実践! マインドフルネス―今この瞬間に気づき青空を感じるレッスン[注意訓練CD付]

著者 :
制作 : 富田望  樋沼友子  荒木美乃里  黒田彩加 
  • サンガ
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  • Amazon.co.jp ・本 (139ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784865640618

作品紹介・あらすじ

マインドフルネスとは-集中力を高めて、視野を広げる。心の中に意識を向けて観察する。ストレスに対処する最新の心のエクササイズとして話題のマインドフルネス。その最先端で活躍する医師/心理士による、わかりやすく、本格的な、実践の入門書。

感想・レビュー・書評

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  • 薄い本ですが、サマタ、ヴィパッサナー、ラベリング、アクセプタンス、脱フュージョンなどのキーワードが網羅されていて実践的。

  • 以前読んだ「ストレスに負けない生活」の著者、熊野宏昭先生の本です。「マインドフルネス」とはなんぞや?という状態で読んでみました。

    マインドフルネスはストレスを減らす方法とは基本的に関係ないとのこと。ジョン・カバット・ジン博士が「マインドフルネスストレス低減法」を開発して、それが世界中で使われるようになり混同されてるとのことです。

    マインドフルネスは不安障害などの治療に有効ということですが、私はストレスを減らしたいので今度は「マインドフルネスストレス低減法」という本を読みたいと思います。

  • サマタ瞑想からヴィパッサナー瞑想、そして注意訓練へと導いてくれている。
    今現在に引き留めてくれることを実感している。どんな時も継続したいと思う。

  • わかりやすい本だった。

  • CDがためになりそうで、日常に取り入れて活用していきたいと思う。

  • まずはサマタ瞑想から

  • 何冊かマインドフルネスに関する本を読んだが、基本的に理論も実践方法もそれほど違いはない。
    どの本でも良いので、気に入ったものを参考に毎日少しずつでも続けることが最も重要。
    (マインドフルネスに限らず読書全般に共通することだが、それが最も難しい・・・)
    本書では、大きく2つの瞑想方法を紹介している。
    一つはサマタ瞑想と呼ばれる集中するための瞑想。もう一つはヴィパッサナー瞑想と呼ばれる自分を客観視するための瞑想。後者の瞑想を身に付けることで、マインドフルネスの本来の恩恵を受けられるようになると記している。
    ・サマタ瞑想:目は閉じても開けたままでも、どちらでも慣れているほうでやってください。背筋は伸ばして、顎は少し引きます。体は少し前屈みで、下腹に力が少し入るくらいが一番いい姿勢です。呼吸に伴う体の感覚に注意を向けていきます。息が入ってくるのに伴ってそこが広がっていくふくらみを感じてください。次に息が出ていくときは、それに伴ってちぢんでいくのを感じてください。どこか体がこわばっているような感じがしたら、そこに注意を向けて「こわざり、こわまり」とラべリングをします。そして「戻ります」と心の中でとなえて、また体がふくらみ、ちぢんでいく感覚に戻ります。他のことが起きても、みんな同じやり方をします。タイマーなどをセットしてください。時間は5分-10分から始めるのが目安です。慣れてきたら時間を長くしていってください。
    ・ヴィパッサナー瞑想:この膜想は、注意のフオーカスを広げていくということです。まずは呼吸の感覚を、もう少し広く体全体で感じ取るようにしてみます。「ふくらみ、ふくらみ」のときに、体の隅々にまで空気が流れ込んでくるまりな感じです。「ちぢみ、ちぢみ」のときは、体全体からこの息が流れ出していくような感じです。全身で呼吸をしているような感覚で行います。堺に、さらに自分の体の外にまで注意を向けていきます。まずは、この部屋全体を感じ取ってみましょう。色々な音や声、さらに空気の動きや暖かいとか寒いといったものを感じる。そういったことをみんな感じ取りながら、「ふくらみ、ふくらみ、ちぢみ、ちぢみ」とやっていきます。そこまで広げていくと、もう自分の呼吸は小さく感じられますよね。ずっと注意が外まで広がっていますので、「ふくらみ、ふくらみ、ちぢみ、ちぢみ」は続けていますが、そこにちよっと錨を下ろしているくらいの感じです。それ力ら、雑念が出ても全然構わないのですが、これも空間の中にフッと浮かんでさて、漂っているような感じですね。「なんか、あそこが痛いな」とか、あるいは「あの仕事、まだやっていなかったな」といった考えがフッと出てきても、しばらくそこで漂わせておく。それだけを考えなければ、そこに引き込まれることはありませんので、漂わせておきましよう。そしてまた全体を感じながら「ふくらみ、ふくらみ、ちぢみ、ちぢみ」と続けます。自分がここから眺めている。ここ、ら感じている。ここに戻ってくる、と、うことです。タイマーなどをセットしてください。時間は5分-10分から始めるのが目安です。慣れてきたら時間を長くしていってください。
    ・体験の回避はオぺラント学習(いい結果が出る体験をするとそれを無自覚で繰り返すこと)が大部分なので、目覚していなくても自動的に起こります。この自動的に起こるのをどうするかが、マインドフルネスの大きな課題です。生活の中で自動的に起こってしまっていることが、我々の日常生活を形づくっているのです。うまくいかないことを、無自覚に繰り返してしまっていることをどうするかマインドフルネスの大きな目標ということになります。
    ・好きか、嫌いか、どうでもいいかという三つの感覚が、外界を捉えた途端に起こっていると考えられていて、それを感受というわけです。
    ・目分を、観察者として見ている自分と、観察きれる側の心や体に区別する練習でもあります。とりあえず、自分の中を二つに分けてみます。この「とりあえず」というのを忘れないでください。これは、とりあえず「見ている自分」と「見られている自分」の二つに、自分を分けてみるとわかりやすいですよ、ということです。これが脱フユージョンの基本です。
    ・人は考え続けようとしなくても、心は勝手に反応します。これを私的出来事と呼ぶわけです。心の中のものは外からの刺激によって、あるいは自分の中から出てくる刺激によつて、それに反応して勝手に動いています。
    ・考えていたところから抜け出して、先ほどまでの思考がつくり出した世界と、現実の世界を、外から見比べることができるようになるわけです。そうすると、明らかに違うことがわかります。これが、脱フユージョンが起きた瞬間です。ハッと「そんなわけないか」って気づいて、我に返ったときが、脱フユージョンを経験している瞬間なんです。
    ・距離をおいて見ているつもりでも、自分というものは思考がっくり出したものなので、その自分の中にも思考が当然残っています。ですから、距離をおいて見ているつもりが、実は思考のかたまりの自分の中から見ているだけだつたみたいなことが起こります。それが脱フユージョンをしようとしているのに、実は回避になっているときの大きなパターンです。自分はどこから見ているかということが重要になります。自分の心の中、思考の中から見ているのでは、距離をおいて見ていることにならないです。
    ・自分というものに色々なものが含まれていると、それは当然、自分の思考も巻き込まれていくわけです。ー七すから自分を小さく、小さくしていく。自分というものミまとんど見ている機能だけになります。観察する機能だけになったとしたら、もう自分というもの自体がいなくなりますよね。「自分のために」とか、「自分が苦しい思いをしないように」とか、「自分がいい思いしたいから」とか、そういったものがほとんどなくなってしまう。そうなった場合、自分はどういう存在になるかと言えば、ある意味、もう自分のためには生きられませんよね。自分のことを考える材料自体がないわけですから。そうなると、他の人とのつながり、あるいは他の生きとし生けるものといったらいいのかもしれませんが、そういうものとのつながりの中にしか、自分は存在しなくなるわけです。そこまで行けば、完全に脱フユージョンができています。
    ・ヴィパッサナー膜想のように、いろんなものを感じ取りながら、それをずっと続けようとすると、もう思考が動かなくなるのですね。考えないようにするのではなくて、いろいろなものに気を配って注意を分割した結果、思考が動かなくなり、それ以上生芸れなくなるんです。それが先ほどふれた、自分をとにかく小さくするための工夫なんです。
    ・マインドフルネス瞑想とは、まず、一貫して「今ここ」での体の動作や、それに伴、つ身体感覚に持続的な注意を向けることが含まれています。これは先ほどのサマタ膜想でやったことで、注意の持続といいます。瞑想中に不可避的に現れる、思考や感情などの私的出来事に対しては、気づいた時点で身体感覚に注意を戻します。先ほどのサマタ膜想では、ラべリングを使って呼吸にともなう身体感覚に戻りました。そうして注意の持続と転換が安定して維持できるようになったら、注意の範囲をパノラマ的に広げて、視界に入ってくるものすべてに同時に気を配るヴィパッサナー膜想に移ります。これは注意の分割です。ですから注意の観点から言えば、サマタ膜想は注意の持続と転換を繰り返す方法です。対してヴィパッサナー膜想は、注意の分割を活用している方法です。
    ・身体感覚・思考・感情など、すべての私的出来事に気づきが触れたなら、言い換えればハッと気づいたなら、もう考え続けな、。そこに注意を向け続けないで手放します。これは廿マタ眼想であれば、呼吸にともなう身体感覚に注意を戻す。ヴィパッサナー眼想であれば、それだけにのめり込まないで、他のものも感じ続ける。そういつたことをすると、いったんワッーと生まれてきたものも、スッと消えていくようになります。
    ・嫌なものをなくそう、いい気分になろうというのは気晴らしであり、体験の回避なので、このために瞑想を使用してはいけません。ですから嫌な気持ちのとき、落ち込ん練でいるとき、不安が強いときにもしないでください。できれば1日で時間を決めて、その時間にやるのが一番いいと思います。気分が乗らないときには、やらない。
    ・注意訓練は集中と注意の分割の両方の瞑想の練習になる。注意の持続、注意の転換、注意の分割の三つのトレーニングから構成されています。注意の持続と注意の転換は、考えの世界にいることに気付き、反すうや心配を早めに切り上げ、現実の世界に戻ってくるときに役立つ力です。注意の分割は、気になることがありつつも目の前のやりたいことを続けるときや、色々な側面に気を配ることで現実を偏りなく捉えるときに役立つ力です。これらの練習を、1日2回、毎日行うことが推奨されています。なお、ネガティブな考えや感情が浮かんだときに限定して練習を行うと、本来の目的とは違つた使われ方になりやすいため、1日の中で決められた時間を設定して練習するほうがよいでしよう。また、視野を固定するために、どこか見る場所を決めて、練習中はそこに視点を合わせ続けてください。目を閉じると別の考えが浮かびやすくなるため、目を開けて行うことが望ましいとされています。
    なお、その方法はCDをダビング済み。
    ・実際に生活の中で行う場合は、生活音を使ったほうがいいです。メロディーのような意味のある音は、むしろよくないんですね。そういったものではなくて、中性音。特に意味がないものを使ってやったほうが、注意のコントロールカはっくと言われています。
    ・不安なときに気を紛らわせようとして、一生懸命音楽を聴いたりするのは、うまくいくことももちろんありますが、逆効果になることもありますよね。そういうふうに覚えておくといいかなと思います。そのままにして様子を見た低うが、「あれ、さっきあんなに不安だつたのに、今はもう平気になったな」といった体験ができることが多いので、そのほうがマインドフルネス的なやり方なんですね。

  • 「心ここにあらず」の状態から、目を覚まして、今やるべきことに戻る。
    瞬間、瞬間の自分に戻る。
    目覚めの状態。
    これがマインドフルネス。

     目覚めの状態

    ストレス←  →リラクゼーション

     心ここにあらず

  • マインドフルネスについての本。
    概念がわかりやすく整理して記載されている。
    この手の本、何冊か読んでいるが、そういうことだったのかという気づきがあってよかった。

    <メモ>
    ・マインドフルネス瞑想の実践法。
     呼吸に伴う身体の動きに静かに注意を向ける。
     呼吸はゆっくりとくらいにして、なるべくコントロールしない。
     お腹に注意を向け膨らみ、縮む感覚をそのまま感じ取る。
     雑念、五感、感情に引き込まれていることを感じたら、ラベリングをしてそっと呼吸の感覚に戻ることを繰り返す。
     注意をパノラマ的に広げて私的公的出来事の全てを同時に捉え続けるようにする。
    ・もう不安になるならなっていいよと実際にやってみると思っていたほど大変なことにならないことが非常によく起こる。これを何度もなんども経験していくと、大変だと不安が湧き出ても、何とかなるという行動を取れるようになる。
    ・脱フュージョン 考え続けることを一旦やめて、思考と現実を区別する機能。
    ・マインドフル瞑想の目指すもの
     ヴィパッサナー瞑想のようにいろんなものを感じながらそれをずっと続けようとすると思考が動かなくなる。考えないようにするのではなく、いろいろなものに気を配って注意を分割した結果思考が動かなくなり、それ以上生じなくなる。こを行うことで自分が自分がという思考が残らなくなる。一方で現実がすごくビビットに感じられる。これが目指すもの
    ・マインドフル瞑想の構成要素は一貫して今ここでの体の動作やそれに伴う身体感覚に持続的な注意を向けることが含まれている。サマタ瞑想のラベリングを使って呼吸に伴う身体感覚に戻ること。注意の持続と転換が安定して維持できるようになったら、注意の範囲をパノラマ的に広げて視界に入ってくるもの全てに同時に気を配るヴィパッサナー瞑想に移る。これは注意の分割。
    身体感覚、思考、感情など
    ・注意訓練は1つの音刺激に集中する選択的注意、
     複数の音刺激に交互に集中する注意の転換
     複数の音刺激に同時に集中する注意の分割
    ・マインドフルネスの戦略
     基本は自分の体験に気づいて、反応を止めることによっていつものパターンから抜けること。
     過去の学習歴によって形成された反応パターンを消去することを可能にするということ。そして、引き続き自分が目指す方向性に沿って次の行動を選択するという価値に基づくコミットメントが促進されることに。

  • マインドフルネスのチェックポイントの整理に役立つ印象です。
    特に「マインドフルネス」≠「リラクゼーション」であること、
    中核概念であるサマタとヴィパッサナーの相違、
    「集中力がつく」というのは主目的ではないこと
    の三つが丁寧におさえられています。

    ラリー・ローザンバーグの名著『呼吸による癒し』が繰り返し読んだと紹介されていたり、10代から瞑想に触れているあたり、精神科医であっても経験が伺えて良いです。

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著者プロフィール

熊野宏昭(くまの・ひろあき)…PART 3
早稲田大学人間科学学術院 教授 博士(医学)
【主著】
ストレスに負けない生活 ちくま新書 2007年
マインドフルネスそしてACTへ 星和書店 2011年
新世代の認知行動療法 日本評論社 2012年
認知行動療法入門(共著) 講談社 2017年
瞑想と意識の探求 サンガ新社 2022年

「2022年 『公認心理師のための「心理支援」講義』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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