- Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
- / ISBN・EAN: 9784865370355
作品紹介・あらすじ
総勢70人が語る極私的トラウマ映画論。
感想・レビュー・書評
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絶望を感じられる映画を、バラエティに富んだ(どちらかというとコアに映画に関わっている)70名の方々が推薦。
映画を見て、気持ちを沈める、ショックを受けるなんて、あまりしたくない。
けれど、そういう映画はあるし、観なければよかったと思いつつひきづってしまう。
食べ物でいえば、「くさや」のような映画のオンパレードのよう。万人受けでもない、けれども観る人によってはとんでもなく刺さり、目が離せない。
どの紹介も面白い。それが凄い。
そして、
自分が観たこと有る/無い、知っている/知らない
によって読む歓びがまた違う。
・観たことのある映画
「ああ確かにそうだった」と思うもの(西鶴一代女、ミリオンダラーベイビー、リービング・ラスベガス)、「へーそうだっけ?もう一度観て確かめたい」(ポーラX、SWEET SIXTEEN、東京暮色、ジェイコブス・ラダー)など
・観たことがなく、よく評判をきく映画
「やはり観なければ!」(ペパーミントキャンディー、アメリカン・ヒストリーX、オールドボーイ、僕のエリ)というものもあれば、
「ますます見るのが怖くなった。当分観られないな」(ファニーゲーム、TATTO刺青あり、少年、絞殺)
とういものもある。
・観たことも聞いたこともなかった映画
「こんな映画もあるんだ!」というワクワク感。
(炎628、チェイサー、ミスト、日本黒社会LEY LINES、ザザンボ、少女ムシェット、ぼくのバラ色の人生、寅二郎あじさいの恋、ときめきに死す、仁義の墓場、最後の晩餐、殺人の追憶、影の軍隊)
なお、蛭子さんの「マルホランド・ドライブ」の推薦文が、何が絶望なのかを明確に書いていなく、非常に虚を突かれた。さすが、蛭子さん。
絶望映画は、人生の深淵を覗き、普段うすうす気づかないようにしているような、「何かしらの真実」に触れ、芸術的なカタルシスを得られる。
映画は、短い時間にドラマを伝える手段、そして一見リアルなもののように見えるフィクションを、リアルに伝えるもの。その仕組みとして、物語作りとして絶望という演出手段は非常に効果的だなと思う。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
様々な人々(作家、ライター、女優、俳優、監督など)の絶望するけど好きな映画(トラウマ映画)をピックアップ!
映画好きにとってはかなり楽しめる本
昔からハリウッドの大ヒット映画に興味がなかった私
この選ばれた映画の解説にすごく共感
でもって、見てみたい映画もたくさん!
同じ映画を若い時に見て
「なんじゃこりゃ?」って思ってた作品を
年を重ねてから見ると
「お~!そういうことだったのね~」
なんてわかることってあるのよね。
「髪結いの亭主」とかそうだったな~
この中で紹介されている映画って
見たいけど見る時は覚悟しないとマズイだろな~
「なんじゃこりゃ~」で終わんなくて
むしろ、年を重ねた分だけ思うことが多すぎて
どよ~んが深そう…。
悩ましいわ~。 -
映画は経験できない(経験しないほうがいい)ことを疑似体験できるから面白い。 絶望シネマは私の絶望に寄り添ってくれる。這い上がるにはどうしたらいいのか、思考を動かしてくれる。いろんな方々がそれぞれの絶望シネマを紹介している。死ねるか!見たい映画が増えた。
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観たことある映画と、気になる作品と、興味あるアーティストのページを拾い読み。わたし的に嗚呼あれは絶望的だったなそういえばと読んでいて思い出させてくれたのは「メランコリア」かな。うん、あ、あれで終わりか、さよ〜な〜ら〜と思ったもん。読んだらもう一度観たくなってきた。
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各々のエピソードが面白い。