太郎に訊け 3: 岡本太郎流激突人生相談

著者 :
  • 青林工藝舎
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  • Amazon.co.jp ・本 (253ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784883790814

感想・レビュー・書評

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  • 鍼灸学校を出てしばらくしていて、壁にぶつかりました。それは心の揺らぎが原因であったように思う。何かまた爽快な感覚を味わいたかったのかもしれません。そして生きる喜びと言うのか、生きる糧というのか、そういうものを渇望していたのかもしれません。はたまた自分の中の動かしがたい欲望みないなものを、どう消化していけばいいのかが分らない日々だったと思います。もちろんいまでもそのような気分に陥ることもあるのですが、そんなときはいつも人や言葉に出会うことが多い。
     そういった日々の中でであった本が、やはり岡本太郎の本であった。この本は週間プレイボーイに連載されていた岡本太郎が読者の相談に答えるという『人生相談・にらめっこ問答』をまとめたものである。199年から80年代初めまで続いた連載です。
     岡本太郎流、つまり“瞬間”“瞬間”に生きることを基本に、様々な若者からの問いかけに、真っ向勝負を挑んでいます。読者からの書面による相談ではあるが、岡本太郎はその相談者が目の前にいるような気分で相談に答えていたということがよく分かる。臨場感もあり、言葉も活きており、とてもたくさんの勇気をもらえる本です。

    この中で私が好きな言葉は、
    「逃げない、晴れ晴れと生きる」
    ということばです。
    常に“瞬間”に命を注いだ一人の芸術家の活きた言葉ではないでしょうか。私もこの言葉に負けないよう、今、“晴れ晴れ”と自分の道を進んでいます。

  • 「芸術は爆発だ」という有名な科白。瞬間を生きることへの徹底した姿勢には敬服するばかりだ。

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著者プロフィール

岡本太郎 (おかもと・たろう)
芸術家。1911年生まれ。29年に渡仏し、30年代のパリで抽象芸術やシュルレアリスム運動に参加。パリ大学でマルセル・モースに民族学を学び、ジョルジュ・バタイユらと活動をともにした。40年帰国。戦後日本で前衛芸術運動を展開し、問題作を次々と社会に送り出す。51年に縄文土器と遭遇し、翌年「縄文土器論」を発表。70年大阪万博で太陽の塔を制作し、国民的存在になる。96年没。いまも若い世代に大きな影響を与え続けている。『岡本太郎の宇宙(全5巻)』(ちくま学芸文庫)、『美の世界旅行』(新潮文庫)、『日本再発見』(角川ソフィア文庫)、『沖縄文化論』(中公文庫)ほか著書多数。


平野暁臣 (ひらの・あきおみ)
空間メディアプロデューサー。岡本太郎創設の現代芸術研究所を主宰し、空間メディアの領域で多彩なプロデュース活動を行う。2005年岡本太郎記念館館長に就任。『明日の神話』再生プロジェクト、生誕百年事業『TARO100祭』のゼネラルプロデューサーを務める。『岡本藝術』『岡本太郎の沖縄』『大阪万博』(小学館)、『岡本太郎の仕事論』(日経プレミア)ほか著書多数。

「2016年 『孤独がきみを強くする』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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