「生きる力」の強い子を育てる (BE HERE NOW BOOKS人間性教育学シリーズ 2)

著者 :
  • 飛鳥新社
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  • Amazon.co.jp ・本 (216ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784864100878

感想・レビュー・書評

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  • 天外さんの考えの全体像を紹介されている本。僕は、ニイルやシュタイナーの思想や斎藤公子さんについてしれたことが良かった。
    フロー体験と乳幼児の学びについて、深めようと思った良書です。

  • 日本の教育はほぼすべて与える教育をしているので、生きる力が弱くなっている。

    現代に必要な「生きる力」の強い子を育てるには、引き出す教育による人間性教育を重視すべきと言う本。

    大脳辺縁系の古い脳を土台として、大脳新皮質を育てるべき。身体性、情動、芸術的感覚などの生きる力のあと、理論を学ぶ。早くから読み書きの勉強を教えるのは間違いだと。

    自分は間違いなくそういう教育を受けてきた。これを読んで、自分の子どもや社会に対して自分には何ができるかな。

    内容はよく分かったし、ためになったが、もう少し実践的な内容を期待してたので、そこは若干期待はずれ。次回作に期待。

  • 教育は非常に難しい。結果がわかるのが何年も先になるし、これが良いという正解はないと思う。「ゆとり教育」は教師の力量が問われるため、一律に導入したのが失敗の原因と筆者は主張している。

    私は「ゆとり教育」には懐疑的で「知識を深めることが成長、想像力も知識が必要」と考える。しかし筆者は「生きる力」が「いい人生」につながると言い、そのためには、勉強を強要せず夢中になって遊ぶ「フロー」体験が必要と説く。このことは本書を読んで頭では理解できるが、実行するのは難しいなあ。

  • フロー
    歌や踊り、瞑想、呼吸法そして自然との交わりが有効

  • 早期教育の弊害がストンと理解できます。子どもに子ども時代を保障することの大切さを痛感する本です。読んで目から鱗というかズシンと本質が伝わるというか…衝撃的な本でした。何度も読み返しています。

  • 久々に教育書を読みました。
    ハッキリ言います! 超オススメ! 騙されたと思って絶対読んで!

    以下のような方はぜひ読まれると良いでしょう。

    ・子どもについいろいろ口出ししてしまう方
    ・子どもが期待より出来ないことにイライラしてしまう方
    ・早く○○しなきゃ!と焦っている方
    ・今、何に取り組んだら良いんだろう、と悶々としている方
    ・子どもが全然勉強に取り組んでくれない方

    また、既にシュタイナーやモンテッソーリ、アドラー心理学など一度は考えたことがあるような方も、本書を読むと改めて知識の再整理といいますか、腹落ち感は半端ないと思います。

    あるいは、叱らない育児、褒めない育児、肯定的なしつけなどなど、あまりメジャーではありませんが、「ポジティブディシプリン」を信奉しているような方もかなりの部分で賛同出来る内容になっています。

    意識の高い親たちはみんな気付いているんです。本書に書かれた教育法の効果を。
    自ら考えたくましく世の中を闊歩する、「生きる力」が養われるという、その効果を。
    ・・・知識として。

    けれども、それを実践するためには、日本にはそういう環境が少ないし、仮に環境が近くにあったとしてもまるでバクチのようにすら思えて、怖じ気づいて、いざやろうとすると出来ないのです。

    そりゃ本書で紹介されたサドベリー校のように、朝から晩までひたすら遊んで過ごしながら集中力を養い、やがてそれが学習意欲としての集中力に転化するなどという奇抜な教育施策など、親の意思が強くなければ絶対に世間の風当たりの強さに負けてしまうというものなのです。

    「あの家庭は子どもを遊ばせていて、それで将来は生きる力が付くなんて信じてるらしい。おめでたいね」
    「どうもあの子はしつけがなっていない。人に迷惑を掛けておいてけろっとしてる。親は何やってんだ」
    「あの子まだひらがなも書けないんですって。かわいそうね」

    真面目な親ほど、そういう声にとても敏感で、いつの間にか既成の枠の中に子どもを閉じ込めてしまいます。
    そうしたとき、子どもの創造力は失われ、型にハマった「良い子」が出来上がります。
    もったいないけれど、それが現実。

    ゆとり教育もそう。あれは極めて高度な教育の思想です。それを全国一律に導入しようとしました。
    全ての教師や親たちが意識の高い人の集団なら、もしかしたら成功したかもしれませんが、いろんな人たちが居る中で理想的な教育理論だけを振りかざしたって、上手く行きっこ無いんです。
    教えないで待つ。与えないで引き出す。
    忍耐が要ります。
    失敗したらどうする? 恐怖が募ります。
    素晴らしい思想だったのにもったいない。欲張り過ぎたのでしょう。

    そうなんです。
    この本を読んで感化され、100%本書の通りにやるという行動も一つの選択だと思いますが、そんなことができる親は1%もいやしないと思います。
    でも、この本から20%くらいなら取り入れてみて、少しずつ実践してみる、という取り組みなら、何とかできそうな気がします。

    世の中にはパレートの法則、2:8の法則なんて勇気が出る経験則があります。
    本書の20%でも実践できれば、きっと80%の効果が上がるはずなんです。

    少しずつでもいいから試しながら、一歩ずつ確認するようにゆっくりと、それでも前進して行けたなら、いつか世界中の子どもたちが幸せになれるんじゃないかな、そしたら戦争もなくなるんじゃないかな、とそんな風にすら思えるのです。

    本書のような内容のことを、僕はのんが0歳のときに少し勉強していました。
    あれから5年を経て、今僕は本書と出会い、何だか懐かしい気持ちになりました。

    のんがまだママのお腹の中にいた頃、僕はのんにどうなって欲しいと思っていたのでしょう。
    目の前で字を書くこと、英語をしゃべること。
    そんなことはどうだって良いとは言わないけれども、とりわけて大事なことでもない。
    僕は、のんが、「自ら道を切り開いて、世の中を生き抜いて行ける強い女性にしたい」と、そういう風に思っていたのでした。
    そのためには創造力や決断力、コミュニケーション能力などを高める必要があると。
    そこでポジティブディシプリンを勉強したり、アドラー心理学の本を読んだり、様々な育児書、教育書を読みあさっていたというわけです。

    でも、100%それを実現することは、僕には出来ませんでした。
    僕は意思の弱い人間です。
    世間の目や「普通の5歳」や「出来る5歳」を意識して枠にはめてしまおうとする悪魔が出て来てしまうのです。

    でも、不思議なことに、いろいろ読みあさっていたことが深層心理で効いていたのか、のんの進む道は100%では無いながらも、かなりの部分で本書のような内容を意識した選択をしていたのです。

    ・例えば、山の中を自由に走り回れる自然が豊かな保育園に1歳になってすぐに放り込んだこと。
     →うちは共働きですから、意識せずそうなった。近くの保育園が取れず、結果的に田舎の方の保育園になった。
    ・例えば、音楽や芸術など、本人がやりたいように自由にさせ、そのような環境を準備しておいたこと。
     →ズボラなので、いろんな画材を最初に買って全部与えた。音楽は何となく情操に良いと思っていた。
    ・例えば、本人が集中しているときに、敢えてその集中を削がないようにそっとしておいたこと。
     →単に私がズボラだから、集中していてくれると楽だから。
    ・例えば、教えることより引き出す教育を実践している小学校に進学させたこと。
     →狙ったと言えば、これぐらいかな。。

    100%は無理でも、それでも諦めないで、一歩ずつでも理想の教育に近づけるように、意識して行ったら、もしかしたら自然にそういった選択をしていくのかもしれません。

    答えはまだ分からないのです。将来のんがどうなってしまうのかも。
    でも、100%ではないにしても、少しは幸せに近づけるのではないのかなと、そう信じたいのです。

    良書です。ぜひ読んでみて下さい!

  • うーん・・・
    書き方、文章が好きじゃない。
    著者が一番影響を受けたであろうサドベリー教育推奨の本にも感じられて、なんだかなあと思う。

    シュタイナー、モンテッソーリ等、またイチから勉強しなおしたくなった。

  •  ネッツ南国の横田さんに薦められて拝読。天外さんの深層に流れるフロー理論に軸足を置き、フロイト、ユング、ランク、、ニイルの心理学ををベースに、真の教育について書かれている。
     私自身は、一人息子を40歳で出産したが、お腹にいるとき胎動を感じてから、子どもというのは自分の子どもでありながらそうではない、神様からの預かり物だと体感した。添えまで、自分の人生は自分で計画し、自分の思い通りに作り上げていくものと考えていたが、お腹の中で自分の意思とは関係なく動くわが子を感じ、それは驕りであると理解した。妊娠、出産を通して、自分も宇宙の一部であり、大きな自然の摂理の中に組み込まれていると考えるようになった。
     神様から預かった子どもの中には自分を超える神が宿っており、自分の思うようにできるものではない。持って生まれたものを並走しながら上手に引き出す手伝いをしてやることではないか。これが子どもを育てるということではないかと。
     この本に書かれていることは、自分が出産、子育てを通して感じたことが理論立ててきちっと説明されており、さらに進んで日本の教育の在り方まで言及している。保育園では、子どもたちがのびのびと体感する保育で共感のあるしていたが、息子の小学校に感じた違和感がすっきり解決した感じであった。
     子どもというのは、未来を生きるものであり、子どもを育てるということは過去から未来への人の営みを継承していくこと。親はその責任を負う。子育てを通して、分かることの多さを今されながらに思う。

  • 2013-1-13 復習完了

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著者プロフィール

工学博士(東北大学)、名誉博士(エジンバラ大学)。1964年、東京工業大学電子工学科卒業後、42年間ソニーに勤務。上席常務を経て、ソニー・インテリジェンス・ダイナミクス 研究所(株)所長兼社長などを歴任。現在、「ホロトロピック・ネットワーク」を主宰、医療改革や教育改革に携わり、瞑想や断食を指導。また「天外塾」という企業経営者のためのセミナーを開いている。さらに2014年より「社員の幸せ、働きがい、社会貢献を大切にする企業」を発掘し、表彰するための「ホワイト企業大賞」も主宰している。著書に『「ティール時代」の子育ての秘密』『「人類の目覚め」へのガイドブック』『実存的変容』『ザ・メンタルモデル』(由佐美加子・共著)『自然経営』(武井浩三・共著)『幸福学×経営学』(小森谷浩志・前野隆司・共著)『人間性尊重型 大家族主義経営』(西泰宏・共著)『無分別智医療の時代へ』『「自己否定感」』『「融和力」』(いずれも小社刊)など多数。2021年の夏、これからの生き方や在り方、暮らし方をみんなで学ぶオンラインサロン「salon de TENGE」をスタートした。

「2022年 『「正義と悪」という幻想』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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