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- Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
- / ISBN・EAN: 9784865781151
感想・レビュー・書評
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著者が親しい知己の逝去にあたって寄せた追悼文集であるが、冒頭の序文が美しく、それだけ読めばいいかなと。
50年くらい前まで私の村では、人が死ぬと「無常の使い」というものに立ってもらった。必ず2人組で、衣服を改め、死者の縁者の家へ歩いていったものである。「今日は水俣から無常のお使いにあがりました。お宅の親戚の誰それさんが今朝方お果てになりました。お葬式は何時頃でございます。」
個々の人生はひとしなみではないが、その葬儀に参加することで、人々はやがて来るべき自分の死をも思いの中に入れて、つかの間なりと生死の共同体を共にしていたと思われる。
「恨み返すなぞ、のさりち思えぞ」
のさりとは天の賜物の意である。迫害ものさりと思えと。
「これがなぁ、一番むずかしか。恨み返すなちゅうことが」詳細をみるコメント0件をすべて表示