかわかんない母世代に読んでもらって、ほえー、南さんは普通の良いお兄さんなのね、そして吉田さんという配偶者がいてよかったわねえって思ってもらったらいいし、もう、みんなに読んでほしい。読みやすいし!! -
男らしさ満載。これぞ男の中の男って感じ。