蝦蟇/蜥蜴

著者 :
  • 光風社出版
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感想 : 4
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  • Amazon.co.jp ・本 (252ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784875193739

感想・レビュー・書評

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  • 醜い蝦蟇と、美しい蜥蜴を飼っていた幼年時代を残酷になぞる。蜘蛛となったかつての少年は残滓を引きずり焼身自殺した。

    栗本薫の美少年趣味とその対比としてのゆがんだ矮軀への劣等生をあげつらうの、本当に性癖なんだなあと思う。

  • 蝦蟇(ガマガエル)・蜥蜴(トカゲ)です。読めません。笑
    無骨で醜い信夫と洗練されていて美しい忍の物語です。はじめ信夫の視点で書かれ、続いて忍の視点で書かれます。忍の視点は、何と死んだ人が自らを語っています。ちょっとビックリした。
    途中で何となく展開が読めますが、その通り話が進んだとしてもなんだかすごい話だと思いながら読めてしまいます。しかしとても暗い話しですね。
    タイトルの蝦蟇と蜥蜴ですが、信夫の視点と忍の視点では、蜥蜴を捕まえてきた人が違います。これは何を表してるのでしょうか。。。
    あと3つ目の話しとして、蜘蛛(クモ)という話も収録されています。蝦蟇、蜥蜴の話しと何か関係しているのかと思いきや、まったく無関係の話しですね。これも美しい人と醜い人のお話。美しい人の視点で書かれていますが、醜い人の始点もあれば、蝦蟇・蜥蜴と同じ構造になって、それはそれで面白かったのでは、と思ってしまった。

  • 賢い美少年に惹かれる醜男という構図の短編。モチーフは目新しいものではない。忍の無邪気を装う残忍さも、信夫のうっそり愚鈍な様子も、田舎で暗くジメジメして、でも逃れ難い業の書き方も、栗本薫らしい。

  • 蝦蟇(がま)も蜥蜴(とかげ)も読めませんでした。
    2人の従兄弟の間の関係を、それぞれの立場で、別々の章に記述がある。

    あまりの違いに驚く。
    いずれにしても、暗く、内省的で、栗本薫らしいといえば、そうなのかもしれない。

    最期の蜘蛛という話の関係がよくわからなかった。

  • 描写があまりにリアルなんで、本当に信夫がすごく気持ち悪く感じる。
    ラストは先が読めたけど、やっぱり信夫きもい!
    その気持ち悪さが、いいんでしょうか…。

    忍は美少年なんだけど、歪んでるよね。これも一種の愛情表現?的な。
    でも信夫を全否定することで、自分の醜さを必死に隠していたのかもしれない?

    信夫より、忍の方が信夫に執着しているように感じた。

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著者プロフィール

東京都生まれ。早大卒。江戸川乱歩賞、吉川英治文学新人賞受賞。中島梓の筆名で群像新人賞受賞。『魔界水滸伝』『グイン・サーガ』等著書多数。ミュージカルの脚本・演出等、各方面でも活躍。

「2019年 『キャバレー』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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