- Amazon.co.jp ・本 (329ページ)
- / ISBN・EAN: 9784888883436
感想・レビュー・書評
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・子どもにとって絵本とは何か?「楽しみ」である。その楽しみ、満足感が深ければ深いほど、大きければ大きいほど、絵本の世界はこころに残る。役に立つ、為になる絵本ではこころに残らない。楽しみを通じてでなければ、こころに残らない。
・ことばの「音声」はいわばことばの肉体である。乳幼児にとっては、ことばは「意味があるもの」としてより、生き生きとしたものとしてまず存在している。
・声に出して読まれ、耳で聞いて生き生きと喜びの感じられることばと文体が必要である。特に3歳以前のこどもには、ことばの音声に細やかな配慮がなされたものが大切である。
・子どもがその世界に入っていける絵本とそうでない絵本がある。本能的に見分ける。大人にはそれがなかなかつかめない。一冊の絵本が「ああ、面白かった」という溜息が漏れるもの。
・確かな手ごたえのある世界、つまりリアリティーのある世界を作るには、子どもがつまずかないように配慮したものになっていることが大事。
・名文でなくてもいいが、文章が生きている必要はある。こどもに与える文章というのは、上手下手はともかくとして、生きの良い、生気に満ちた、文書でならなければならない。
・幼児が物語の世界に入るのは「言葉」によってであり、作者の思想によってではない。
・作者独自の文体が問われる。独自の考えはそれにふさわしい独自の言葉と文体を持ったときに「作品」としての形を持つようになる
・相手に伝えようとすることの本質が見極められてないと、安易な装飾性が顔を出す。テーマは何か、テーマをはっきりと伝える表現は何か、その表現を支えるディティールは何か。こうした点をひとつひとつ、考えてみる必要がある。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
ほんと…感動しました。
松居さんの絵本への思いや考え方が非常によくわかるものです
自分の大好きな絵本の編集者としての目線、も勉強になる
描く側の方が読んでも、学ぶことは多いと思います
また自分自身のこともうなるほど考えさせられた
頷ける部分だけでなく、自分がずっと引っかかっていたり迷いがあった部分の棘を引っこ抜いてくれた本
子どもの本に携わりたいと考えるうえで読んでよかったと心から思えた
そして、もっと松居さんの本を読みたいと思いました。 -
「絵本は幼児の読みもの。」
と、思ってらっしゃる方は多いはず。
そんなこと無いんですよ。絵本は赤ちゃんからお年を重ねた方まですべての方が読むものですよ。
特に幼少期、少年期、前期青年期の子どもたちには大人が読み聞かせることが必要です。
お子さんに「絵本ぐらい自分で読みなさい」なんて言ってませんか?
手元に絵本があるのなら、ぜひ読み聞かせをしてあげてください。