美しいこと(下) (Holly NOVELS)

著者 :
  • スコラマガジン(蒼竜社)
4.38
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本棚登録 : 1258
感想 : 123
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  • Amazon.co.jp ・本 (259ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784883863433

作品紹介・あらすじ

松岡が気になる感情が、友情なのか恋なのかを知りたい。そう感じた寛末は松岡と頻繁に会うようになる。寛末にとって、明るくて楽しい松岡と過ごす時間はとても居心地がよかったが、その一方で、仕事ができて社交的、女性にもモテる松岡が、どうしてこんな自分を好きなのかと、卑屈にも感じていて…。そんな折、社内で大きな人事異動があり…。恋に落ちた二人の切ないラブストーリー。

感想・レビュー・書評

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  • 続編が紙媒体で読めないのが残念

  • 「美しいこと」を文庫版で読んで、「愛しいこと」が読みたくて手にいれた本。
    松岡が寛末をとても好きで健気なのに、寛末は酷い。と松岡に感情移入してしまいそうになるけれど、騙されて好かれた寛末だって葛藤はあるに決まってる。それを抜きにしても優柔不断だとは思うけど

  • 感動作。涙が止まらなかった。恋愛もので人が死なずに、ここまで感動するものは中々ないのでは。恋愛だけでなく、松岡と寛末の仕事のキャリアの対比が明確で、仕事が辛い人にもすごく刺さる内容だと思う。日高ショーコ先生の挿絵も素敵。
    松岡がいい男すぎて、上手くいかない恋が読んでいて本当に辛く切なかった。完全ヘテロだった寛末の友情から恋愛になる切り替わりが早いけど、恋愛とはこういうもので、何かのスイッチでその人が急に愛おしく感じるようになるんだろうと感じた。後半の間接タバコのシーンは秀逸。
    途中の切ない展開をずっと見ていたからこそ、最後に2人が結ばれる展開はこちらまで幸せな気持ちに。もっと甘々な彼らを見たかったなあ…2人の未来に幸あれ。

  • 胸が締め付けられたりイライラしたりと忙しかった。

    なんでこんな男がええんや?と何回も何回も読みながら思っていたら、最終あたりに松岡自身もそう言っていたし木原さんも後書きで、優しいが卑屈で少し無神経と書かれていたので、みんなそう思ってるんならもうええか…攻めのアホさはもう仕方ないんやな…と納得しました。
    後半の愛しいことに関しては、寛末視点で書いてるんだけど大半の感情がここで沸いたな。
    松岡のことを気遣いもせず、ただ自分の気持ちばかりで本間無神経だし読んでいて何度も松岡の気持ちになっては胸がぎゅーっと痛くなったことか…
    思うとることを絶対言うなよ?それで人が傷つくって事にも気が回らんやろ?とギリギリしたしな笑
    この男のええところがあるなら、自分から好きになったものにはとことんハマるとこだけやな…
    あとは要領も悪いし気遣いも出来んしダメな所しか浮かばんね。木原作品で初めて苦手な主人公を見つけたわ

    絵師さんの描く松岡は本間イケメン!
    寛末も文字だけだとモッサイくさそうな男だけど絵師さんのおかげで補正出来た所がたくさんありました

  • [BL作品につき苦手な方ご注意ください]デキる男松岡は嫌な男ポジションのはずなのに、可愛い、可哀そうと思ってしまうのは木原さんの筆力なのでしょう。正直、「美しいこと」の終わりはBLにあるまじき苦さですが、一般小説として確かにここで終わりもありですね。収録の「愛しいこと」は後日談で、寛末視点で多少読後感は変わりましたが、それでも読んでいて寛末の狡さは辛いです。がっつりBLを読んだつもりが、いわゆるBLのお約束や王道とはかけ離れているのは痛快なほどです。そんな木原作品、やっぱり好きだなあ。

  • まだ3~4作しか読んだことないけど木原作品で初めての高評価。
    世渡り下手で優柔不断な攻めが女装していた受けに本気の恋。男とわかり、姿かたちで好きになったんじゃないのに、受け入れられない。お互い、逃げられれば追いすがる、追われれば逃げる。さすがに攻めが田舎に帰ったときは、もう『無い』だろうと踏んでいたが、再び受けに会おうとする神経がわからない…いや、本人もわからないと言っているのだから間違っていないけど。
    完全ヘテロだったのに、終盤の攻めの変化が手に取るようにわかった。女装していた受けに恋していたような熱量が戻っていったのが自然に伝わってきたのでこれが木原マジック?と一人で感動していた。

  • 友人のBL好きの人に勧められて読破。

    木原音瀬さんの作品は初めてで、男性同士の恋愛ものですが、普通に楽しめました。
    読後感としては、一言では表せないくらい内容の詰まった作品でした。

    丁寧に登場人物のことを描いていて、一つ一つ変化していくことに心理描写が描かれており、文章の表現力として、この作者はすごいなと感じました。
    二人の関係が進展していかない分、よりリアル感があるように感じました。文庫版での結末が歯に物が挟まったような後味でしたので、下巻はすぐに購入してしまいました。
    ドラマCD版もあるということで、友人から借りて、聞いてみました。クオリティの高い作品で、思わず泣いてしまいました。CD版もぜひ聴いてみてください。

  • ひでー男ですよ(笑)。受が、本当に相手を好きで、でも相手はノンケだし想いが通じることはないだろうからと断腸の思いで関わりを絶ってるのに、ちょっと待って想いに応えられる気がするから、と付き合い続行した挙げ句「友達としては好きだ」「恋愛面を他の人が受け持ってくれれば友達としてこれからもやっていけるのに」とか。嘘が嫌いと言いながら自分は嘘ばっかついてるし。それでも朴訥な、最初の雨の日に傘をさし靴を貸してくれたあの優しさが忘れられないんだろうなぁ。迷い悩みながら手を伸ばしてく、うんそんなもんだよな現実。そしてスーツ男子最高……❤️

  • すごくいい作品でした。二人の切ない思い。というか、友達と恋人の違いっていうのを、この上下巻で表した切ないお話。
    男女だったらこうも攻められるのに、性別が変わると踏みとどまるのは仕方がないけれど、あの臆病な寛末が動いた終わりはすごくよかったです。
    福田の終わりも驚きですが、お姉さんのアドバイスもなるほどなと思いました。男女だったらそれでいいけれど同性だったらそれではどうしようもないものね。

  • 上巻は腹立つことも多いからあまり読まないけど、下巻のラストにかけては何度も読んだ
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著者プロフィール

高知県生まれ。1995年「眠る兎」でデビュー。不器用でもどかしい恋愛感情を生々しくかつ鮮やかに描き、ボーイズラブ小説界で不動の人気を持つ。『箱の中』と続編『檻の外』は刊行時、「ダ・ヴィンチ」誌上にてボーイズラブ界の芥川賞作品と評され、話題となった。ほかの著書に『秘密』『さようなら、と君は手を振った』『月に笑う』『ラブセメタリー』『罪の名前』など多数。

「2022年 『コゴロシムラ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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