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- Amazon.co.jp ・本 (277ページ)
- / ISBN・EAN: 9784877286255
感想・レビュー・書評
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中沢新一の『哲学の東北』を読んだ時衝撃を受けた。この本の大部分は、宮沢賢治と南方熊楠に関するものなのだが、この本では、宮沢賢治の作品はエロティックなものだと指摘されているのだ。僕は、宮沢賢治の作品を清く聖なるものだと思っていたから、にわかにはこの指摘は信じられないものだった。
しかし中沢新一は、宮沢賢治が嫌いでそんな事を書いているわけではなく、むしろその文章からは宮沢賢治の作品への愛を感じる。
中沢新一によると、「ほんたうにみんなの幸のためならば僕のからだなんか百ぺん焼いてもかまはない」という究極の贈与の思想は、究極のエロスなのである。なぜなら自分の全てをささげると言っているのですから。
僕はこの本を読んで、『銀河鉄道の夜』に僕が感じていた畏怖のような間隔は、このエロスから来るものだったのではないかと漠然と思うようになりました。そしてそう思うようになってからさらに宮沢賢治の作品が好きになりました。詳細をみるコメント0件をすべて表示