のこされた動物たち 福島第一原発20キロ圏内の記録

著者 :
  • 飛鳥新社
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感想 : 54
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  • Amazon.co.jp ・本 (128ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784864101028

感想・レビュー・書評

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  • 人が誰もいない風景にとりのこされた動物たちのこちらを見る目にどうやって向き合えばいいんだろう…。わたしたちが招いたことで関係ない動物たちが苦しまなくてはいけないことに申し訳なくなる。餓死したり殺処分され折り重なるように横たわる牛や豚たち…もしもひっそりと亡くなっていた猫がうちの猫だったら…。原発再稼働うんぬんの前にを多くの方に現状を見てもらいたいと思う。

  • 言葉にならない。

    何を言ってもしっくりこない。

    とても悲しい。

  • うおおお・・
    これはかわいそう
    泣ける

    こんな光景がすぐ近くで、日本の中で起こってるんだなあ・・

    なんか自分も含めて、ちょっと離れてるだけなのに
    この別世界感はなんだろう

    これでいいのかなー
    だめなんだろうな・・

  • 知ってはいたけどこれほどとは…。自分もミニチュアダックスがいるけれど、巻頭に出てくる写真を見て涙がこぼれた。動物たちの愛くるしい表情と、震災の爪痕のコントラストが見ていて辛い。震災だけであれば、動物たちはこんなことにはならなかったはず。ぜひ見てほしい1冊。

  • 報道カメラマンの太田さんが撮った福島の動物達の写真。

    写真集・・・といっても悲しい写真です。
    見ているそばから。
    ページをめくりながら 泣きます。涙が止まらないんです。

    動物達の『何故?』が。
    厩舎、牛舎、豚舎、犬や猫のどうして?
    彼等に理解出来るはずはないだろう。
    人だって『対岸の火事』として受け止めている人が多いから。
    理解出来てない人も居るんだから。

    事実として受け止めなければいけない。
    後世に残さなければいけない。
    確かにTV的にはNGなのだろうけど、現実を現実として受け入れないと。
    頑張っている人に、『頑張れ』とは言えない私。
    それでも『生きろ』と言いたい。
    それは生きとし生けるもの全てに対して。

    震災から3ヶ月後でこの惨状。
    とんでもない数値のSv/hの中、彼等は生きてる。
    何も出来ない歯痒さを感じながら読み終える。
    lastに保護された犬や猫の行く先が綴られて少しホッとした。

  • 文章は少ないが、写真が全てを物語っている。

  • 目を逸らしてはならないこと。忘れてはならないこと。

  • もし、仲間達がみんな死んでいく。
    生きて欲しいと思っても仲間は死んでしまう。
    そんな所を見てきて、生き残って、
    やっと助け(人間)が来る。

    私ならそんな時「おーいみんなこれで助かるぞ。」と思って安心すると思う。助けに来た相手を疑わずに近づいていく。

    動物もあの時、そう思ったのではないか。
    ぬか喜びをさせ、裏切るように豚を殺処分したことは忘れたくない。

    私達はこの写真集をみて終わりかもしれないが、
    人が動物を守ろうとしても処分や命令があれば従うしかない場合も存在した。生き残った者の頑張りを大型車でなぎ倒すような行いもきっとあったのかもしれない。戦いは健康被害を含め続いていくのだろう。
    行動すれば、少しは変える事が出来る。今まで動けないと思い込んでいただけで一歩踏み出せばあとは簡単に行動できる。
    これを見た者が何をするかが1番大事だと思う。

  • 言わせたら、何かしら全うな事情を言うだろうが、なぜこういう扱いしかできなかったのか。
    本屋の立ち読みだけで、ページめくっていくのも辛く、辺り構わず気付いたら泣いていました。
    読了は新刊扱いの頃。見返すのも辛い。しかし、これが事実。

  • 福島第一原発20km圏内に取り残され、様々な苦労をしている犬・猫等の愛玩動物、家畜の様子を、震災後3ヶ月間にわたり、写真と文章に記録したもの。飼い主に見捨てられたにもかかわらず、家の前で主人が戻ってくるのを、飢えと闘いつつ、寂しげな表情でひたすら待ち続ける姿は健気だ。

    野生動物と異なり愛玩動物は、人間との相互関係の中で生活するものであり、その生存に関わる最大の要素は、飼い主の資質や責任感、次いで、飼い主による十分な保護が叶わなくなった場合における公的・社会的支援の成熟度である。平時から年間30万匹の犬猫が殺処分される日本では、未曾有の大震災の前に、為す術もなく、ただひたすら動物たちを見殺しにせざるを得なかった。本書は、そうした事実を、目を覆いたくなるような写真とともに、我々に残酷に突きつけてくる。

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著者プロフィール

太田康介(おおた やすすけ)1958年9月23日生まれ。滋賀県出身。フォトグラファーアシスタントを経て、編集プロダクションにカメラマンとして入社。1991年よりフリーに。日本写真家協会(JPS)会員。報道カメラマンとしてボスニア・ヘルツェゴビナやアフガニスタン、カンボジア、北朝鮮などを撮影。東日本大震災後は、原発周辺に取り残された家畜やペットの写真を撮るとともに、飼い主のいない猫のTNR(地域猫化)と給餌活動を続けている。著書に『のこされた動物たち』『待ちつづける動物たち』(飛鳥新社)『しろさびとまっちゃん』(KADOKAWA メディアファクトリー)『うちのとらまる』(辰巳出版)『おじさんと河原猫』(扶桑社)など

「2020年 『やさしいねこ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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