ただ魅せられて (ヴィレッジブックス F ハ 11-6)

  • ヴィレッジブックス
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  • Amazon.co.jp ・本 (540ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784863323650

感想・レビュー・書評

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  • ヒーローにあまり魅力を感じなかったのと最後の畳み方がうまく行き過ぎでちょっとだけ残念だったかな。でも、Slightly、Simplyシリーズ通してのバログワールドを存分に楽しみました。
    次はグェウン!

  • メアリ・バログの「Simply」シリーズ完結編。きびしいけれどユーモアももっている校長、クローディアは友人の知り合いの男性にロンドンへ送ってもらった。彼の愛する人とは、そしてクローディアの意見を聞きたいと、彼は自宅へ彼女を案内した。全く「運命の出会い」とかではなくって、少しずつ知り合い、少しずつ理解しあい、少しずつ惹かれあっていく様が絶品!このシリーズはほんとうにいいなあ。そして、男性も頑張るけれど、なによりもヒロインがかっこいいのがこのシリーズの魅力でもあります。つよいわ!ほんと!あんだけのしうちされても、「絶対生きてやるんだ」というシーンが忘れられません。そういうシーンもあるにはありますがかなりおまけ。そんなことで読まないのはもったいないぐらい、一般向け小説が好きな方、特に大人の女性におすすめな作品です。

  • 終わり近くで、急ぎ過ぎた。

  • 女学校の校長のロマンスなんて、今までにない感じですね。

  • シリーズ4作目 最後は女学校の校長先生35才のクローディアと、公爵の跡継ぎジョゼフ35才。大人の恋愛ですね。貴族嫌い公爵大っ嫌いなヒロインなのに、やたら爵位付きの登場人物が多くて参りました。人物紹介と首っ引きです。ラストチャーリーとポーシャが結婚するのは、すご~く唐突でした。ストーリー上都合もいいし、そうなるんじゃない…と誰もが予想するとは思うのですが、もう少し道筋をつけて欲しかった。

  • simply四部作の最終巻。三作目から間を開けての邦訳刊行。
    この作家の場合、じわじわした絆構築を読める所が良いのだが、
    その反面、名前のついた登場人物が多すぎるのが難。
    たとえば本作の場合は、ヒーロー家族並びに親戚とか。
    ちなみに、本作の当て馬女・ポーシャは、一作目の当て馬女でもある。
    二度も当て馬にされるのは、ある意味気の毒(笑)。

    -----補足的追記

    久々に読み返したのだが
    やはり登場人物が多くて面倒。
    なので、個人的覚書しておくか。

    -----各家構成員一覧(子どもなどを除く)
    ※一応ネタバレ注意?

    〈アンベリー公爵家/フォーセット姓〉
    ウェブスター:公爵
    セイディ:公爵夫人;キルボーン先代伯爵未亡人クララの姉
    ジョゼフ:アッティングズバラ侯爵;公爵家嫡男
    ウィルマ:サットン伯爵夫人;当代公爵令嬢

    〈キルボーン伯爵家/ワイアット姓〉
    クララ:先代伯爵未亡人;アンベリー公爵夫人セイディの妹
    ネヴィル:当代伯爵
    リリー:当代伯爵夫人;ポートフレイ公爵の娘(エリザベスの産んだ娘ではない)
    グウェンドレン(愛称グウェン):レディ・ミュア(未亡人);先代伯爵令嬢

    〈ポートフレイ公爵家〉
    リンドン:公爵
    エリザベス:公爵夫人;先代キルボーン伯爵の妹・ネヴィルとグウェンの叔母

    〈レッドフィールド伯爵家/バトラー姓〉
    伯爵
    伯爵夫人
    クリストファー(愛称キット):レイヴンズバーグ子爵;伯爵家嫡男(次男)
    ローレン:レイヴンズバーグ子爵夫人;旧姓エッジワース 先々代ウィットリーフ子爵令嬢
    シドナム:当代伯爵三男
    アン:シドナム妻;旧姓ジュウェル

    〈ビューカッスル公爵家/ベドウィン姓〉
    ウルフリック:公爵
    クリスティーン:公爵夫人;旧姓トンプスン
    エイダン:公爵弟(次男)
    イヴ:エイダン妻;旧姓モリス
    ラナルフ:公爵弟(三男)
    ジュディス:ラナルフ妻;旧姓ロウ
    フライヤ:公爵妹(長女);ホールミア侯爵夫人
    ジョシュア・ムーア:フライヤ夫;ホールミア侯爵
    アレイン:公爵弟(四男)
    レイチェル:アレイン妻;旧姓ヨーク
    モーガン:公爵妹(次女);ロズソーン伯爵夫人
    ジャーヴェス・アシュフォード:モーガン夫;ロズソーン伯爵

    〈ウィットリーフ子爵家/エッジワース姓〉
    ピーター:当代子爵;ローレン従弟
    スザンナ:当代子爵夫人;旧姓オズボーン

    〈エッジカム伯爵家/マーシャル姓〉
    *嫡男の称号はシンクレア子爵
    ルシアス:当代伯爵
    フランシス:当代伯爵夫人;旧姓アラード

    〈ボルダーストン子爵家/ハント姓〉
    子爵
    子爵夫人
    ポーシャ:当代子爵令嬢

  • 英国の保養地バースで女学校を経営する女性クローディア。彼女は訳あって貴族を毛嫌いしていたが、ある日、ジョゼフという名のハンサムな侯爵が訪ねてくる。彼はクローディアの親友からの手紙を携えており、所用でロンドンへ行く予定のクローディアをエスコートさせてほしいと強引に頼み込んだ。やむなく承諾したクローディアは、旅のあいだにジョゼフの人柄を知り、意外にも心を惹かれていく。しかし、彼には父親が強く推す花嫁候補が存在していた…。『ただ忘れられなくて』で開幕した珠玉のヒストリカル・ロマンス四部作完結。

    シンプリー・カルテットの最終巻、バースの女学校の女校長クローディアがヒロイン。待ちに待った期待作ですよ。いままでも何度も登場してきたクローディアは前三作のヒロインたちの保護者であり理解者であり友人であり、そして貴族嫌い、特に公爵嫌いを公言してきたわけで。そのヒロインのお相手がいずれは公爵を継ぐことになっている侯爵だというので、もう読む前から期待度MAXなわけで。
    で、とりあえず最初に言わせて貰いたいのは!せめて誤字はヤメテ!お願いってことですか。

    四部作の最終巻ともなれば、前三作の登場人物たち大集合はお約束。しかもこの四部作とは別にメアリ・バログにはスライトリー(ベドウィン)・シリーズというのあって、同じ世界を共有してるときた。で、そのスライトリー・シリーズは邦訳が完全ではなかったり。なのにこの「ただ魅せられて」はそのシリーズからも時代があとってことで、そのシリーズからも登場する人物たちもけっこういたりと。
    だいたい19世紀英国ヒストリカル。当たり前の常識として親や親戚の称号と自分の称号が違ったりするのは良くあることで。今回のヒーロー、ジョゼフもいまはアッティングズバラ侯爵だけど将来はアンベリー公爵。同じように親が公爵や侯爵で子供が伯爵とか子爵とか、各種よりどりみどりに入り乱れ……。で、それぞれに配偶者がいてレディなんちゃらがたくさん。それも公爵家の次男以降はファーストネームでなんたら卿なので、その配偶者はもちろんそのレディ・ファーストネームなんたら……。
    だけど!
    そうだけどですよ、物語のなかでは親しい人たちはもちろん敬称じゃなくファーストネームや愛称で呼び合ってるわけで。
    「えーと、つまり、レディ・エイダンはイブのことなんだよね?」
    「ホールミア侯爵夫人ってフライヤだよね?」
    みたいなことを読みながら確認するというとても大変な作業。
    つまり!人物相関図を!いますぐ持ってきて!!ってことです。
    なのにときどき「侯爵」が「公爵」と間違ってたりされると、もうね、いい加減にしてって感じですよ。
    もともと「公爵」は「Duke」で、「侯爵」は「Marquis」なんだから、そうそう間違えることはないと思うんですが。
    えーと、なんかそういうわけで、作品自体を楽しむ前にいろいろ疲れるというか、あっちこっち確認しながらというか、とてもたいへんでした。

    それで。
    肝心の作品はというと。……わりと普通。
    いや面白かった、それは確か。登場人物がやたら多くてってことはありますが、しっかりした筋立てだし、ヒロインの貴族(公爵)嫌いの理由もすっきりしたし、スライトリーのほうで登場したポーシャ・ハントもなるほどという使い方だったし、貴族社会の常識や考え方と自分で生活している庶民階級の常識や考え方の差異とか、女学校の匿名の援助者がばれるところとか、読ませどころもたくさん。
    ヒロインの考え方、生き方。そしてヒーローの考え方、生き方。貴族の考え方、生き方。それぞれに理由があって簡単に溝は埋まらないもの。それをかなりうまく描いてて、すごく良かった。面白かった。
    だけど。ロマンスとしてはなんか普通って気がしちゃうのは、前三作ほど障害が大きくなかったってこと、かなあ。惹かれあいながらも事情があって一緒にはなれない。その最大の理由がポーシャ・ハントっていうのは……。せめてポーシャ・ハントの家から借金していて婚約を破棄できないとか、それくらいの障害は欲しかった。道義的にヒーローから婚約破棄できないっていうだけじゃなあ。
    あとヒーローの隠し子をポーシャ・ハントに話していないことについては、まったくもってヒーローが悪いし。婚約までするなら正直に話しておくべきでしょう、それこそ道義的に。

    ん、、、あとなにより印象的だったのは女学校の援助者がばれるところ。
    ヒロインは貴族社会に強い敵愾心を持ち、なかでも自分を追い出したベドウィン家を忌み嫌っている。その元凶たるフライヤが実は援助者であった、というくだりは、どういう決着をつけるのかとても楽しみだったシーン。それをメアリ・バログはすっきりと描いてくれた。
    ただ親切だったわけじゃない、ただ感謝していたわけじゃない、複雑な気持ちを持っていた二人。彼女たちそれぞれの気持ちを飾らずに正直に書いたのは、うんうん、と頷ける結末だった。これでお互いに友達になれるわけではないだろうけれど、以前とは違ったいい関係になれることを予感させている。
    そしてフライヤの行為によって、ひたすら自立を目指してきたヒロインが「自立という概念はなんと愚かなものでしょう。そんなものは存在しない。~」と自覚するにいたる。それがヒーローとの結婚に踏み切らせるわけで、ふたつのシリーズの集大成として、なんとも捻りが利いた結末と胸がすいた。

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