代表的日本人 (いつか読んでみたかった日本の名著シリーズ4)

  • 致知出版社
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  • Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784884749798

感想・レビュー・書評

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  • 読了。表紙に153分で読めますとあった。あわてて読む本でなく、じっくり読む本のように感じたので、表紙のコピーはいらないように感じた。153分以上かかったと思う。
    100年前の英語でかかれた日本人の紹介の本である。西郷隆盛、上杉鷹山、二宮尊徳、中江藤樹、日蓮上人についてかかれていた。西郷隆盛、二宮尊徳、日蓮上人の名前だけは知っているが、何をした人かよく知らなかった。読んでる途中何度も、私利私欲を捨てて今の仕事を頑張ろうという気持ちになれたが、最後の章の日蓮上人は、創価学会の友人を思いだし、複雑な気分になった。正しいという言葉に疑問を感じるようになったからかも知れない。

  • 一人一人のエピソードがあまりにも美化されているイメージはあるが、このような日本が誇るべき偉人を海外向けに英語で表現した内村鑑三の偉大さを改めて感じた。

  • 徳、人のことを思いやり、国が良い方向に進むような行動をとること。
    このような思想を持ち続けて生活をしている日本人が現代にどれだけいるかわからないが、少なくともどこか頭の片隅に置いて生活していきたい。
    また、数えきれないほどの素晴らしい先人がいてくれたおかげで、今、これほど素晴らしい国で生活ができていることに感謝しながら生きてゆきたい。

  • 以前より、いろいろな所でこの本の紹介を目にしていたので、一度読んでみたかった。実際に読んでみて、「いつかは読んでみたかった日本の名著シリーズ」の中でも、一番面白かった。

    特に、上杉鷹山に興味をもち、さらに深く学ぶことにした。

  • 『武士道』『茶の本』とともに、明治期に英文で刊行された著書の1つ。思想家・内村鑑三が、西郷隆盛、上杉鷹山、二宮尊徳、中江藤樹、日蓮の5人の生涯から、日本人の精神を解き明かす。

  • 日本を海外に紹介した本の逆輸入版。似たようなものに新渡戸稲造の『武士道』がありますね。

    紹介されているのは、西郷隆盛、上杉鷹山、二宮尊徳、中江藤樹、日蓮上人です。

    前から気にはなっていたものの、明治期の本で難しそうだったので及び腰だったのですが、現代語訳を見つけたので購入。

    全員に共通(日蓮さんだけ毛色が違うか…?)しているのは、「利他」「清貧」ということかなと理解しています。

    あと、上杉鷹山や二宮尊徳の話を読んでいると、改革というのは当然のことを粛々とやり続けることなのかなと思いました。

  • 西郷隆盛
    中田藤樹

  • 内村鑑三の有名な著書(岩波)を現代訳したもの。読み易い。
    代表的に日本人とは、
    ・西郷隆盛
    ・上杉鷹山
    ・二宮尊徳
    ・中江藤樹
    ・日蓮上人

    当時の欧米諸国が、日清戦争、日露戦争に勝利し、列強に並ぶ強国になった日本に驚愕するなか、内村鑑三が、日本人に脈々と流れる精神の強さ、素晴らしさを欧米諸国に対して紹介したもの。
    ここで紹介される人物は、いずれも、仏教、儒教など東洋思想を以って人生を全うした人物であり、一読後、この5人の類似性を改めて感じることができる。
    明治新政府の要人が岩倉使節団として渡航した際に、欧米諸国にあるキリスト教と対比して儒教や神道を思いに描いたように、日本がアジア諸国の中で植民地化せず、国家として独立自尊を貫き通せたことは、このような確たる東洋思想が浸透していたからではないか。

    以下引用~
    ・「(キリスト教)これは陽明学に似ている。日本国の崩壊はここから始まるに違いない」 高杉晋作がそう声をあげたのは、長崎で聖書に初めて目を通したときのことです。
    キリスト教に似た陽明学が、日本再建の推進力のひとつだったことは、あの当時の日本の歴史のなかでも注目すべき事実です。
    ・西郷の私生活について・・・「わたしは十三年間おそばにおりましたが、使用人を叱るところを見たことがありません。・・・その無頓着で無心なご様子は子どものようでした」
    ・(西郷のことば)「正義の道を歩み、正義のためなら国とともに散るぐらいの覚悟がなければ、外国勢と納得のいく関係は望めない。相手が強大だからと畏縮し、仲良くしてもらいたいばかりに、自尊心のかけらもなく相手の言いなりになれば、やはては軽蔑されるようになる。そうなれば友好的な関係は望めなくなり、最終的には相手国に服従することになる」
    ・(二宮尊徳)その一方で、不誠実な人は一切相手にしませんでした。森羅万象とその法則もこうした人に逆らいますから、尊徳の力でもだれの力でも、こういう人を不幸や堕落から救うことはできません。
    ・日本では、学校を知的修業の場としてとらえたことはこれまでありません。学校へ行ったのは、修学後に暮らしが立てられるようになるからではなく、真の人間になるためであり、そうした人は「君子」と呼ばれていました。英語のジェントルマンに近いものです。
    ・「先生」と「弟子」のこうした関係が日本人の頭のなかにあったからこそ、キリスト教の聖書に見られる親密な師弟関係を、ただちに理解できた日本人もいたのです。
    ・中江藤樹の教えには、一種独特な点がひとつありました。生徒に関して、徳と品格を最重要視し、学問や学識はほとんど問題にしなかったのです。
    ・「先生(中江藤樹)は、利を得ることが人生の目的ではなく、誠実、正義、人の道が目的である、とおっしゃっておられます」
    ・(中江藤樹)「徳を大切にしようと思うなら、日々、善を行うことです。善をひとつ行えば、悪がひとつ去っていきます。善を毎日行えば、悪が毎日去っていきます」

    以上

著者プロフィール

1861年生まれ、1930年没。思想家。父は高崎藩士。札幌農学校卒業後、農商務省等を経て米国へ留学。帰国後の明治23年(1890)第一高等中学校嘱託教員となる。24年教育勅語奉戴式で拝礼を拒んだ行為が不敬事件として非難され退職。以後著述を中心に活動した。33年『聖書之研究』を創刊し、聖書研究を柱に既存の教派によらない無教会主義を唱える。日露戦争時には非戦論を主張した。主な著作は『代表的日本人』、『余は如何にして基督信徒となりし乎』など。
佐藤優
作家、元外務省主任分析官。1960年、東京都生まれ。同志社大学大学院神学研究科修了後、外務省入省。現在は、執筆活動に取り組む。著書に『国家の罠』(新潮社)で毎日出版文化賞特別賞受賞。『自壊する帝国』(新潮社)で新潮ドキュメント賞、大宅壮一ノンフィクション賞受賞。おもな著書に『国家論』(NHKブックス)、『私のマルクス』(文藝春秋)、『世界史の極意』『大国の掟』『国語ゼミ』(NHK出版新書)など。『十五の夏』(幻冬舎)で梅棹忠夫・山と探検文学賞受賞。ほかにも著書多数。

「2021年 『人生、何を成したかよりどう生きるか』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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