フクロウからのプロポーズ

  • 日経ナショナルジオグラフィック社
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  • Amazon.co.jp ・本 (368ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784863131019

感想・レビュー・書評

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  • 動物ってほんと素晴らしい。ミントにももっとはなしかけよう

  • 野生動物を飼うことの大変さや尊さが伝わってきました。カルテクの研究員さんたちのぶっとびっぷりも面白かったです。

  • 翼を傷めたメンフクロウの雛を引き取って育てることになった女性が、ウェズリー(フクロウの名前)との19年を綴った作品。
    よく知らなかったメンフクロウの生態がわかって興味深かった。本来人に飼われるような性質ではない生物を引き取って育てるというのは並大抵のことじゃないんだなあ。見てるぶんにはすごく可愛いけど。メンフクロウってすごく繊細な生物なんだなあ。

  • フクロウを飼うってすごく大変なんですね。ネズミしか食べないということで、食べさせる時の準備など自分には絶対出来ないと思いました。

  • こんなに面倒で、こんなに愛情深いパートナー。
    私は付き合うガッツはないけれど、向き合ったらとっても幸福でしょう。

    離れなければならない最後は涙なくしては読めません。

  • メンフクロウの雛を引き取り、19年間を“添い遂げた”生物学の研究者・ステイシー。雛はウェズリーと名付けられ、それはそれは可愛がられて育つ。ただ、犬や猫とは違って猛禽類のウェズを育てるのは大変!食べるものだって、丸々ごとのネズミを日に何匹も必要とするし、目が開いた瞬間から見守っていたステイシーのことは母とも伴侶とも刷り込まれ、余人ではなんともならない生活が始まる。ステイシーが語るウェズはとにかく愛おしく、また、その記録は生物学的に素晴らしい成果を挙げたのだと思う。でも、そのために、結果として若く美しかった彼女は何度か恋に破れ、生涯をウェズに捧げた、という風に思えてしまう。私は動物はかなり好きな方だと思うけど、読みながら、私にはできない・・・とずっと感じていた。でも、ステイシーは、ウェズ亡き後、また、メンフクロウを一から育ててみたい、と言っているくらいなのだから、どんなに楽しかったのか、また、やり残したと思われることがあったのか、と思う。感動したのは、ウェズの晩年、両翼を広げて彼女を抱擁する場面。彼と彼女の深い絆は、子ども時代から微笑ましかったり、じわっときたり、の連続で感じられていたけど、この抱擁には涙・涙・・・。すっかり分かりあえている二人、という信頼関係に言葉がなかった。また、おまけとして、ステイシーの仲間の生物学者たちの“生態”がとても面白く読ませられた。(*^_^*)皆、動物が好きで、その研究や飼育のためには、何を捨てて生きているか。本人たちにとっては当たり前のことなのだろうが、凡人には、あはは・・・と笑えること、なるほどねぇ〜〜と感心することの連続だった。

  • ミュージシャン一族に生まれながらも、生来の動物好きが高じて生物学をこころざしたステイシー。カリフォルニア工科大学でフクロウ研究に従事していたところ、翼を傷めた生まれたばかりのメンフクロウを引き取ることになる。1985年、聖ヴァレンタン・デーのことだった。ウェズリーと名づけ一緒に暮らしはじめると、あっというまに夢中になった。身近にいるからこそ見られる生態、能力、知能に驚く毎日。つぎつぎと持ちあがる騒動。ステイシーは、高い知能と豊かな感情を持ったウェズリーと、深く心を通わせあうようになる。ところが、一生面倒を見ると心に誓っていたステイシーだったが、日常生活もままならないほどの大病を患ってしまい―(「BOOK」データベースより)

    白いメンフクロウ!おぉ、リアルヘドウィグ!!
    と思っていたら、やっぱりハリポタネタをからめる箇所がありましたね。
    とある一人の女性とフクロウとの絆を感じさせるエピソードが、飾らないままに散りばめられていて、『アレックスと私』よりほのぼの、『クラレンス』よりやや学術的、といった感じでした。
    しかしここまで献身的になられたら、そりゃあフクロウ氏もまいっちゃうってもんでしょう。
    これも一つの愛の形なのかな。

  • 生まれつき翼に障害のあるメンフクロウのオス、ウィーズリーと、彼の育ての親であり、伴侶でもあった人間の女性、ステイシーの19年間の記録。
    ナショジオのメルマガで「読者モニター募集」とあったので、応募したら見事に当たった。福を呼ぶと言われるフクロウの話なので縁起がいいかも。

    エッセイ風の文章がどんどん積み重なって、時にはステイシーのBFの話になったり、またある時には勤め先であったカリフォルニア工科大学の変わった面々の話を交えたりしながら、ウィーズリーの成長や変化の様子が描かれてゆく。エッセイ集にしてはボリュームが多いので、散漫な印象はするが、数々の体験や観察から導き出されるメッセージははっきりしている。
    動物は豊かな感情と知性を備えており、魂を持つということだ。多くの場合、彼らの脳と人間の脳とは構造が違うので、彼らの身体のしくみや習性について良く知った上で注意深く観察しないとわからない。でも心の交流、魂のレベルでの交流は充分可能なのだ。

    このことを具体的に表すエピソードが14章の中にある「くちばしと鉤爪」だ。
    伸びすぎて翼にひっかかるようになってしまったツメ、同じく伸びすぎてまるまってしまったためにネズミをうまく飲み込めなくなってしまったくちばしをどうするか、ステイシーは試行錯誤することになる。ただでさえデリケートなウィーズリーは、爪切りややすりを見ただけでパニックを起こす。寝ているときに不意打ちをかけようとしてもすぐに見破られる。結局、ステイシーは根気強く言葉で語りかけ、爪切りやくちばしへのやすりがけのイメージを心に思い浮かべて伝えることで成功した。前もって爪切りややすりがけの必要な理由、そしていつ決行するかを伝えた結果、ウィーズリーは自らかぎ爪やくちばしを差し出し、苦行に耐えて見せたのだった。

    「科学技術万能の社会にあって、わたしたちは、先祖代々受け継いできた、動物や自然についての豊かな知識を失った。多くの現代人が゛自然欠落障害゛を患っているとも言えそうだ。自然界と疎遠になり、自分自身の本質からも疎遠になってしまっている。直感による意志の疎通は、大むかしまむの人々には馴染みのものであったろう。動物たちは、考えられていたよりもじつははるかに複雑だ。そしてはるかに知的であって、人間とは深い絆で結ばれている。それを謙虚に学ぶことで――学びなおすことで――わたしたちは新たな進化を遂げてゆく、とわたしは強く信じたい」p313〜314より

    「あるメンフクロウとの思い出の記」とも言える本書がアメリカでベストセラー入りした理由は上記の信念にあるのだろう。本文中でも、ステイシーはじつにさまざまな場面で動物を真に愛する人々と出会うのだが、本が出ることによって、より多くの動物愛好家の心を刺激したに違いない。

  • メンフクロウのウェズリーと著者のステイシーの愛に涙しかない。特にラストは夜寝る前に読んでしまい、ちょっと後悔した。案の定、今日は目が腫れてる……。全編にわたりちりばめられている、ウェズリーの豊かな愛情表現と、それに答えるステイシーのやりとりに、胸が熱くなった。その一方で、動物をパートナーとすることの難しさにも気づかされる。ここまで誠実に相手に尽くせる人って、なかなかいないのではないか。
    それ以外にもメンフクロウの生態や、アメリカでは研究がどのように行われているかなど、平易な文章でわかりやすく綴られていて、興味深かった。

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