コロンバイン・ハイスクール・ダイアリー

  • 太田出版
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  • Amazon.co.jp ・本 (305ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784872338362

感想・レビュー・書評

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  • 犯人の幼なじみの視点によるコロンバイン乱射事件の全容。幼なじみであるブルックスは非常に微妙な立場に立たされる。

    学校の同級生の死そしてそれをもたらした友人2人の死。2人と親しかった、そして最後に言葉をかけられたと言うだけで犯人扱いまでされるようになる。

    強烈な事件で印象に残ってはいるが、結局のところ精神をこじらせた若者は何処にでもいる。ただ、銃がそこにあったから起こったことである。

  • 暴力的なエンターテイメントが悪いのではなく、それが魅力的に見えてしまう社会が悪いという主張にすごく共感した。アメリカの学校の問題点を再認識しました。著者の複雑な心境が伝わってきて、読んでて考えさせられた。

  • 1999年4/20日に起こった、コロンバイン高校での
    銃乱射事件について、犯人となった2人の生徒の友人が記したもの。
    彼自身警察から容疑をかけられ、根拠のない中傷と戦ってきたが、それらは警察が彼ら自身の無能さを隠すために仕立てた策略だった。

    昨日いっしょにランチを食べた友人が
    憎しみに満ちて学校へ爆弾を置いた。
    同じく昨日まで共に学んだ別の友人は
    そいつらの銃で命を落とした。

    そんな絶望とも言える状況で、この本の著者ブルックスのとった行動は本当に勇気のある、賞賛されるべきものだと思う。

    亡くなった命を惜しんで泣くのは簡単だ。
    でもこの事件はそんなに単純なものじゃない。
    犠牲者のひとり、レイチェルの両親は、
    「私たちはふたりの犯人の親を赦すし、
     犯人たちそのものも赦すだろう。」と言っている。

    事件のあった頃(そしておそらく現在でも)
    アメリカのハイスクールにはびこっているいじめの問題が、この惨事には深く関わっている。


    犯人の思想について、日本でもずいぶん沢山の情報が流れた。
    ヒトラー崇拝者だとか、卍を身に着けていたとか。
    それらは全部事実とは違っていた。
    アメリカの中でも情報は錯綜していた。
    警察は市民に全ての情報を開示した、と嘘をいった。
    ほんとうはそうじゃなかったのに。

    ブルックスは本の最後でこんなふうに言っている。
    「僕らはこの傷と一生共に生きていく。
     僕らはコロンバインから学ばなくてはいけない。」

    実はこの事件を題材にした曲を演奏したことがあります。
    ギリングハム(アメリカ) And Can It Be?
    ウインドシンフォニーのための曲です。
    直訳すると「どうしてこんな事が起こるの?」といった感じの題名でしょうか。
    個人的に思い入れのある曲なのですが
    作曲者の視点もまた、ごく限られた視野からのものでしかないことに、この本を読んで気づかされました。

  • 「エリックとディランは、この悲劇を作り出したことに責任がある。でも、コロンバインにはエリックとディランを作り出した責任がある。」

  • 生き残ったクラスメイトの証言という形で、憎悪の果てにでハジケてしまった友人である二人の犯人の事件に向かう背景、その後の彼を取り巻く環境を描いている。帯に書かれた“見えない自由は、どこにある?”の言葉が頭の中をぐるぐるまわる。

  • アメリカ、コロンバイン高校で起きた、生徒による銃乱射事件。その二人の犯人の幼なじみが綴る、事件が起きた一日と、そこに至るまでの記録。生々しい証言にはメディアの報道だけでは伝わってこないリアリティを感じる。学校生活そのものがサバイバルになってしまっている事に、胸を塞がれるような思いがした。

  • コロンバイン高校銃乱射事件。

  • 珍しいよね、こういう語り手。自殺した殺人犯たちの友人が著者。自分の知っていた世界が一変してしまい、戸惑いながらそれを取り戻そうとしているかのよう。人を殺したという行為で、友人だった人間を完全否定するのではなく、耐え難くとも自分にとって彼らは確かに友人だったんだと肯定しようとする語り口に、著者の苦しみがあふれている。

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