世界が面白くなる!身の回りの哲学

著者 :
  • あさ出版
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本棚登録 : 188
感想 : 7
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  • Amazon.co.jp ・本 (304ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784866673790

作品紹介・あらすじ

「幸せだから笑うのではない、笑うから幸せなのだ!」
これは、アランの『幸福論』に出てくる有名な言葉です。

このように、哲学者たちは私たちをハッとさせるような言葉や考えを残しています。
「哲学」とは、頭をすごく使うこと、頭がいい人がすることなど、
高尚なイメージを持たれている人も多いかもしれません。
しかし、そんなことは決してありません。
「愛とは何か」「死とは何か」「正義とは何か」「世界とは何か」「性とは何か」など
疑問に思うことを「なんだろう?」と自分なりに考えてみたらいいのです。

では、哲学をすると、どんな良いことがあるのでしょうか?
哲学することで悩みや問題が解決します。
悩みや問題がなくなれば、世界がより良くなったと言っていいでしょう。
だから、わざわざ考えるわけです。
考えても苦しいだけなら、誰もしません。
でも、哲学の場合は答えが出るのです。
しかも世界を良くする答えが――。

生活の中の些細なことから、政治の話、宇宙の話、科学の話、何についてでも考えることができます。
本書でもまさに暮らしの中のテーマから政治や宇宙、科学の話まで、実にバラエティに富んだテーマ、
つまり身の回りの話題を哲学しています。
各テーマにおいて、哲学者(時には科学者)の考えと私の考えをご紹介していますので、
本書を読みながら「自分ならどう考えるだろう」ということを意識して言語化してみてください。
それがすでに哲学なのです。

感想・レビュー・書評

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  • 遊びや趣味やお金を、哲学者がどのように考えていたのかを、平易な言葉で説明されていて、面白かった。哲学を身近に感じられて、入門書としてピッタリ

  • 身の回りの哲学 小川仁志
    疑って、視点を変えて、再構築する。自分の考えを言葉にする。
     日常生活を哲学する
     遊び とは、人間の本来の姿を取り戻すための日常
     顔とは、最も目立つ人生の「顔」
     趣味とは、人生とゆう道を豊かに歩むための別ルート
     お金とは、不安の裏返し。不安をなくせば、お金はいらなくなる。
     社会を哲学する
     正義とは、議論によって生成しつづけるバランス
     政治とは、自由に生きるうえで不可欠な摩擦
     戦争とは、国家の本能であるがゆえに、しばりつけなければならない。
     LGBTQ+とは、人が芸術作品として生き方を主張すること
     ポスト資本主義とは、戦争と助け合いのバランスの中で時代が求めるベストな経済体制
     テクノロジーを哲学する
     AIとは、知能の高さにかかわらず、永遠に人間とは異なる存在
     インターネットとは、わたしたちが生み出したもう1つの希望の世界
     SNSとは、現代社会が飼いならすべき諸刃の剣
     宇宙とは、人間が思いをはせるために、すべてをしられてしまってはいけない場所
     バイオテクノロジーとは、人間の尊厳を守るためにのみ許される必要悪
     災害を哲学する
     パンでミックスとは、人類と自然の中で起こる歴史の急激な更新
     震災とは、私たちの文明と精神を試すもの
     気候変動とは、品位ある生活の命運を握るもの
     原子力発電所の事故とは、テクノロジーを生み出した人間の覚悟が問われる出来事
     事故とは、自分の苦悩する力が試される機会
     人生を哲学する
     真の幸福とは、生きがいをみつけることであり、何ものにもかき乱されることがない状態
     仕事とは、個人と社会を健全な形で育むための営み
     家族とは、親密な関係性のもとに共存する他者
     死とは、日々かんえることしかできない宿命
     宗教とは、人類の共存を願う想い
     抽象的概念を哲学する
     自由とは、どこまでも制約をすり抜けていこうとする存在
     愛とは、人生における情熱
     悪とは、常に考えていないと足を踏み入れてしまう曖昧な闇
     時間とは、計れるものではなく計り知れないもの
     世界とは、人間が可能性を発揮するための前提

  • 自分のなかで、ここ数年、人生の分岐点となるような困難があり、考えを深めたいと読書に耽る今日この頃。
    ニーチェの言葉を纏めた本を読んでから、言葉の数々に救われて、哲学面白いやんけ!となった。
    もっと哲学について知りたいと、読みやすそうな哲学の入門書を探して、図書館で見つけた本。

    現代の問題とする様々なテーマに沿って、哲学者たちの言葉を借りながら哲学する。
    複雑で難しいと思っていた問題もするする紐解いていく。お、面白い!
    哲学は、世界を新しい言葉で捉え直す営み。
    自分なりの思考の結果を言葉にしていいんだ。

    哲学初心者でもとても分かりやすく、自分なりの考えを深めたくなる1冊。
    このなかに出てきて、気になった哲学者たちの本も借りて読んでみよう。

  • まだ冒頭とAIの箇所しか読めていないので、自分用のメモとして。
    ・哲学とは何か。疑って視点を変えて再構築する、そしてその考えを言葉にすること。端的で納得感があった。特に言語化は哲学の非常に重要な側面かと思う。名前のないもの、言葉にされていないものは存在していないことと同じ。概念には自由や正義など様々あるが、その言葉がなければそれが実現することもなかったと思う。
    ・AIと人間。AIは情報処理能力に加え、創造的分野においても人間を凌駕する存在になり得ると思う。では人間の価値は?AIと異なる点は心の存在だという。一元論的な考え方では、心も物理的な存在であり、そうである限り行き着く先は科学力による心の再現。対して二元論的立場から人間の心は非物理的な特別な存在であると主張するマルクスガブリエル(要検討)。もっと勉強しないとよく分からんけど、個人的には、後者について人間の都合のいい願望が混じっているような印象を受けた。AI専門家の見地から冷静に未来を予測する本も合わせて読みたい。

  • 哲学の仕方とは「疑って、視点を変えて、再構成する。そして、その結果を言葉で表現する」。この定義自体も筆者の哲学だと思う。色々なテーマについて、こんなこと考えてみたこともなかった、筆者の考えになるほどと思うものもあれば、私は違うと思うものもあり、結局、これが哲学なんだろうな、と思った。こんなふうに正解のないことを考えるきっかけとして、良書だと思う。

  • とてもわかりやすく、哲学って難しそうだけど何についての学問なの?という(わたしのような)人の入口になる本だと思われる。
    図書館で借りて読んだけど、手元に置いておきたくて買うことにした。

  • とにかく読みやすい。
    章立ても項目立ても細かく、一区切りの文章量がすごい少ないので、楽々読める。

    それでいて小川先生の流れるような語りで繋がれているので、すんなり頭に入ってくる。

    文中のキーワードは太字になっているので、飛ばし読みにも対応。

    そんな気楽な体裁ながら、一冊に入っている哲学者の数たるや! すごい情報量。単なるお気楽な読み物に留まっていない。

    哲学というと古臭い考古学みたいなイメージかもしれないけど、これにはパンデミック以降の最新の哲学も載っているし、人間にとってとても有用な学問だということを感じられた。

    立ち読みでパラパラめくるだけでも良さがわかると思うので、ぜひ多くの人に手に取っていただきたい。

    さらには、学校でももっと哲学やった方がいいと思うなぁ。「道徳」はちょっと古臭い…いや、これは蛇足ですな(^^;)

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著者プロフィール

1970年、京都府生まれ。哲学者・山口大学国際総合科学部教授。
京都大学法学部卒、名古屋市立大学大学院博士後期課程修了。博士(人間文化)。商社マン(伊藤忠商事)、フリーター、公務員(名古屋市役所)を経た異色の経歴。徳山工業高等専門学校准教授、米プリンストン大学客員研究員等を経て現職。
全国各地で「哲学カフェ」を開催するなど、市民のための哲学を実践している。また、テレビをはじめ各種メディアにて哲学の普及にも努めている。NHK・Eテレ「世界の哲学者に人生相談」、「ロッチと子羊」では指南役を務めた。最近はビジネス向けの哲学研修も多く手がけている。専門は公共哲学。
著書も多く、ベストセラーとなった『7日間で突然頭がよくなる本』や『ジブリアニメで哲学する』、『不条理を乗り越える』、『前向きに、あきらめる』等をはじめ、これまでに100冊以上を出版している。YouTube「小川仁志の哲学チャンネル」でも発信中。

「2024年 『60歳からの哲学』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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