- Amazon.co.jp ・本 (360ページ)
- / ISBN・EAN: 9784863240179
感想・レビュー・書評
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豚がいなければ、人類はここまでこれなかったのでは、と思えるほどの、豚と生活・文化の関係。この本は、豚をただの動物としてではなく、人間と対等以上のスーパー動物として丁重に扱っています。豚の社会性、挨拶もする豚。喧嘩しそうになっても、フェロモンでなんとなくとろけて片付けてしまう豚。それでいて野生にも帰ってしまう自由っぷり。豚がなぜ人と仲良くなれるのか、そんな、豚愛にあふれる一冊。
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豚という生き物の想像をはるかに超える生態と、個人的な思い出を共有するに至る著者の貴重な体験談。
豚が社会においてどう捉えられているのか、3匹の子豚やくまのプーさんのピグレットやマペットショーのミス・ピギーまで名前に挙げて、紹介されているのも面白かった。 -
題名にひかれて読み始めたが、内容もとてもおもしろかった。
豚の細かい分類・特徴などはあまり興味がもてなかったが、豚と人間の長い関わりや、豚同士のコミュニケーションなど新鮮だった。
豚肉を食べるのはやめないけど、複雑な気持ちになった。 -
はじめの方は、百科事典を読み進んでいる気になるくらい豚の種類と特徴の記述が多く、萌え?とちょっとの退屈さが入り混じっていたけれど、第4章が非常に面白い。
感動したのが、あくまで仮説なのだけれど、
狩猟時代の人間が肉が余ると豚が集まってくる
自然に豚に愛着が沸く
移動して狩をするのを放棄し、栽培・牧畜をはじめる
という考察。
こんな風に、時代のいろんな場面で、豚が人類史を決定付けた要因になったことを紹介してる。
他にも、北米新世界の開拓で、西海岸にたどり着く前に定住するようになったのは、豚がその環境を好んだからだ、とか。
非常に納得感があるけど、考えもしなかった因果関係が沢山。
豚はお酒も甘いものも大好きで、自然と愛着が沸く。
だから、豚が喜ぶように歴史が動いてきた。
人間の歴史の決定が、こんなに人間くさいとは思わなかった。