家畜人ヤプー〈第1巻〉 (幻冬舎アウトロー文庫)

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著者 : 沼正三
  • 幻冬舎 (1999年7月1日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (358ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784877287818

家畜人ヤプー〈第1巻〉 (幻冬舎アウトロー文庫)の感想・レビュー・書評

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  • 別の件で昨年末の新聞を調べていたら、(2008年)11月30日に天野哲夫が82歳で肺炎のため死去、という記事を見つけました。まったく全然知りませんでした。

    三島由紀夫が変名で書いたとか、いや澁澤龍彦だ武田泰淳が、など諸説あるそうですが(今では何人かの作家が協同して、覆面作家としての沼正三を作ったということで落ち着いているようですけれど)私の中では天野哲夫=沼正三、つまりこの本の著者です。

    世紀の奇書『家畜人ヤプー』は、1956年から「奇譚クラブ」というSM雑誌で連載されたという出自を持ち、超SFであると同時に、変態趣味に耐える超SMでもあるところに大きな特徴がありますが、俯瞰すると太平洋戦争敗戦後のアメリカ白人支配を体験したマゾヒストの妄想というのが本質的なことがらのように思われます。

    詳細な梗概は、私が書くのもはばかられますが、乱暴に言ってしまうと、未来の宇宙帝国は白人女性が支配する世界で、日本人男性は家畜として、たとえば人間便器として使われるという、一般の日本人の男性にとって反ユートピア、でもSM愛好家にとってはユートピアという、ややこしい一応SFです、これは。

    SFにどっぷりとのめり込んでいた中学生から高校生の頃にどこからか入手して、1970年刊行(都市出版社)のこの本を読んだ私は、いったいどういう感想を抱いたか、たいへん興味のあるところですが、残念ながら記憶の引き出しには何も入っていません。

    その頃の読書ノートには「『家畜人ヤプー』読了、表現そのものはスペースオペラの奇想天外さよりは真実性がある感じ、云々」などと偉そうに、SMも知らない未熟者が、涼しい顔して書いているだけです。本当はかなり驚いたはずのくせに、ね。

    尚、私のように都市出版社版で読まれた方がおありなら、ひと言。この初版が決定稿ではなく、その後出版されるたびに改稿されたそうで、ですから最後の発行の当該書=幻冬舎版が最終稿だということです。要は内容が少しは違っているということで、ということは是が非でもアウトロー文庫を読まなくては!


    ※2012年3月25日、数カ所の文章を推敲してから更新したら、すべて消えてしまいました。ということで新規登録みたいになってしまいました。
    更新する前に念のためワードに入れていましたので、全体の文章は無事でした。例のヨムナビには、たなぞう時代のコメントはカットされているので、貴重なコメントは消えてしまいました。

  • 1956年から連載された沼正三のSF&【SM】小説。
    未来世界。白人至上、女権主義国家にて家畜として奉仕する元「日本人」たち、ヤプーと呼ばれ服従に喜びを感じて品種改良や肉体改造をされている存在となっています。

    未来帝国イース、テラ・ノヴァ古代文明、有翼四足人…などの設定があるこの物語は確かにSFファンタジー小説の枠組みです。ただこれらの言葉よりも多く小説にちりばめられているのは、畜人、肉便器、生体家具、舌人形などなど。
    もうこーゆーのダメなひとは読むのが無理なストーリーです。

    印象的に感じたのは人間=家畜とした世界感。リアルな世界では人間以外の動物は当たり前に家畜となってます。人間のために生かされています。でもこれは普通の感覚です。
    品種改良でブランド牛豚鶏だらけ。結婚できないので霜降りステーキ大好きです。ベルルッティの革靴最高です。毛皮もありでしょう。
    一方でセクシャルな面でも、同性愛、獣姦、ペドなど。二次元愛なんかもそうですかね。

    この小説はそんな価値観の違いの究極な形です。
    ただこれを身近なことにスケールダウンしても本質は似てませんか?
    オススメはできませんが。

  • ストーリー的に面白い/面白くないは二の次として、緻密な妄想に彩られた世界観をこれだけ事細かに描写し、既存のものに全く異なった意味付けをして、それらを隙間なく敷き詰めて全く別の平行世界を作り上げた、その完璧なるオタク的精神に感動する。

  • 二千年後の世界では日本人の末裔は家畜人になっているって・・・貴志祐介著『新世界より』のバケネズミを思わせる。人(家畜人ヤプーでは白人のこと)を神と崇めるところも似ている様な。1956年から『奇譚クラブ』に連載がはじまる。長編SF・SM小説という括りらしい。摩訶不思議なおはなしであった。幻冬舎アウトロー文庫版では5巻で完結。

  • 結婚を控えたドイツ人女性のクララと日本人男性の麟一郎のカップルは、ある日ドイツの山中で未来人の墜落現場を目撃してしまう。帝国EHS(イース)から来たと名乗るその未来人は、アクシデントにより身体が硬直してしまった麟一郎を治すため、二人をイースに連れていく事を申し出る。あらゆる技術が発展したその国は、アングロサクソン系の白人を頂点に、黒人の半人間の奴隷、そして様々な肉体改造を施され字義通りの肉便器や性玩具に身を変えられてしまったヤプーと呼ばれる日本人により形成された完全なる格差社会であった。また、徹底的な女権主義国家でもあり、権力は全て女性が握っていた。そうとも知らず麟一郎と二人、イースに行く事に同意したクララ。初めは麟一郎の容態を気にかけていた彼女だったが、次第に権力と暴力の甘美なる魅力に陶酔していく。知ってはいたけど内容はかなりえげつない。だいぶ人を選ぶので要注意!ヤプーと言われる日本人があらゆる肉体改造を受ける様子や、白黒黄色人種からなる格差社会の様子など、イース文明を科学的文献を参考にしている体でつまびらかにしている。私達が日々家畜に行っている事と、かつて奴隷や穢多非人と呼ばれる人々に対して平気で行っていた(現在も一部行っている)行為の残虐性を思えば、本作で描かれた世界もあながちあり得なくないのかもしれない。どーーーっしても拭えなかった疑問は一つだけ。「ヤプーの加工にそれだけの労力をかける意味はあるのか?!もっと楽な方法あるだろ!」ただ暇で裕福な人間が行い得る悪行の例は歴史の貴族を見れば枚挙にいとまがないので、こちらもあながちあり得なくもないのか…。

  • まさに奇書。でも後書きにもあるように時代背景が違うから当時人と同じ感覚では読めていないのだろう。
    この版は再編集しているらしく、そのせいなのか前半と後半で濃度が違うように感じる。食傷気味だかもう一巻読み進めてみようかな。

  • 誰でも一度は夢想したり、思いついたりするエログロい事。
    そんで物書きだったら一度は書いてみようかと思うけど、決して書かない。
    そんな内容でした。

    この文庫版だと5巻まで出てるみたいだけど、オレはこの一冊でお腹いっぱいです。

    白人女性が神のように扱われる遠い未来の世界、
    黄色人種は人以下とされ、人体改造によって、便器になったり、椅子になったり、性具になったり、小人になったり、、、そんな世界に連れてこられた現代人?の日本人男性と、白人女性のカップルが、、みたいな話です。

    グロ注意

  • 三島由紀夫や寺島修司が絶賛したという昭和30年代に書かれた『戦後最大の奇書』を読んでみた。内容は端的に言うとエログロSMスカトロジーSF小説と言った所か。兎に角発想が凄すぎる。数千年後の未来では日本人の末裔が白人に奴隷として家畜的生体家具として改良されているという…。肉便器教育実習の件のくだらなさによくぞここまで設定に凝った!と感嘆の声を上げた。所詮欧米人の家畜という当時の日本人が持つ劣等感を全面に出したコンプレックスの塊の本作品を読み終えると間違いなく疲労感に包まれる。

  • 初正三。よくもまぁこんな世界観を作ったものだと関心する。・・が、しかし兎に角不快だった(-_-;;テン〇ー家の扱いまであぁだとは。そりゃあ問題になるわな... orz

  • 読みやすくて衝撃的な内容に最初は面白かったんだけど、その衝撃にもだんだん慣れてきちゃうと、ただの悪趣味に見えてきちゃったなぁ・・・。でも未来の文化の描写は設定が細かい感じがして好きかも。とりあえず2巻借りてくる!

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家畜人ヤプー〈第1巻〉 (幻冬舎アウトロー文庫)の作品紹介

ある夏の午後、ドイツに留学中の瀬部麟一郎と恋人クララの前に突如、奇妙な円盤艇が現れた。中にはポーリーンと名乗る美しき白人女性が一人。二千年後の世界から来たという彼女が語る未来では、日本人が「ヤプー」と呼ばれ、白人の家畜にされているというのだが…。

家畜人ヤプー〈第1巻〉 (幻冬舎アウトロー文庫)のKindle版

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