- Amazon.co.jp ・本 (253ページ)
- / ISBN・EAN: 9784883790814
感想・レビュー・書評
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鍼灸学校を出てしばらくしていて、壁にぶつかりました。それは心の揺らぎが原因であったように思う。何かまた爽快な感覚を味わいたかったのかもしれません。そして生きる喜びと言うのか、生きる糧というのか、そういうものを渇望していたのかもしれません。はたまた自分の中の動かしがたい欲望みないなものを、どう消化していけばいいのかが分らない日々だったと思います。もちろんいまでもそのような気分に陥ることもあるのですが、そんなときはいつも人や言葉に出会うことが多い。
そういった日々の中でであった本が、やはり岡本太郎の本であった。この本は週間プレイボーイに連載されていた岡本太郎が読者の相談に答えるという『人生相談・にらめっこ問答』をまとめたものである。199年から80年代初めまで続いた連載です。
岡本太郎流、つまり“瞬間”“瞬間”に生きることを基本に、様々な若者からの問いかけに、真っ向勝負を挑んでいます。読者からの書面による相談ではあるが、岡本太郎はその相談者が目の前にいるような気分で相談に答えていたということがよく分かる。臨場感もあり、言葉も活きており、とてもたくさんの勇気をもらえる本です。
この中で私が好きな言葉は、
「逃げない、晴れ晴れと生きる」
ということばです。
常に“瞬間”に命を注いだ一人の芸術家の活きた言葉ではないでしょうか。私もこの言葉に負けないよう、今、“晴れ晴れ”と自分の道を進んでいます。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
「芸術は爆発だ」という有名な科白。瞬間を生きることへの徹底した姿勢には敬服するばかりだ。