断裁処分

著者 :
  • ブックマン社
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  • Amazon.co.jp ・本 (352ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784893088796

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  • 現在の出版界に関わる危機的現状を綴ったフィクション。

    その危機的状況を出版界の今を知らない者にとってはあまりにリアルで、帯に書いてある通りとても目標にしたくない業界なのだろう。

    ただ、小説でもあるしいっときの夢物語でもいいので、「危機状況」をどう立て直すのか、打開策はあるのかといった内容はなく、結局リストラに終わるという結末はあまりに悲しすぎてかなり残念な内容だったように思う。

    「断裁処分」は、売れ残った在庫を処分し出版物を断裁して廃棄してしまうことで、それをしないとその不良在庫が資産に計上され利益を圧縮してしまう。

    かくいう自分も出版の人間で、この「断裁処分」をおこなっていてなんとも寂しいなぁといつも思いながら作業している。

  • 小説として読むのではなく、フィクションを装ったノンフィクションとして読むべきもの。
    物語にいちおうのオチはあるが、人称がコロコロと変わるし、頭の中が追い付いてゆかず、不親切。

    そんな小説として評価するよりも、シンプルに、
    出版業界の内幕と行く末を仮託して描写しているものと思えば、
    これほどまでに辛辣で赤裸々なものはないとみなすべきだろう。

  •  出版業界の近未来? 名は変えてあるが、実在の出版社、取次、書店が容易に想像できる設定というか、現状の「報告」から物語は始まる。
     多分本当にこんな感じなんだろうなと思ってしまう、「文壇」に跋扈する老作家たちの生態や、文学賞の選考の様子。これからはAIがビッグデータを用いて売れる本を書く時代になるのかを予感させるような「100万部プジェクト」。まあ、ここはまだティクションだ。外資による著作権の買収・・・なんてのは、漫画以外のコンテンツでは少しリアリティがないのだけど、でも本当のところはわからない。確かに◯◯文庫は苦戦している・・・。
     こんな感じで、業界には全く未来がない。現状と未来を、たぶん上手く描いている。

  • 書籍についてこういった公開の場に書くと、身近なところからクレームが入るので、読後記は控えさせていただきます。

  • 新文化で紹介。出版業界の裏側。

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