ビッグ・ファーマ―製薬会社の真実

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  • 篠原出版新社 (2005年11月発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (335ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784884122621

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ビッグ・ファーマ―製薬会社の真実の感想・レビュー・書評

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  • だいぶ読み進めてきたけど、途中の感想として、製薬業界の側面を黒く黒く描いているので、著者の悪感情が透けて見えるような気がした。
    でも書いてあることは多分ほんとなんだろうけど、そこに必要以上に感情的になってる、そんな感じ。
    所感としては、どっかの大学の先生が言ってたように、日本では健康志向は儲からないけど、アメリカなら儲かりそうってことかな。

  • 製薬会社がいかに設けているかを有名医学誌NEJMの編集長だった著者が忌憚なく書いている。製薬会社がどれほどマーケッティングに金をつかい、それが薬価に上乗せされている真実を医師は直視しないといけない。新薬がでたというってもゾロ新薬が多く、本当に画期的な新薬はほとんどないのが現状だ。製薬会社が主催する講演会は、しょせん薬の宣伝会であることを認識しておく必要がある。

  • 製薬のビジネスのスキームはこれにも詳しく、まさに開発と同等にマーケティングや営業に死ぬほどコストがかかるなど、コスト構造が解説されてる。米国ロビイングの事案も。
    割と有名な本かも知れない。
    ドキュメンタリーですね。

  • 内容はためになったけど、若干、繰り返しが多すぎるかな?もう少し薄くできそうな気も。

  • なーんだ、やっぱり。西洋医学はハゲタカ金融資本主導の搾取の道具。

  • アメリカでの製薬業界の状況など初耳のことも多く、勉強になった。

  •  アメリカの製薬業界(ビッグ・ファーマ)の腐敗を告発。
     
     膨大な利益を上げている製薬業界。一方でアメリカ市民は薬にかけるお金が増加しすぎて困っている。微妙に違うところがあるが、実は日本もこの問題に悩まされている。注釈をつけて日本の場合の解説もついているのが嬉しい。
     開発される価格の高い新薬。今までの薬より効き目があると宣伝される新薬。しかし実はこれらの薬は従来薬より効き目が高いというわけではない。宣伝や医師、患者への教育、議会へのロビー活動、製薬会社はあらゆる手段にお金を使って高い新薬が使われるように働きかけている。
     
    この問題はあまりに根が深く、線引きがあいまいで改善が難しい。まずはこういう本にふれて、消費者が考えていくしかない。

  • 1980年以降、バイ・ドール法によっていかに製薬業界の新薬開発がゆがめられてきたか、という話。 Marcia Angel M.D. 著

    1998年から2002年までの5年間で、415個の新薬がFDAに承認されたが、そのうち133個(32%)が新しい化合物を含むものであり、残りは化合物は同じで味付けを変えた既存薬のゾロ新薬(Me-too Drug)だった。
    また133個の新薬のうち、優先審査対象となった画期的新薬は年平均12個程度であり、全体の14%にすぎない。更に、そのうち、大手製薬会社によって開発されたものは数えるほどしかなく、殆どは大学やNIHなどの非営利や政府機関によって開発されたものだった。つまり、大手製薬会社は、リスクの高い新薬開発よりも、リスクが低くて儲かるゾロ新薬の開発に勢力を傾けてしまっている。しかも、ゾロ新薬は用法や色、味付けは違っても、主な化合物は同じであるから、は既存薬よりも効果が優れたものとは言えない場合が多い。高血圧の治療には、新薬よりも古い利尿薬のほうが効き目があるという報告がある。

    たとえば、HIVの治療薬として初めて市販されたAZT(レトロビル)は
    1981年にAIDSという病名が論文発表されてから2年足らずでNIHとパスツール研が原因ウィルスを突き止め、1960年代から抗がん剤としてミシガンの研究所で合成されていたAZTがウィルス感染に効果があることを発見したバローズ社は、AZTを70年代に入手していた。1985年、NIHがHIVウィルスに対してAZTに効果があることを突き止め、わずか2年後の1987年、医薬としてFDA承認を受けた。
    病気発見からわずか6年で画期的新薬が市販されたのは、政府や大学など多くの多くの情報によって可能となったが、バローズ社(後にグラクソが買収)が特許を独占し、年1万ドルという法外な薬価をつけた。

    腎不全の画期的新薬エポジェンも、大学の研究者が発見したが、バイドール法が成立した直後にコロンビア大が特許をとって、アムジェン社がライセンスを受けて商業化できるほど大量の合成方法を開発した。

    白血病の画期的新薬グリベックを発見したのもNIHの研究者。ノバルティスが特許を持っていた分sいが白血病の進展を食い止めることを発見したNIHの研究者は、ノバルティスに臨床試験を説得したが、潜在的な市場が小さかったため、ノ社は消極的だったとされる。

    製薬業界が新薬を市場に出すのにどのくらいの費用がかかっているのか?
    製薬業界が研究開発費の総額で300億ドル(3兆円)使い、66個しか新薬をださなければ、新薬1つあたり、税引き後で3億ドルの研究開発費がかかるとされているが、しかし、この研究開発費用には巨額のマーケティング費や新薬承認後の第IV相臨床試験のコストが含まれている。

    ビッグファーマは、大ヒット薬の特許が切れそうになると、特許期間の引き延ばし策としてヒット薬と実質的に同じゾロ新薬を作り、医師をその新薬に乗り換えさせようとする。ブランド薬がジェネリック薬を特許侵害で提訴した場合、独占権が30ヶ月延長される。だから周辺特許をとって、提訴し続けることが重要になる。また小児薬の臨床試験をすれば更に6ヶ月特許期間が延長されるから、胸焼けの薬でも小児用として臨床試験が行われる。これらの法律は、製薬業界から議員へ多額の献金がされた結果だとする。

    2000年に入り、多くの大ヒット薬の特許期間が切れ、製薬業界は危機的な状況にある。それは画期的新薬よりゾロ新薬の開発に力を入れてきたからだとされる。

    さて、ほんとうのことでしょうか。

  • アメリカの製薬業界

    第1章
    【バイ・ドール法】
    助成金を得て行った研究で得られた成果に特許を取れるようになり、製薬会社に対して排他的なライセンスを与えられるようになった。それ以前は、税金で行われた研究の成果は公共の財産であり、使用したいと思う会社は自由に使うことができた(p.17)
    【ハッチ・ワックスマン法】
    ブランド薬の独占販売権の期間が延長されるようになった(p.19)
    【マネージド・ケア】
    処方薬に対する保険によるカバーの方法を三段階にしたもので、ジェネリック薬は完全に保険でカバー、有用なブランド薬は部分的にカバー、安い薬よりも付加的な価値のない高い薬は保険でカバーしない(p.25)

    第2章
    製薬会社や開発業務委託期間は、研究・治験参加者を得るために医師に日常的に巨額の報奨金を与えており、ときには治験・研究参加者の登録が早く進んだ場合には、ボーナスを出すことさえある(p.45)

    第3章
    アメリカの製薬会社上位10社の全世界での売上額の合計は2,170億ドルで、そのうちたったの14%(310億ドル)強しか研究開発に使われておらず、一方、利益率は17%(360億ドル)にもなる。つまり、利益は十分に研究開発費を超えているのである。さらに驚くべきは、売上の31%(670億ドル)という途方もない金額が、マーケティング・運営管理費として使われている(p.65)

    第4章
    ・臨床医学の分野での特許申請に引用された科学論文のうち、学術機関によるものが54%、政府によるものが13%、残りがさまざまな公的な非営利組織によるものであるのに対し、製薬会社の研究によるものは約15%に過ぎなかった。この数字が最終的に臨床上重要であると判断されたものでなく、あらゆる新薬や医学的考案での特許申請での数字であるため、重要なブレイクスル―薬に絞って計算すれば、間違いなく製薬業界の役割はさらに小さくなる(p.84)
    ・公的資金の助成を受けた研究者がアイデアを出したり早期の段階の開発を行ったりして、製薬会社が実用化を図る。製薬会社は臨床試験のスポンサーとなって、薬を安全で投与しやすい形に変え、最終産物を製造して流通させる。まれには、製薬会社が自ら、画期的新薬を発見してもいる(p.92)
    例:タキソール(p.78)、エポジン(p.79)、グリべック(p.82)

    第5章
    ・自社のスタチン系薬剤を使って、心臓発作の既往のある患者を対象に再発作の予防がどう程度可能なのかを試験し、心臓発作の既往のある患者の再発作予防の効能で承認された唯一のスタチン系薬剤として宣伝するなどといったことである。しかし実際には、他のスタチン系薬剤でも同じ患者群を対象に試験すればお暗示結果が得られるに違いない(p.106)
    例:ネキシウム(p.100)、クラリチン(p.103)、スタチン(p.105)、SSRI(p.107)
    ・薬に合わせて病気を創り出している(p.111)
    例:逆流性食道炎、GERD、月経前不快気分障害、社会不安障害
    ・ゾロ新薬を正当化する理由は、競争することで値段がどんどん安くなる、ある薬では治らなかった人がいても二番目の薬で治せるかもれいsないから(p.115)

    第6-9章
    臨床上の問題に対して、偽の研究で偽の結論を出す。その情報を偽の教育で医師の間に流布させ、医師たちが偽の情報に基づいてたくさんの処方を書くように仕向けるのだ。賄賂やリベートが事を円滑に進める(p.212)

    第10章
    第一に、ハッチ・ワックスマン法に従って独占権が三年間延長できるように、売上トップの製品に変更を加える。第二に、数ヵ月から数年間にわたって時間をずらして多くの特許を申請し、いずれかの保護期間が続くようにしておき、これを口実として、特許侵害訴訟を起こすことにより30ヵ月間の特許期間の延長をはかる。第三に、ほとんどすべての大ヒット薬で六ヵ月間の独占権を得るためにその薬が小児に使われる可能性があるかないかに関わらず、小児で臨床試験を行う。第四に、ブランド薬を製造する会社とジェネリック薬を販売する会社とが共謀して、ジェネリック薬の市場への参入を遅らせたり、価格が下がらないようにしたりする。そして、第五に、第ヒット薬にささいな変更を加えた薬を作って特許を取ったりFDAから承認を得たりして、それを改良された製品だといって販売促進活動を行うのである(p.228)

  • 筆者のマーシャ・エンジェルは先代か先々代の「New England Journal of Medicine」の編集長です。NEJMの編集をしながら得た経験なんかを元にして、製薬会社の仕組みと、どのように医学というシステムに製薬会社が食い込んできたかを非常に明確に語ります。

    医療にかかわる人なら必読の一冊。

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