- Amazon.co.jp ・本 (242ページ)
- / ISBN・EAN: 9784877287054
感想・レビュー・書評
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教養
と
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6月24日購入。25日読了。
大学教授ではない人による「大学生活ガイド」はなかなか珍しいそうで、なるほど読んでみるとその由縁がわかる。著者は今の学生の心理をよく理解しているといえるだろう。そして、いくつかためになる部分もあった。ちゃんと授業にでていればいいわけではない。授業料払ってもらってるんだから・・・それは逃げ。何もやることがないから授業に逃げている。自分を正当化させている。授業料云々いうなら自分で死ぬほどバイトして稼げ。また、大学は「世間」である。企業は「私」を見ているのではなく、その背後にある「人脈」(OB、同期)を見ている。大学の腐った教育で学んだことなど企業は欲していない。欲しいのは個性的な人材ではなく、使いやすい人材なのである -
読みながら、「世間」「教養」の定義など、そうか!と思うこと多数。大学生に対する目線はやさしい。この日本で、就職以外に大学に行く意味って、趣味の世界よねやっぱり。
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主に文系の大学生の就職について当てはまる事は多いのかもしれないが、理系の場合はどうなのだろう。<br>
多くの大学の英語教育は教授の趣味で英文学の名著や古典を訳読させているだけ、と書かれているが出版された当時はそうだったのかもしれないが今はそんな事ないのでは。<br>
証券のディーラーやコンサルティングも学歴不問ではなく、高学歴を採用しているように思う。<br>
大学入試の進路選択での大学の学部学科に関する情報不足は頷ける。<br>
教養とは同じ仲間で共有される知識のカタログで、そこから引用する事で話の種の供給源になるもの、という捉え方を浅羽はしていて、テレビで流れる情報(バラエティ番組、アイドル歌手、人気ドラマ)の話題も教養だという。<br>
日本社会の機軸たる企業にとって、大学は人材の配給所である。では、その企業から見て大学とはどんなものか。それは、入口と出口のみある土管みたいなものである。企業人としての教育は会社でみっちりとやる、大学ではなにもならってこなくてよい。大学の教育内容自体はどうでもいい。必要なのは、どこの大学の入学試験に合格したかを見ればわかるその企業内教育を消化吸収できる基礎能力で、入口はだいじなのである。つぎは出口だ。その大学を出た者(これから出る者もふくめて)全体がつくるゆるやかな連合である「世間」に属する一員であることが、モノを言う。企業は、キミという個人がほしいんじゃない。こういう、キミの「世間」がほしいのだ。だから、出口もまただいじなのである。入口は、キミの能力。出口は、キミの「世間」。企業はこれを買う。<br>
「ハンディは自覚しただけではまだ足りない。強い自覚によって、将来の不安に他人より先に気づき、早くから憂いをなくす備えを促す。ここまでしてようやく、きみのハンディは強みへ転換できる」<br>
「多数者は世の中ほとんど同類ばかりというだけで、自分を正当化できるのに対して、少数者は自分の位置だの人生の意義だのをいちいち意味づけしないとやっていけなかったりする生きにくさである」<br>
「ただいまをみんなと生きる多数者なら関心を抱かない「教養」へ精神を向けてしまったきみが、多数者のためにできるのは、まずこうしたことばをカタログのなかからとりだして見せることくらいではないか」 -
社会とのつながり、コネが生きてくるということ
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ネットの書評をみて思ったのだが、現実と理想。 もしくは、現状と社会とでも区別したほうがいいわけで、絶対、この本を読んで、誤解しない方がいいのは「大学」」と「大学生」は違うということと、著者が通っていた大学とはどこなのかを著者紹介で、よく確認したうえで、今の自分の立場をよく弁えたほうがいい。簡単にいえば、騙されないことだと言うのが適切かな? なんせ、私は、彼(著者)の生の声(waseda)を聞いて思ったが, 慰め=騙し(理想)=読者納得 より、 批判=現実=読者反対 という方程式を受け入れたほうが、実際に勉強している読者、受験勝ち組なら、余計な方程式に悩まされなくてすむんじゃないの?と一言いいたい。