- Amazon.co.jp ・本 (264ページ)
- / ISBN・EAN: 9784882717867
感想・レビュー・書評
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講談社文庫版と読み比べ
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か、悲しい…。胸が痛い。
杉本のことが出会った頃から大好きな三浦とそんな彼のことが大嫌いな杉本の話。どこかで杉本くんが絆されてくれるのかと思いきやそんなことはなく…どこかでおきまりの展開を予想していた私には衝撃でした。
嫌われているとわかっているのにそばにいたいから、好きだからという理由で執着し続ける三浦にはどこか狂気を感じつつ、しかしそれ以上に悲しくなりました。心はいらない。体だけならまだ優しいから…とは言ったものの、やはり好きな相手から露骨に嫌いな態度を取られるというのは辛いもの。三浦は、ずっと心で泣いていますね…。辛い。
最初のページはドアが完全に閉まっているんですが、最後のページでは少しですか開いているんです。これは杉本くんが心を明け渡し始めているのでは…とか勘ぐってしまうんですが。彼らのこれからに期待しつつ。
読了後、タイトルの嫌な奴って杉本のことなのかなとか思ってしまった。確かに普通に考えたらつきまとってくる三浦は迷惑な奴だけど、上っ面の偽善者杉本も、十分に「嫌な奴」ですよ…。 -
好きな理由と言うのが分からなくなるくらい固執し執着する片方がいる、と言うのは木原さんの最大の特徴なんだろうなぁ。嫌な奴と思った時点で、実はその人間に対して感情を抱いている、と言う事でもある、と言う事だ。存在を意識しない、と言うのが本当は一番相手を無碍にしていると言うか、他者に対する態度で一番酷いのはこっちなんだよな。「嫌い」って言ってるくらいじゃ相手との関係は切れない。きっぱりしない所が「人間臭いなぁ…あがいてるなぁ、恥も外聞もなく」ってとこに惹かれるんですよ、自分と真逆なので。若ければ若いほど「一目」を気にする若さゆえの自尊心が邪魔して出来にくいと思うので、なりふり構わない事が出来ると言うのはある意味、逆に大人なのかな、と。なりふり構わなさの出し加減が解っている(出す相手も特定している)と言う意味で。周囲が見えてないとはまた違う、と…木原さん描く登場人物は「なりふり構わないぞ!」とか決断する瞬間がない、と言うか、境界線を越えるんだ、と言う様な意気込みがなくて、気持ちを寄せる相手に向かってただ進んで行く、と言う感じがする。
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木原のキャラって人としてどうなの?ってタイプばっかり^^; 欠陥人間てゆうの? しかもこれの場合、恐らく欠陥者は和也のほうだよw ラストの解...木原のキャラって人としてどうなの?ってタイプばっかり^^; 欠陥人間てゆうの? しかもこれの場合、恐らく欠陥者は和也のほうだよw ラストの解釈…結局お前らお似合いだぜ。仲良く喧嘩しな^^2010/09/22
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そういうのお得意なんですね!>欠巻人間 あきらか和也だと思う。だって結局これ元を正せば確実にこいつが悪いから、自分が撒いた種だとしか感じない...そういうのお得意なんですね!>欠巻人間 あきらか和也だと思う。だって結局これ元を正せば確実にこいつが悪いから、自分が撒いた種だとしか感じない…死ぬまで仲良くな喧嘩続きそうだね^^ 雰囲気的にフラジールと似てると思ったけど、あっちのが100倍好きだw2010/09/22
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両方とも嫌な奴でした。
自分の中の嫌な部分を見せられているようで、読み返すのが辛い・・・でも読んじゃう。 -
人間のもつ汚さだったり、自己愛だったり。
いろいろと胸が痛くなる展開の多い作品ですが、自分にとっては大事な作品。 -
(病気療養中の無職×高校教師) 幼馴染
最近気づいたんだが、このストーリーの流れが私の理想の形かも。これか、夏陰。 -
読んでる途中胃が痛くなった(笑)ここまで執着されるのは名誉なことだけどウゼェだろうな。『お前なんか・・・死ねばよかったんだ。』203P
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確かに三浦は嫌な奴だけど、私には三浦の存在を全力で拒否する和也の方がとても嫌な奴にみえた。いや、しょうがないのは解るんだけどね。三浦も早く和也を吹っ切って幸せにおなり!と念じながら読んでおりましたが・・・。二人とも望んでもないのに自分から不幸に突っ走っております。
お互いの事で頭が一杯一杯なのは同じなのにベクトルが違うだけで、本当に救いのない話です。
ラストは私的にとても救いがあるようには思えませんでしたが、これはこれでこの先の二人の物語を期待できるので、いいのかな?と思います。
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どっちが嫌な奴か分からん。
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読み返すのが辛い
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『大嫌いな「親友」三浦に会うため故郷を訪れた和也。再会した三浦は昔と変わらず嫌な奴だったが、和也はどうしても突き放すことができない。三浦に押されるまま、一緒に暮らすことになってしまうが二人の思いはすれ違い・・・』というような暗く切なくなんともいえないお話です。私的には最後は希望がある(いやあって欲しい)ように思えたのですが、読後感は人それぞれでしょう。あまり暗いお話を好まない私ですが、こういったお話を読ませる木原さんって実力のある方だなあと当時関心した覚えがあります。
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いつまでも忘れられない話です。「嫌い」という気持ちからは、何も生み出せないのか、という私の疑問にひとつの答えをくれた作品。
フラジールとホームには確かにそれぞれ幸せがちらっと...
フラジールとホームには確かにそれぞれ幸せがちらっとでも見えましたよね.....!突然のコメントすみませんでした(>_<)