多主語的なアジア (杉浦康平デザインの言葉)

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  • Amazon.co.jp ・本 (281ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784875024279

作品紹介・あらすじ

いったいいつ、アジア世界へ入ってゆき、人びととの深い交流をどのように蓄積してきたのか…。杉浦グラフィズムの源流をたどる。

感想・レビュー・書評

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  • 著者の多方面に渡る広範な知識に圧倒された.「生命記憶」が地球の歴史に相当する36億年だという説.凄いことだ.神輿の話が面白かったが,ドイツのウルム造形大学でアジア的な考え方を押し通した胆力にも感心した.アジア的な考え方は西洋思想に比較して,奥が深いと感じている.

  • 三木成夫の「生命記憶」
    細胞や核のレベルにいたるまで、私という存在のまるごとが、あるいは感性や理性の繊細なゆらぎが、途方もなく厚い過去という時間の襞によって形成されてきた、ということ。

  • 自分の存在- 過去の膨大な人間の全存在= ?

    古代の東洋では、中国でもインドでも、まず吐くことを重要視する。まず徹底的に吐く。インドのヨガ、道教の導引、東洋の呼吸はみな吐くことを重要視している。
    アジア全体が太陰暦。月が満ちることで万物が活気づき、月の変化で憩うような文化を育んできた。
    聖なる音、オーム。宇宙の存在の根源に響き渡り、万物の生成、消滅にもかかわる波動だとインドでは信じられている。
    オームはおとだけではない。光としてのオームがあり、その波動の核から響きのオームが生み出される。さらにダイナミックな回転力が加わって、万物が生成される。

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著者プロフィール

杉浦康平(すぎうら こうへい)
1932年、東京生まれ・東京芸術大学建築学科卒。グラフィックデザイナー。
現在、神戸芸術工科大学名誉教授、同大のアジアンデザイン研究所所長を歴任。2011年秋、それまでの半世紀余にわたるデザイン作品の寄贈先である武蔵野美術大学美術館・図書館が「杉浦康平・脈動する本」展を主催。ブックデザインの集大成といえる作品群が一堂に会した。引き続きデザインアーカイブ特設サイト「デザイン・コスモス」が構想され、2021年に公開。主な受賞に、1997年の毎日芸術賞および紫綬褒章、2019年の旭日小綬章がある。
主著に、万物照応劇場シリーズ『日本のかたちアジアのカタチ』(三省堂)、『かたち誕生』(日本放送出版協会)、『宇宙を叩く』(工作舎)がある。また、本書『本が湧きだす』を含む「杉浦康平デザインの言葉」シリーズは、2010年『多主語的なアジア』(工作舎)から刊行をスタートした。2014年には、ダイアグラムと時間をテーマに『空間のシワ・時間のヒダ』(鹿島出版会)ほか、多くの著作がある。

「2022年 『本が湧きだす』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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