- Amazon.co.jp ・本 (189ページ)
- / ISBN・EAN: 9784878934735
感想・レビュー・書評
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エリック・ホッファー自身の歩みが物語的な面白さに溢れており、彼の人々に対する観察眼や各場面での対応などにとても引き込まれる。
日々の生活の中で何かを考え続けることや、何かを学ぶことが己の人生をいかに豊かにするか、改めて気付かされた。 -
日雇労働、季節労働、港湾労働と社会の最下部に身をおき続け、独学で本を読み、思索した哲学者の自伝。
幼いときに40才まで生きないだろうといわれたホッファーは、その倍以上の人生を生きる訳だが、ここで描かれるのは、その前半40才までの話。
そして、ここまでのホッファーは、まだ著作家ではなく、放浪の労働者である。「私はいかにして哲学者になったのか」という回顧録ということかな。
といっても、難しいことは全く書いてある訳ではなく、社会の最下部を浮遊する人生が、とても淡々と描かれていく。
大不況時代における季節労働者なわけで、悲惨を絵に描いたような苦労話を想像してしまうのだが、人と人との出合いから生じるさまざまなエピソードには、むしろ明るさ、楽しさすら感じられる。
金や権力といったものより、世界の最下部を支える単純労働のほうが、確実に実体のあるものであり、安定した存在であるという考え方、というか生き方が実践されているんだろうな。
驚くのは、ホッファーがするモンテニューやら、ゲーテの話を周りの季節労働者が聞き入ったり、カフェで議論が始まったりすること。
アメリカの30年代って、こういう時代だったんだろうか?
人々は、苦境のなかで、自然と本質的なことに向かい合っていたんだろうなー。
ホッファーの他の本もすこし読んでみよう。 -
ホッファーほどの才能をビジネスに生かすことができていれば、もっと豊かな暮らしができたのではないだろうか。思考の人というのは、世間的な意味での幸せからは遠ざかってしまうのかもしれない。しかし、何がその人にとって幸せかは本人にしかわからず、それが分かっている人が、自分のできうるかぎりの幸せを手に入れることができるのかもしれない。
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何かを学ぶときに、必ずしも誰かが必要というわけではないことを実感しました。
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時期を見て再読しようと思う。
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学問の心にあふれる
労働に励み余暇の全てを読書と思索にささげた「沖中士の哲学者」ホッファーの語り
大学のテキスト読んで独学した日雇いの爺さん
西村賢太の若い頃のエピソードだったり、高野秀行の生活ぶりだったりに似ている気がする。
●最初に得た定職の雇い主が亡くなったとき、ホッファー28歳
“いくらか蓄えがあったので、金が尽きるまで1年間働かないことにした。その1年間で、残りの人生をどう過ごすか考えようと思ったのである。
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“歩き、食べ、読み、勉強し、ノートをとるという毎日が、何週間も続いた。残りの人生をずっとこうして過ごすこともできただろう。しかし、金がつきたらまた仕事に戻らなければならないし、それが死ぬまで毎日続くかと思うと、私を幻滅させた。
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今でも多くの人に影響を与え続ける作者の魅力は、力が抜けていてリラックスしたところから出る力のある言葉なんだろうと本作品を読んでわかった。多くの人が座右の書として挙げているのもわかる気がした。特に最後の数ページにはかなり力のこもった言葉があり、感銘をうけた。
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独学に関する本でエリック・ホッファーを知り、彼の自伝を読んでみました
自伝にも増して、訳者の判断で付けた「七十二歳のエリック・ホッファー」という雑誌の記事が面白いです
今話題の、ワークライフバランスや働き方、セカンドライフについてホッファーにインタビューしたものです
・生活のための仕事は1日6時間、週5日まで
・それをこなした後に本当の仕事をする
・有意義な人生とは学習する人生
と、とても今の自分が共感できる意見でした! -
学び続ける、スタンスを変えない
あこがれる