やっぱり英語はおもしろい

著者 :
  • くろしお出版
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本棚登録 : 31
感想 : 6
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  • Amazon.co.jp ・本 (165ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784874246511

作品紹介・あらすじ

英語を知り尽くし、愛してやまない言語学者が贈る、肩肘張らない"くつろぎ英語論"。英語が好きなあなたも、苦手なあなたも楽しめる話題が満載。

感想・レビュー・書評

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  • 一つの題材につき2,3ページでまとまっており、非常に読みやすかったです。取り上げられている内容も興味深く、為になる話が多かったように思います。
    特に共感覚メタファーの語彙についての話が面白いです。聴覚と視覚、味覚と触覚はお互いに作用し合うなど、何気なく使っていても意識していなかったことを言語化してくれており、大変勉強になりました。

  • 英語にまつわるちょっとした話が面白い。
    直接的に英語の勉強になるわけではないけれども、英語にまつわる様々な話が興味深い。
    日本語や日本文化との違いも著者ならではの視点で書かれている。
    他に「道を歩けば前置詞がわかる」という著書もあり、こちらも読んでみたいと思う。

  • 英語のことがいろいろわかる
    英語を勉強するというよりも英語がどういうものかを説明してくれる本です。

  •  意味論、認知言語学、日英対照を専門にする著者が、岐阜新聞の日曜版に連載したものをまとめたもの。2ページでまとまったエッセイが55本載っている。彫刻家であるという人がイラストレーターらしく、イラストが楽しめるのも1つの特徴。内容は、例えばなぜポッキーはMikadoとしてヨーロッパで売られるのか(p.44)、「あなたが好き」と"I love you."はどう違うか(pp.99-100)、honeymoonにまつわる故事、そこからbabymoonという言葉が生まれること(pp.77-9)など。
     個人的には、the Japaneseというと「うっすらとバカにしている」響きがある、というマーク・ピーターセンの主張に対して、「民族的な特徴があるので、『ひとまとめ』にしやすく、theも付けやすいかもしれません。」(p.76)と分析し、「平和的解決」を図る著者が面白い。あとBe a devil.(p.65)という表現は知らなかった。日英対照の話は結構面白くて、「日本語では、話し手が『オンステージ』で情景に溶け込んでいるので」(p.103)ているのに対して、「英語の話し手は、離れた『オンステージ』から情景全体を視野に入れている」(同)という違いの話は、最近読んだ『ファンメンタル認知言語学』の「ビデオカメラ」の話に共通している。「町を横切って流れる川」は英訳すると町の真ん中を流れることになり、「どこまでも続く街路」は、町の中を八方に広がらなければならないという、「英訳では、遠目から見た町のチリが正確に伝わります。この客観性は、原文に逆らってまでも守らなければならなかった」(p.103)という、認識が言語に影響を与える例として、面白い。あとは、「前置詞を付加して小を大に変え、前置詞を省略して大を小に変える」(p.94)というのも面白い。例えばswim across the English Channelから、swim the English Channelに変えることで、「イギリス海峡が廣井場所からサイズダウンして個体に変わり、『相手を支配した』『泳ぎ切った』という達成感が前面に出ます」(同)というように。ただし、step over a snailのoverは省略できず(「もともと小さいものをもっと小さく変えることはでき」(同)ない)、けど、なぜI can jump puddles.「水たまりを飛び越えられる」ようにoverが省略される事例があるのか、なんてこの研究の醍醐味なんじゃないかと思った。あとは、サンタクロースをイギリスでFather Christmasと言う(p.154)というのは知らなかった。
     基本的には「ゆるい」感じで読めるが、随所に著者の専門性が光るピリリと効いた部分が感じられるところが面白い。(16/02/11)
     

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著者プロフィール

宗宮喜代子(そうみや きよこ):Part II ・コラム1–4担当
東京外国語大学名誉教授・岐阜聖徳学園大学名誉教授
岐阜県出身。東京外国語大学外国語学部英米語学科卒業。オハイオ州立大学大学院修了(Master of Arts)。東京外国語大学大学院修了(文学修士)。
著書に『動詞の「時制」がよくわかる英文法談義』(大修館書店)など。

「2021年 『英語教師がおさえておきたい音声・文法の基本』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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