怪盗ルパン伝 アバンチュリエ(5) 奇巌城・下 (ヒーローズコミックス)
- 小学館クリエイティブ (2016年5月2日発売)
- Amazon.co.jp ・マンガ
- / ISBN・EAN: 9784864684583
感想・レビュー・書評
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遂に大作『奇巌城』完結。やたらと単行本出るの遅いな…と思っていたら物凄い厚さに。
連載中は兎に角推理が多いため、一月間が空いたりするとスジを忘れてしまい読みづらかったところがあったのですが、逆に単行本のイッキ読みのほうが話をとらえやすかったですな。
ルパンとイジドール、ガニマールの、善悪や恩讐を超えた、特殊な関係を表す各人の表情が良い。しかしそれもあくまでルパンが主導権を握っている間であり、事態が彼の手を離れた時、「犯罪者」であるという現実が痛烈にルパンを打ちのめしているようにも思えます。(イブニング時代の最終話もそういった印象)
作者の公開している年表からすると、これでもまだ原作の序盤も序盤の模様。まだまだこれからもこの新約アルセーヌルパンの物語を読み続けたいものです。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
奇巌城シリーズ上中下の最後の巻です。読後の感想は、「すごい」の一言に尽きます。今までルパンの活躍を追いかけてきて、上中巻でルパンの恋やボートルレ少年の活躍を描いて来てくれましたが、この結末は想像していませんでした。まず上巻から中巻にかけて、ボートルレ少年の素晴らしい推理力、そして愛らしい外見と見かけにそぐわない活動的な面に引きこまれます。そして我らがルパンが徐々に姿を現し、少年と私達読者を驚かせ、時にはおそろしくさえ思わせてくれるドキドキとワクワクをくれます。物語に引き込まれようと上中巻を読み返して一気読みしましたが、これはまとめて読むべき作品です!ルパンの素顔に迫る解決編ならではの興奮と同時に、ボートルレ少年と一緒に冒険をして、世界にのめり込んだひとときでした。
ルブランの原作を読もう、ルパンの世界を知りたい、と感じる名作。おすすめします。
次回作は813。もちろんこちらも、楽しみにしています。