則天武后 (中国歴史人物選 第 4巻)

著者 : 氣賀澤保規

• 白帝社 (1995年2月1日発売)

作品紹介・あらすじ

男の世界に敢然と挑み、自力で頂点をきわめた唯一人の女、則天武后。その激しくも人間味溢れた一生を、時代の相貌とともに描く。

感想・レビュー・書評

[N.5hoさんの感想 · 2013年11月19日]

則天武后が誕生する時代の背景から、没するまでの生涯をわかりやすく解説している本書。
ところどころ物語調で、執筆者の想像は入っているけれど、それがかえって私には易しく、最後まで読み進められた。

則天武后という人の持つ得体の知れない魅力を、本書を通して改めて実感した。
感情にまかせて生きるのではなく、じつに緻密な面がある。その一方で、やっぱり感情にまかせて生きている部分がある。
その妙な具合の静と動の混在が、この人の魅力なのだろう。

凄惨なことをしている――けれど、憎みきれないなにかがある。それを再認識した。

著者プロフィール

明治大学東アジア石刻文物研究所所長。

「2021年 『中国史書入門　現代語訳　北斉書』 で使われていた紹介文から引用しています。」