ナイン・ストーリーズ (ヴィレッジブックス F サ 4-1)
- ヴィレッジブックス (2012年7月20日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
- / ISBN・EAN: 9784863323957
作品紹介・あらすじ
サリンジャーが遺した最高の9つの物語。35年ぶりの新訳。
感想・レビュー・書評
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以前より(2、30年前から)、いつかは読んでみたいと思っていた本。時間的に少し余裕がある夏休みに読んでみた。
各短編のテーマが何なのかはまったくわからない。
いずれも(個性的を超えたような)変わった人物が出てきて、会話を中心に物語が進む。というより、ほぼ会話だけ。
次代の雰囲気や文化を理解しないとそれぞれの「核」に近づくことは難しいと思った。
わからないけれど、魅力的な小説ではあった。ほぼ会話だけの話を退屈せずに読み通せたのだから、そこは作者の力量を認めるべきなのだろう。
読みながら、村上春樹を連想した。似ている。たぶん春樹はサリンジャーの影響を受けている。
丁寧に読み返せば何か発見はあるのかも知れないが、他に読みたい本がいくらでもあるので、おそらく読み返すことはないだろう。 -
謎解きサリンジャーを読んで改めて読み直してみたが、面白く読めたことは読めたが、あいかわらずいらいらさせられる文体だしストーリーだし、和解はしたが支持にはまわれないなやはり。
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娘と母親、2人の女友達、少女と友達の兄、コマンチ・クラブの団員、母親と息子、軍人と少女、電話で会話する2人の男、美術学校の講師、天才少年と教授の会話か1人称による短編集。どの小説も登場人物の人生のものすごく短時間を切り取って語られている。その一瞬をたのしみながら終わりを惜しみながら読んでいく、読み終わったあとに登場人物たちのその後を想像する余韻がある。
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「バナナフィッシュ日和」と「笑い男」は情景が目に浮かんできやすいのか、親しみやすかった。とくにバナナフィッシュ日和の情景描写のことばえらびがすてき。「エズメに――愛と悲惨をこめて」と「テディ」が個人的にすきです。エズメもテディもちょっと大人びた言葉づかいが生意気でいとおしい。テディの語る、愛することについての台詞にかなり、ぐっときた。"二人とも僕の親なんだし、僕たちはみんなたがいのハーモニーの一部なんだし"
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2020.7.25
テディのオレンジの皮
「これは信念の表明であって、私への反論ではない。 」
「あらゆる痛みのゾーンが互いに依存しあっているように思えた。 」
「マッチで火をつけて紐を燃やして開けた。小包を開けるより紐が燃え切るのを見る方が興味があったが、結局開けてみた。 」
「幸福と悦びの一番大きな違いは、幸福は個体で悦びは液体ということである。 」
「でもそれは単に起きること全てに大して名前や感情を持っているからにすぎません。」 -
バナナフィッシュ日和 / コネチカットのアンクル・ウィギリー / エスキモーとの戦争前夜 / 笑い男 / ディンギーで / エズメに――愛と悲惨をこめて / 可憐なる口もと 緑なる君が瞳 / ド・ドーミエ=スミスの青の時代 / テディ
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掴めそうで掴めない世界でした。
初めてサリンジャーを読みました。
「笑い男」「テディ」が好きです。
各話の会話も独特で好きでした。進んでるようで話が進んでなくてずっと同じような所にいるのが良かったです。翻弄されます。
「テディ」のテディ、凄かったです。神童なのかな…こんなに老成していたらラストはやはり、と思ってしまいます。
「バナナフィッシュ日和」も読んでみたかったです。次は「注文の多い注文書」を読みます。