毎日のように手紙は来るけれどあなた以外の人からである 枡野浩一全短歌集

著者 :
  • 左右社
4.17
  • (40)
  • (42)
  • (20)
  • (1)
  • (0)
本棚登録 : 557
感想 : 48
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (384ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784865280999

作品紹介・あらすじ

短歌ブームは、ここからはじまった――。歌人・枡野浩一、デビュー25周年にして、待望の全短歌集刊行!

 世の常として、他人に言えない孤独を歌にすると、他人に言えない孤独を抱えた、多くの人たちに愛される、のです。
 そして、そのことは一切、誰の孤独も軽くはしないのです。
 でも、歌は。
 あぁ、歌は。

 枡野さんのこの御本、とてもうれしい

――小沢健二




簡単な現代語だけでつくられているのに、読むと思わず感嘆してしまう「かんたん短歌」で若い世代の短歌ブームを牽引した歌人・枡野浩一。 デビュー25周年を記念して、入手困難になっていた短歌集『てのりくじら』『ドレミふぁんくしょんドロップ』『ますの。』『歌』全収録作に、『結婚失格』など、その他の著作からの拾遺、未収録作を加えた決定版! 特別栞として、俵万智と枡野浩一の往復書簡も収録。

【目次】
てのりくじら 1997
ドレミふぁんくしょんドロップ 1997
ますの。 1999
愛について 2006
夢について 2010
歌 2012
虹 2022
いつか 1989-2022
全著作一覧

特別栞:枡野浩一と俵万智の往復書簡


〈収録歌より〉

こんなにもふざけたきょうがある以上どんなあすでもありうるだろう

真夜中の電話に出ると「もうぼくをさがさないで」とウォーリーの声

殺したいやつがいるのでしばらくは目標のある人生である

神様はいると思うよ 冗談が好きなモテないやつだろうけど

好きだった雨、雨だったあのころの日々、あのころの日々だった君

わけもなく家出したくてたまらない 一人暮らしの部屋にいるのに

消しゴムでこすったせいで真っ黒になってしまったようなサヨナラ

君はそのとても苦しい言いわけで自分自身をだませるのかい?

ツイッター「フォローさせる」は選べない 愛を強要できないなんて

終わったとみんな言うけどおしまいがあるってことは素敵なことだ

私には才能がある気がします それは勇気のようなものです

さようなら さようなら また会いましょう また別れたら また会いましょう

ニュースにはならない日にも虹は出て消えて私がおぼえています

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 桝野浩一さんのデビュー25周年の全短歌集。
    帯に小沢健二さんが
    「世の常として、他人に言えない孤独を歌にすると、他人に言えない孤独を抱えた、多くの人に愛される、のです。
     でも、歌は。
     あぁ、歌は。

     枡野さんのこの御本、とてもうれしい」と書かれています。
    特別栞 俵万智さんと枡野浩一さんの往復書簡付き。




    以下、共感した歌にひとこと感想をつけます。



    ○いろいろと苦しいこともあるけれどむなしいこともいろいろある

    苦しいのは辛いけど、むなしいのも辛いですね。

    ○毎日のように手紙は来るけれどあなた以外の人からである

    毎日のようにいいね!は来るけれどあなた以外の人からである。

    ○「ライターになる方法をおしえて」と訊くような子はなれないでしょう

    歌壇に載る方法を教えてとは私はまだ誰にも訊いてはいませんが。

    ○差別とは言わないまでもドラマではホステスの名は決まってアケミ

    私の親友のAちゃんの名はアケミですが愚痴を聞いたことはないです。

    ○努力とは希望を持っている人にだけゆるされたまぶしい助走

    まだ希望を全部捨てたわけではないです。

    ○ほめているあなたのほうがほめられている私よりえらいのかしら

    ほめてくれる人は人格者だと思います。

    ○ツイッター「フォローさせる」は選べない 愛を強要できないなんて

    「フォローさせる」なんてあるわけないですね。

    ○誕生日おめでとう きょうも好きでした あしたもきっと好きだと思う

    素敵な一年になりますようにとか言いがちですが誕生日に好きでしたという人はいないですね。

    ○私には才能がある気がします それは勇気のようなものです

    いいですね。

    ○しめきりに追われるような毎日はいつか僕が夢みた暮らし

    しめきりなんてないので自分で目標を立てています。

    ○意地悪な人ほど強く生きぬいて優しい人が死んで悲しい

    確かにあり得る事態です。

    ○会いたくて会えない人はあなたには会いたいなんて思ってません

    とても悲しいけどそうなんでしょうね。

    • まことさん
      ベルガモットさん♪

      昨日「せんだい文学塾」の模様がHPにアップされると言ったのは、今日HPで4,5年ぶりに確認してみたところなくなって...
      ベルガモットさん♪

      昨日「せんだい文学塾」の模様がHPにアップされると言ったのは、今日HPで4,5年ぶりに確認してみたところなくなっていました。以前は受講生の講座レポートのようなものが確かにあったのですが、誤認情報をお伝えしてしまって、どうもすいませんでした<(_ _)>。
      「山形小説家・ライター講座」の方は専属のテープ起こしライターの方がいらして毎月、ほぼ全情報がアップされているのですが(一部有料になってしまいましたが)。デビュー前の柚月裕子さんもテープ起こしされていたことがあるんですよ。
      本当に申し訳ありません。このコメントに対する返信は特になくて大丈夫です。
      2023/05/01
    • ひろさん
      まことさん♪
      図書館のリクエストカード!今度行ったときに訊いてみます。教えてくださりありがとうございます(*^^*)
      そうですね♪色んな歌集...
      まことさん♪
      図書館のリクエストカード!今度行ったときに訊いてみます。教えてくださりありがとうございます(*^^*)
      そうですね♪色んな歌集を読んでいって、好きな歌人ができてから買ってもいいですねぇ
      まことさんのレビューまた参考にさせていただきますね♪
      2023/05/01
    • まことさん
      ひろさん♪

      (*^^*)♪
      ひろさん♪

      (*^^*)♪
      2023/05/01
  • はじめて(本で)出会った歌人は穂村弘さん(『世界音痴』というタイトルのエッセイ)だけど、はじめて買った短歌集は枡野浩一さんの歌集だった。
    どうして知ったのかは覚えてないが、16年ほど前にハマっていたヤフオクで買った。
    届いた商品には手紙がついており、丁寧な人だな〜と思いながら、本を開いて驚愕した。
    なんと、乾いたハナ◯ソがびっしりとあちこちのページについているのだ。
    わたしは混乱した。なぜ?なぜ、こんな状態に?
    やりとりのときも、手紙の文面もフレンドリーで何の問題も感じなかったので、そのことに逆に恐怖を感じ、泣き寝入りしてしまった。
    ハナ◯ソは意を決して全部取った。
    本の内容は素晴らしく、こんなわたしでも短歌が作れそうな気がして、一首作ったが、それで終わった。
    それでも、枡野さんの歌には心が震えた。
    この短歌集の前半で、その短歌を読んでいた時間と空気を思い出して懐かしかった。
    しばらく心の友として、手帳に書きつけて持ち歩いていた歌もあった。
    その歌を思い出すとほんの少しだけ強くなれそうな気持ちになった。
    全然強くなれなかったけど、気がするだけで生きのびられた。
    他人の作った歌だけど、自分の歌みたいに感じた。
    この歌集の栞の俵万智さんの枡野さんへの返信に書かれている通り、「(枡野浩一さんの短歌の)もうすでに読者のものという顔つき」に、多くの人が助けられたと思う。
    「みんなが使う言葉」で、短歌を知らない、興味ないひとたちにも、伝わるように、届くように、短歌の世界の裾野を拡げてくれたのは、うれしい。
    4月から、NHK短歌の選者を勤められるということで、今からドキドキです。
    どんな歌を選ばれるのだろう。







    • たださん
      5552さん、こんばんは。

      いや、これは凄いですね。
      というか、酷すぎる!
      そのあまりに衝撃的なエピソードに驚きましたが、それでも、今の5...
      5552さん、こんばんは。

      いや、これは凄いですね。
      というか、酷すぎる!
      そのあまりに衝撃的なエピソードに驚きましたが、それでも、今の5552さんを形作ったのだと信じたいですし、これを書かれた5552さんのこと、尊敬いたします。
      『事実は小説よりも奇なり』とは、よく言ったもんですよね。

      それでも、枡野浩一さんのこと、よく知らなかったので、歌集に興味を持つことが出来ました。
      俵万智さんの言葉も素敵ですね。
      ありがとうございます!
      2024/02/13
    • 5552さん
      たださん、こんばんは。

      今、思えばひどかったなー、抗議すればよかったのかなーと思うのですが、当時は相手がどういう思いでこんな状態の本を売ろ...
      たださん、こんばんは。

      今、思えばひどかったなー、抗議すればよかったのかなーと思うのですが、当時は相手がどういう思いでこんな状態の本を売ろうと思ったのか、それが全く分からず(今もですが)恐怖でした。
      でも、大抵の人はその本、気持ち悪くて捨てると思うのですが、ハナ◯ソ取ってまで読んだのが我ながら自分らしいと思いました笑

      枡野浩一さん、いいですよ。
      俵万智さんもですけれど、わかりやすい=浅い、ではないことが良く分かります。
      俵万智さんの言葉もいいですよね。
      生み出したのは作者だけれど、作品そのものは、読者のものでもある、といってもいい、と、作者の方に許されたような気がしています。
      2024/02/14
    • たださん
      5552さん、お返事ありがとうございます。

      いや、おそらく私も抗議出来ないと思います。
      何というか、怖い上に、揉めたら面倒くさそうで嫌だな...
      5552さん、お返事ありがとうございます。

      いや、おそらく私も抗議出来ないと思います。
      何というか、怖い上に、揉めたら面倒くさそうで嫌だなという気持ちが芽生えそうで・・・。
      それでも、5552さんにとって、思い入れの強い作品と出会えて良かったと、思います。

      わかりやすい=浅い、ではないことは、簡単に出来そうで、最も難しそうな気がしまして、本書のタイトルも何気ないようでいて、心惹かれるといいますか、そんな魅力も感じました。
      市の図書館にあれば、是非読んでみたいと思います。
      改めまして、ご紹介ありがとうございます(^-^)
      2024/02/15
  • 枡野浩一さんの短歌集ですね。

    まことさんの本棚登録で、興味をもちました。
    まことさん、ありがとうございます。

    私にはまだ早かったかな?
    率直な短歌が多かったように感じました。
    枡野さんは、1969年生まれです。
    俵万智さんに感化を受けて、短歌表現に取り組まれたようですね。
    言葉を駆使する職業を生業とされているので、短歌の言葉もわかりやすく、ご自分の内面を飾ることなく、素直に端的に思いを表現されているように思います。
    面白いのは、一首で一頁の本に成っています。
    一首を味わって欲しい意気込みでしょうか?
    少しだけ

    だれからも愛されないということの自由気ままを誇りつつ咲け

    僕からの手紙の山が芽を生やしレターツリーの森となるまで

    階段にすわって朝を待ちながらゆうべの夢をうちあけ合った

    願いごと何度も言いそうで流星群は眺めなかった

    息をする 生きていて今かなしみを味わっている 息をしていく

    文章に書ける程度のかなしみを綴って君に見せておやすみ

    現代短歌というのでしょうか?
    短歌を味わい始めた私には、とても新鮮に感じました。
    さらに、短歌を知っていけば、また違う感性で受け止められそうですね。

    • まことさん
      ひだまりトマトさん、こんにちは♪

      枡野浩一さんの短歌集を選ばれたのですね。
      枡野浩一さんは『かんたん短歌の作り方』という、短歌指南書も出さ...
      ひだまりトマトさん、こんにちは♪

      枡野浩一さんの短歌集を選ばれたのですね。
      枡野浩一さんは『かんたん短歌の作り方』という、短歌指南書も出されているので、それを読まれると、枡野さんの、立ち位置がわかるかと思います。
      穂村弘さんのことを、短歌界で、一番売れている人と、おっしゃっているので、穂村さんの『はじめての短歌』と比べ読みされてみられるのも、面白いかと思います。
      2023/07/25
    • ひだまりトマトさん
      まことさん、こんにちは。
      コメントありがとうございます。

      なるほど、わかりました。
      少しずつ、短歌に触れていきたいと思います。
      暑い日が続...
      まことさん、こんにちは。
      コメントありがとうございます。

      なるほど、わかりました。
      少しずつ、短歌に触れていきたいと思います。
      暑い日が続きます。ご自愛なされて下さい。
      2023/07/25
  • 飾らず真っ直ぐな歌は、まるで枡野浩一さん自身のようだ。
    心にストレートに届くし、とても共感できる。
    枡野浩一さんが短歌ブームの火付け役だったのかぁ。
    確かに、比喩がなくストレートな表現は、私のような初心者にもわかりやすい。
    短歌をとても身近に感じさせてくれる。
    自分も歌を作ってみようかな、と思わせてくれる。
    枡野浩一さんの魅力が伝わってくる素敵な作品だった。

    以下、いいなと思った歌を。
    ・ドラえもん あなたがいるということが未来があるということだから
    ・終わったとみんな言うけどおしまいがあるってことは素敵なことだ
    ・誕生日おめでとう きょうも好きでした あしたもきっと好きだと思う
    ・嘘つきになろうと思う 嘘をつく世界のことを愛するために
    ・努力とは希望を持っている人にだけゆるされたまぶしい助走
    ・消しゴムでこすったせいで真っ黒になってしまったようなサヨナラ
    ・好きだった雨、雨だったあのころの日々、あのころの日々だった君
    ・ため息を深く深く深く深く……ついてそのまま永眠したい
    ・毎日のように手紙は来るけれどあなた以外の人からである
    ・だれだって欲しいよ だけど本当はないものなんだ 「どこでもドア」は

  • 歌人枡野浩一の全短歌集。
    「簡単な現代語だけで読者が感嘆してしまうような表現を目指す『かんたん短歌』を提唱」ということです。
    読書知人にお勧めいただきました。ありがとうございます。

    私は詩や短歌、俳句、ツイッターなど短い言葉での表現の受け取りが苦手なんですよ。作者(詠み人)と感性が違うとわからない、言葉が少ないのに回りくどくて何言っているのかわからない、反対にズバリ過ぎて「何だったんだあれは」で通り過ぎてしまう感じがするからかと思っています。SNSになると如何に相手を傷つけて「うまいこと言った!」になっているのは、本心の言葉なのかうまいこと言う競争しているのか(-_-;)

    こちらの枡野浩一の短歌は、負の感情や性的なこと、世の中のことをかなり赤裸々に詠っていますが嫌な感じがしないのは、短歌という形で自分の感情をアウトプットしていて、他人や社会に対する攻撃や恨みは感じないからかなと思いました。

    私の友達で趣味で漫画書いている人がいるのですが、友人たちで集まって大変だったことや嫌なことをワイワイ愚痴大会みたいに話していると「そのネタもらった!」って言ってたんですよ。それを聞いて「そっかー、嫌なこともネタゲットと思えば良いのか」と考えたんです。
    枡野浩一の短歌も、言葉にして出せすことで溜め込まずに良い方向に向かえる、嫌なことがあったらこの感情をどうやって昇華しよう?と考えられたらその感情ももったうえで、言葉に気持ちを込めことができる人間と言葉の関係を感じました。

     『口笛を吹けない人が増えたのは吹く必要がないからだろう』

     『真夜中の電話に出ると「もうぼくをさがさないで」とウォーリーの声』⇒なんというか…ごめんなさい。

     『ついていないわけじゃなくってラッキーなことが特別起こらないだけ』

    生きるって…
     『階段をおりる自分をうしろから突き飛ばしたくなり立ち止まる』

     『とりあえずひきとめている僕だって飛びたいような気分の夜だ』

    他人への怒りや悲しみを言葉に変えるとよいパワーになりそう。
     『殺したいやつがいるのでしばらくは目標のある人生である』

     『加害者であると解釈されたならどんどんなつてゆきさうな俺』

     『被害者であると解釈したければどんどんなつてゆけさうな僕』

     『あの野郎の追悼文は俺が書く ほかのだれにも書かせはしない』

     『あの人は元気でしたか? いや別に何もおしえてくれなくていい』⇒なんか好きだ、そんなことある。

     『時効まであと十五年 もしここで指の力をゆるめなければ』

     『他人への怒りは全部かなしみに変えて自分で癒やしてみせる』 

    やはり歌人なので言葉についての言葉もあります。
     『「ライターになる方法を教えて」と訊くような子はなれないでしょう』

     『増野ではなく升野でも舛野でもない枡野なんです』⇒はい!覚えました 笑

     『切り売りというよりむしろ人生のまるごと売りをしているつもり』

     『川柳と俳句と短歌の区別などつかない人がモテる人です』⇒はい、私です、ただ感性が鈍いだけです。(鈍い人のほうが世間受けするってことだろうか)

    そしてやっぱり言葉とは人間にとって善いものだと私は思いたい。(私自身嫌な言葉の使い方をしてしまうので、反省を込めて)
     『結婚はめでたいことだ臨終はかなしいことだまちがえるなよ』

     『気をつけていってらっしゃい 行きよりも明るい帰路になりますように』

    • 淳水堂さん
      まことさんこんばんは

      いつも拙い文章を読んでいただきありがとうございますm(_ _)m

      漫画の友達は私も目からウロコだったんです...
      まことさんこんばんは

      いつも拙い文章を読んでいただきありがとうございますm(_ _)m

      漫画の友達は私も目からウロコだったんです。
      嫌なことあっても「ネタありがとう!」と受け取れば良いのかって笑
      そしてこちらの本もかなり赤裸々なのですが、自分の負の感情を「創作のネタだ!」として短歌に昇華されていると感じました。

      私はレビュー書いてから、同じ本のレビュアーの方々の文章も目を通すのですが、レビュアーさんによって引用する短歌が色々なのも興味深かったです。
      短歌は短い言葉で直接的なので、読者によっての好みも色々なんだなって。

      まことさんもレビュー書かれるときにはどの短歌を引用されるか楽しみです(*^^*)
      2023/04/17
    • pinoko003さん
      私も詩歌の読解はへたなほうなのですが、このかたの作風は非常にわかりやすそうで大変興味をもちました。
      もしかしてサラダ記念日以降の短歌への衝...
      私も詩歌の読解はへたなほうなのですが、このかたの作風は非常にわかりやすそうで大変興味をもちました。
      もしかしてサラダ記念日以降の短歌への衝撃になるかもしれません。
      2023/04/22
    • 淳水堂さん
      pinoko003さんこんにちは

      こちらの本には俵万智との往復書簡も添付されてます!
      枡野浩一が親が買ってきた『サラダ記念日』を読...
      pinoko003さんこんにちは

      こちらの本には俵万智との往復書簡も添付されてます!
      枡野浩一が親が買ってきた『サラダ記念日』を読んで衝撃を受けたとかだったかな(本は図書館に返却してしまって手元にない(^_^;))
      短歌の中には、俵万智や他の詠み人(という言い方で良いのか?)のことを詠った短歌もあります。
      枡野浩一は「悪口っぽいことを書いたのに快くお返事くださった俵さん」と書いていますが、 枡野浩一の「悪口」は悪口ではないので俵万智も応じたのでしょうね。
      2023/04/22
  • 音読で読了。
    「気をつけていってらっしゃい行きよりも明るい帰路になりますように」

  • すごい。こんなに一首一首が作者の手を離れてただそれ一首として生きていて、分かりやすく意味のある歌を作れる人は、、、???

    短歌をほとんど読んでいないのでは?とさえ思わされる

  • 順番によまず、開いたページの歌にふれてみると、思い立ったときに手に取れる。短歌への壁が少し低くなったかも。

  • 枡野浩一さんの全短歌集とあるので、これは是非と思って買ったんですが、黄なる歌は少なくて、付箋でつけたのは以前買った本の中にあった歌になりました。

    ・もう愛や夢を茶化して笑うほど弱くはないし子どもでもない
    ・結果より過程が大事「カルピス」と「冷えてしまったホットカルピス」
    ・野茂がもし世界のNOMOになろうとも君や私の手柄ではない
    ・結婚はめでたいことだ 臨終はかなしいことだ まちがえるなよ
    ・毎日のように手紙は来るけれどあなた以外の人からである
    ・太ってもやせてもたぶん君よりは宮沢りえは百倍美人
    ・悪口は裏返された愛だけど愛そのものじゃないと思った
    ・塩酸をうすめたものが希塩酸ならば希望はうすめた望み
    ・辞書をひきバレンタインが破廉恥の隣にあると気づいている日
    ・素人と呼ばれてしまふ それでも良いとおもってしまふ 愛については
    ・愛人がいるって人は奥さんに捨てられてない立派な人だ
    ・麻焼けがとてもきれいで生きていてよかったような気がする色だ
    ・だまされるほうが悪いと言われたが だましたほうが悪いと思う
    ・川柳と俳句と短歌の区別などつかない人がモテるひとです
    ・さよならをあなたの声で聞きたくてあなたと出会う必要がある

    枡野さんのは、文庫本の方が読み物としても数段楽しく、歌だけではなくプロヂュース力に長けた歌人なんですな。

    ②、既読の枡野浩一さんの本

  • だんだんと『インターネットでよく見られる、周りへの攻撃的な態度』が歌に乗っていく過程が見えるようで結構ショックだった
    ・説教という欲情をする君のカチカチになる正論の棒
    ・本人が読む場所に書く陰口はその本人に甘えた言葉
    ・家を出て稼いだことのない人は何かを親のせいにしている
    このあたり、あまりにもインターネットのマイナスかつエコーチェンバー的な空気を吸いすぎている歌だと思う。
    正直、近年の歌は読んでいて全部キツいし全部露悪的だし全部がインターネットの悪い側面に見える。
    でも、初期の歌はやっぱり好きなのでたまらない気分だ

全48件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

一九六八年東京都生まれ。歌人。雑誌ライター、広告会社のコピーライターなどを経て一九九七年、短歌絵本を二冊同時刊行し歌人デビュー。短歌代表作は高校国語教科書に掲載された。短歌小説『ショートソング』、アンソロジー『ドラえもん短歌』、入門書『かんたん短歌の作り方』、『毎日のように手紙は来るけれどあなた以外の人からである 枡野浩一全短歌集』など著書多数。目黒雅也や内田かずひろの絵と組み、絵本・児童小説も手がけている。

「2023年 『おやすみ短歌』 で使われていた紹介文から引用しています。」

枡野浩一の作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
朝井 リョウ
牟田 都子
今村 夏子
小川 哲
有効な右矢印 無効な右矢印
  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×