- Amazon.co.jp ・本 (531ページ)
- / ISBN・EAN: 9784884741723
感想・レビュー・書評
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2024.03.24 『栗山ノート』より。
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心構えの本であった。
一つ一つの所作が大切。
黒板をきれいにする階段をシャント登る
1人の人間の魂を目覚めさせると言う事は、実に至難中の至難ごと
単に受け身の状態で生じた感激と言うものは、決して長続きしないもの
人を知る標準としては、いかなる人を師匠としているか、いかなること思って自分の一生の目標としているか
第三には今日までいかなることをしてきたか、第4には愛読書第五が友人
実際、我々の人間生活といっても、それを体感する時、結局は話す事と行うことと言う2つの事以外は何一つないと言っても良い
そもそも、人間と言うものは、情熱を失わない間だけが、心に生きていると言って良いのです
人間の性格上の問題としては、自分の欠点を反省して、これを覗くという努力が、実はそのまま長所を伸ばすと言うことになるわけです -
明治生まれの祖父がよく「修身」と言っていた。何のことかわからずに聞いていたが、10歳の時に「ノンちゃん雲にのる」を読んで、かつては「終身」と呼ばれる授業があることを知った。しかし、その内容については、わからないままだった。
これを読むと、まさしく終身の授業を戦前の大学生とともに受けている気がする。今の子どもたちにも、修身の授業があっても良いのではないか。むしろそれがないことが、国家の存亡にも影響している気がする。
「品は人間一代のみの修養では、その完成に達し得ないほど根深い。それと同時に、依然としてこころを清めるしか道はない。諸君たちが修養して得られた気品は、子孫にも伝わる」
「技術面は長所を伸ばし、内面は短所を矯正する」
など、各章珠玉のことばが並ぶ。 -
読みながらまるで板書してくれた学生と一緒に授業を受けているような感覚になる。
言葉はわかりやすく解説してくれているうえに、内容はおそろしく人生を生きる上で
大切なこと、つまずきやすいところ、気をつけなければいけないことを示してくれている。
自分自身が指摘されているようで身につまされることもしばしばある。
いかに日々、良い種を蒔き続けられるか、良い花か、悪い花かはすべて自分次第であってそれが分かり始めるのが40をすぎたころからおぼろげに気づき始めた。
この本を40後半で出会えて本当に良かった、アンダーラインを引いた箇所だけ書き出してみたがそこだけ読んだだけで身が引き締まる思いです。
一講座は10分程度で読めるし、項目がわかりやすいので気になった箇所だけ読み返すのが良いと思う。
全体を読むにはなかなか大変ですがそれだけの価値は十二分にある
(2年分の中身の濃い授業を受けるのと同義) -
戦前に大阪天王寺師範学校で教鞭を執り「国民教育の師父」と謳われた哲学者・森信三氏の講義録。氏の後継者育成に賭ける覚悟、端的に本質を突く金言の数々、志に生きるとは何たるかを時代と空間を超えて学ぶことができる。本書の内容は若人より中年になったほうが身につまされる思いで響くであろう。むしろ若人は残念ながら氏の言葉の思いや価値に気付くことは難しいかもしれない。しかし、ほんの一握りの琴線を響かせた若者が国を引っ張る傑出たる豪傑になるのかもしれない。これほど優れた思想家が旧満州の建国大学に召集され、国家としては太平洋戦争に突入していったことは誠に遺憾。まさに老若男女問わない教育の大切さを痛感する。
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ずっと手元にあったものの、500ページを超えるボリュームのため、途中で中断を繰り返してきた。正月休みも利用して、このたび一気に読了。
80年以上前の話にもかかわらず、今にも十分通用する内容ばかり。普遍の真理とは、こういうことを言うのだろう。
しかも、高尚・抽象的な表現ではなく、平易なことばで、すっと入ってくる。
中には耳が痛いような内容もあり、自身の生き方や意識を猛省させられる。
今更ではあるが、せめて学生時代〜20代前半に出会いたかった本。
本書の続編も出版されたので、そちらも続けて読んでみたい。 -
2022.08.21
コロナに罹患した自宅療養期間にずっと積読していた本書を手に取る。
本書は2年間の授業の記録が書かれている。1年目は、著者の授業に慣れるのに精一杯であまり頭に残らない部分も多いのだが、2年目の授業を読むと、スラスラと頭に入る、入る。2年間の授業を収めた理由がよく分かった。
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人間には上面だけではなく、自己の内側を鍛えねばならない。そのためには、実行と書物を読むことの繰り返し。そうやって、自己の内面を鍛える。
プラスなことには、必ずマイナスがある。物事には表があり、裏がある。世の中は正直である。
基本的なことかもしれないが、それを信三先生は分かりやすく、熱く語っている。高みを目指すなら自己を磨くこと他なし。