MONKEY Vol.4 ◆ ジャック・ロンドン 新たに(柴田元幸責任編集)

制作 : 柴田元幸 
  • スイッチパブリッシング
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感想 : 14
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  • Amazon.co.jp ・雑誌 (192ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784884183967

感想・レビュー・書評

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  • 2014年発行のVol.4。5年以上寝かせてようやく読了。俄然、新潮文庫版の野生の呼び声を読み直したくなるわけで。。今読んでも野生の呼び声はちっとも色褪せずに読めて、改めて凄みを感じる。ジャック・ロンドンのAtoZを読むとヒットするヒットしないとかそんなん関係なしにともかく書く。書いて、持ち込む。そうやって生きてきたんだな。それができる執念というか、それしかできなかったのかもしれないけど、才能というか。感じるわけで。柴田さんもっと翻訳してくれませんかねぇ。柴田さんじゃなくてもいいんだけど。

  • ジャック・ロンドンを大々的にフィーチャーした一冊。それほど面白いとは思えなかったのだけれど(失礼!)、彼の他の作品を読んでみたくなった。これは柴田元幸の功績によるところが大きいだろう。裏返せばそれ以外の連載はさほど感心せず。海芝浦に行ったという岸本佐知子のエッセイが辛うじて面白かったくらいで、これは読む人を選ぶのではないか。少なくとも私はそんなに連載を面白いとは思わなかった。このムック、ひとりの作家をじっくり追うスタイルより短編を沢山収録した一冊の方が光るように思われてならない。訳業は相変わらず見事な一冊

  • 柴田元幸責任編集『MONKEY』も四冊目。ワタシにはもう買わずにはいられない一冊になった。季刊誌・年四冊というペースもちょうどいい。
    今回の特集はジャック・ロンドン。名前は聞いたことがある、という程度のワタシだったが、柴田さん、そして本誌の中で柴田さんと対談している池澤夏樹のおかげで、何だかハマりそうな予感大。柴田さんの訳した『野性の呼び声』だけでもワタシには十分だったのに、この対談を読むと、ロンドンの短編集『火を熾す』(もちろん柴田訳)を読まずにはいられなくなる。(実は、もう手元にある)

    ロンドンについては、『火を熾す』で触れることにして、ここでは村上春樹について。この『MONKEY』では、村上春樹が「私的講演録 職業としての小説家」という連載を持っている。毎回目を通して受ける村上春樹の印象は、人を食ったような言い方になっているけれど、実は軸がちゃんとあって、それがまったくぶれていない、というもの。これは、時々覗いていた「村上さんのところ(http://www.welluneednt.com/)」で受けた印象と同じものだ。そして、この人を食ったような言い方が、好みの分かれるところなのかもしれない。
    ワタシ自身は、彼の初期の頃の作品はかなり読んだが最近はまったく手が伸びていない、といういい加減な読者なのだけれど、この「私的講演録」のおかげで、再び手を伸ばそうかなという気になっているのは確かだ。

  • 柴田元幸責任編集の文芸誌。ジャック・ロンドン"野生の呼び声"の柴田元幸翻訳、村上春樹原作"かえるくん、東京を救う"岸本佐知子 "海芝浦" など

  • ジャック・ロンドンという作家を知らなかったが、
    今回、代表作『野生の呼び声』を
    柴田元幸さんの翻訳で読めたことは小確幸であった。
    波乱に満ちた生涯を送られた人のようだ。

  • 動物主体の小説
    語り手の視座

  • ジャック・ロンドン特集。「野生の呼び声」がすごい。引き込まれて一気に読みました。

  • 「野生の呼び声」でジャック・ロンドンに嵌る。文章自体が極寒の世界で鍛え上げられたかのように張り詰めていて、息を潜めるようにして読む。厳しい自然の描写が心に残る。真っ白な雪原の、遠くの方に一匹の狼犬の小さなシルエット。そんな読後イメージ。

    ここのところの読書テーマである「動物が主人公」問題については、結局のところ「作者への信頼感」に尽きるな、と自分内決着。或いは文章への信頼感、とでも言うべきか。むやみにその心情を描写したりしない節度を求めているんだな、と。(そういう意味ではこの後に読んだ「白い牙」はちょっとやりすぎ感あったな…)

  • Monkey vol.4はジャックロンドン特集。

    もう「野生の呼び声」が素晴らしすぎてなんでもっと早く読まなかったのかと後悔するほど。

    巻頭のフランスのマンガこと“バンドシネ”ヴァージョンの村上春樹作「かえるくん東京を救う」も素敵。

    ★5つをその二つに!

  • ジャック・ロンドン特集というので、即買い。
    小学生の頃に夢中になって読んだ「野性の呼び声」一挙掲載が嬉しい。もうひとつの訳出短編「The South of the Side」は『火を熾す』に収録されている「影と閃光」や「世界が若かった時」と同じ、「ジキルとハイド」ものの系列に「どん底の人々」のテイストが混じってて、これも面白い。
    柴田さんと池澤さんの対談で、ロンドンはヘミングウェイと似てるけど、自分に酔ってない文体という指摘があって、ほんとそうだなと気がついた。ひたすら冒険を続けた2人は似てるところもあるけど、ロンドンはぜんぜんマッチョなオレオレ意識がないもの。
    写真家としても優れていたことなど、この特集で初めて知ったことも多くて大満足。ですが、私がいちばん好きな「ジャック・ロンドン放浪記」について、ほとんど触れられていないのが、なんか不可解。もしかして川本三郎訳が気に入らないとか?
    特集以外では、村上春樹の「職業としての小説家」が拾いものでした。「なるべく急いで結論を出さないようにする」「有効に組み合わされた脈絡のない記憶は、それ自体で直観をもち予見性を持つようになる」等、小説家になる予定のない人にも示唆に富む言葉がたくさん。

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著者プロフィール

1954年生まれ。東京大学名誉教授、翻訳家。ポール・オースター、スティーヴン・ミルハウザー、レベッカ・ブラウン、スチュアート・ダイベックなどアメリカ現代作家を中心に翻訳多数。著書に『アメリカン・ナルシス』、訳書にジョナサン・スウィフト『ガリバー旅行記』、マーク・トウェイン『ハックルベリー・フィンの冒けん』、エリック・マコーマック『雲』など。講談社エッセイ賞、サントリー学芸賞、日本翻訳文化賞、早稲田大学坪内逍遙大賞を受賞。文芸誌『MONKEY』日本語版責任編集、英語版編集。

「2023年 『ブルーノの問題』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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