- Amazon.co.jp ・本 (223ページ)
- / ISBN・EAN: 9784879843128
感想・レビュー・書評
-
第二次世界大戦直前のチェコで始まる。主人公はドイツの血をひくコップフルキングルという火葬人なんだけど、そのうちにナチスに取り込まれてユダヤ系の奥さんと子を手にかけるという話。なんかロボットのような主体性を感じない主人公とちょくちょく出てくる体格いい杖の男とヒステリーな女が不気味。
詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
空虚な笑顔から浮かび上がる恐怖、汚れなき善意に潜む恐怖―本作の持つイメージを言語化するならそんな感じだろうか。火葬場に努めるコッペルキング氏の持つ哲学や仕事への熱意、家族への愛情は決して変貌した訳ではない。彼の持つユダヤ人への眼差しはナチスの台頭以後もコインの表裏が入れ替わっただけであり、それは彼の善意が終始空虚さに包まれていたことの証左でもある。だが、このような空虚な善意は誰しも日常で触れ得るものではないのか。これは狂気ではない、断じて正気の物語なのだ。そう、凡庸な幸福は、こんなにも悪のすぐそばにある。
-
第二次大戦直前のズデーテン割譲前後の時代を背景に、火葬人をなりわいとする男と家族、ユダヤ人の話。
全編を通じて、家族の愛し方への語り口の異常性というか、偏執的な癖を感じてしまい、なかなか読むのが辛かった。家族での外出時に必ず一緒になる夫婦の会話での高圧的な夫の態度も不快さを増して、全編を嫌な空気感が漂っていくのはどうにも気持ちが悪い。
ドイツに占領されたプラハでのホロコーストのなか、火葬人である主人公は、ユダヤ人の血をひく家族にどう向かうか。
静かな狂気。
凝縮された恐怖。
不安定な精神状態で読むんじゃなかったよ。 -
-
映画『火葬人』 パンフレット ユライ・ヘルツ監督 - Galerie LIBRAIRIE6 + シス書店
http://librairie...映画『火葬人』 パンフレット ユライ・ヘルツ監督 - Galerie LIBRAIRIE6 + シス書店
http://librairie6.shop-pro.jp/?pid=1011323432021/07/13
-