なぜ、脳は神を創ったのか? (Forest2545Shinsyo 15)

著者 :
  • フォレスト出版
3.43
  • (31)
  • (65)
  • (62)
  • (28)
  • (8)
本棚登録 : 732
感想 : 87
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (223ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784894518155

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 序盤から中盤にかけてはなるほどと思わせる部分があり、まま面白かったのですが、中盤以降の著者の理想の箇所はトンデモで、文章に一貫性がなく、「その論理は破綻している!」と思わせるようなもので、落胆以上の落胆でした。
    僕の評価はBにします。

  • 原爆のエノラゲイに13人目の乗組員がいて、
    それがカトリックの神父だと...

    アメリカ人は日本人を人間とみなしていないらしい。

    この原理を応用して、仕事場に神父が多くなったと・・・

  • 己の持つ部分情報を認識すればおのずと神という概念が生じるだろうと。

    なるほど昔、大変知能が低いと思われる知人が神という概念をまるで理解できない様子であるのを不思議に思ったことがあったが腑に落ちた。

    当時、その異次元の思考回路から彼の世界感覚はもしや全知全能者のそれであるのではないかと推測していたが(著者が多用する言葉で表現するなら彼にとって相対性という相対性はスコトーマであった)まさしく低い知能が己を部分情報と認識させていなかった訳だ。

    ちなみになぜ真に絶対者である可能性を排除してスコトーマと言う言葉を使ったかというと、この話には続きがある。

    彼はいつも私に同時には成り立ちえない要求をしていた。
    俺の要求を一切叶えないという要求を叶えろと言うのである。

    だが運良く私は仰せの通りにそれを遂行することができた。
    しかし彼にとってそれはあってはならないことだったらしく、ある時お前のせいで俺は何一つ言葉を発せなくなったといたく「ご立腹」された。(つまり作為であることが示された)
    彼に並の知能があれば立腹の表現が致命傷になることくらいは分かるはずだが、そこまで及ばなかったのである。

    ダブルバインドで恋人や我が子を縛る人間は多いが、その低すぎる知能が彼を3次元(4次元)のカラクリに着目させさせたのだろう。常に相手に矛盾する要求をし、自分自身に対してはあらゆることをスコトーマにしてそれを眺めるがごときにあれば全知全能者の完成だ。

    だが以上はこのできごとが私たちがアプリオリとする一つの系から捉えられたものであり、私は彼の精神構造が別次元にある魂の投射物である可能性を全く捨てている訳ではない。

    私たちは物理面でも認識の面でも3(4)次元に縛られているが、少なくとも彼の要求はこの世界の範疇を超えていて、本気で私にそれを望んでいる節がなきにしもあらずだったのだ。
    何にせよ私に望みがある限り私の中の可能性は閉じない。

    この問題を考える上での重要な要素が簡潔にまとめてあったのがこの本の最も有益な点であった。
    メモ
    不確定性原理:有であり無である物理空間の関係性(ハイデルベルグ量子力学の父)
    不完全性定理:自己言及(ゲーデル)
    ユークリッド幾何学はアプリオリとは言っていない。系に過ぎない。

    追記:2015.12.01
    1984年というSF小説に二重思考(管理された異常精神)という言葉が登場するらしい。先述の知能の低い知人の思考方法に近い可能性があるため要読。

  • 再読。
    神はいないことを、数学や物理学でどのように証明されたのかがわかりやすかった。
    仏教とキリスト教に関しては、膨大な資料を読んだであろう著者しか書けない内容で、勉強になった。(普通はどちらかの宗教のことは詳しいけど、宗教全体を書けないからね)
    宗教と政治の関わり、その洗脳から自由になる方法まで、新書にしておくのは勿体ない本。

  • 20140425読了
    さらっと。うーん…いまいち何も伝わってこなかった。著者が博学なのは分かった。

  • 神を信じることが手段として使われる。

  • うーん、全然頭に入ってこなかった。脳が神を作った。うん、そうだろう。完全じゃない自分を肯定するために支えとなる全知全能の神を作り上げた。リチャード・ワイズマンのas ifの法則とつなげると、「神はいるかのようにふるまって」いたら「神がいると信じる」ようになったんだろうなー。

  • 不確定性原理、不完全性定理で神が存在しえないことが証明された、と言われても門外漢にはピンとこない内容だった。

    それでも人智を超えた何かがあると思うことは、部分情報しか持ち得ない人間が、絶対情報を有する存在を恋慕するという古代シャーマニズムのDNAの所為なのか。

    共感できたところは、仏教が中国に輸入された瞬間にタオのアプリオリに変換されたということ。

    シャキャムニ滅後200年後に創作された「仏教のようなおとぎ話」である法華経をとってみても、鳩摩羅什訳ではタオ思想の本迹観が盛り込まれ、方便品の「十如是」は、本来サンスクリット語では「五何法」であるはずが作為的に異訳されている。

    これでは天台の根本教理である「一念三千」は本当は「一念千五百」になるので、最澄らが知ったらびっくりするだろう。

    インド思想<中華思想にしようとする意図が見え隠れする鳩摩羅什の名訳「妙法蓮華経」は、研究が飛躍的に進化した今、もう一度再評価をしなければならない。

    般若心経が中国で創られたという箇所も面白かった。

    お盆の由来が説かれた「盂蘭盆経」も中国で創られたもので、お盆といえば仏教と連想しがちだが、仏教とは全くの無縁であり、道教の教えである。

    シャキャムニは、捨置記といって形而上のことをいたずらに説くことはなく、死後の生命や世界を説くこともなかった。

    レビューの体になっていないが、最終章は読むに耐えない内容であった。

    やはり天才といえども得意不得意はあるようだ。

  • ゲーデルの話はおもしろいよね。彼は神が存在しないことを数学的に証明してしまって、そのことにビビってしまい、晩年は、神が存在することを必死に証明しようとしていた、みたいな噂話?を聞いたことがある。

    オレは苫米地英人の本は、意味不明なのが多くて、あんまり好きじゃないんだけど、この本と電通の本だけは、非常におもしろかった。

  • 1991年、神は死んだ。この概念はとても参考になる。
    この概念に基づくと納得いくものも多くなる。
    概念を得るとはこういうことやね。

全87件中 31 - 40件を表示

著者プロフィール

認知科学者(計算言語学・認知心理学・機能脳科学・離散数理科学・分析哲学)。
カーネギーメロン大学博士( Ph.D)、同 CyLab フェロー、ジョージメイソン大学C4I&サイバー研究所研究教授、公益社団法人日本ジャーナリスト協会代表理事、日本外交政策学会会長、コグニティブリサーチラボ株式会社CEO 兼基礎研究所長。マサチューセッツ大学を経て上智大学外国語学部英語学科卒業後、三菱地所へ入社、財務担当者としてロックフェラーセンター買収等を経験、三菱地所在籍のままフルブライト全額給付特待生としてイェール大学大学院計算機科学博士課程に留学、人工知能の父と呼ばれるロジャー・シャンクに学ぶ。同認知科学研究所、同人工知能研究所を経て、コンピュータ科学と人工知能の世界最高峰カーネギーメロン大学大学院博士課程に転入。計算機科学部機械翻訳研究所(現 Language Technologies Institute)等に在籍し、人工知能、自然言語処理、ニューラルネットワーク等を研究、全米で4人目、日本人として初の計算言語学の博士号を取得。帰国後、徳島大学助教授、ジャストシステム基礎研究所所長、同ピッツバーグ研究所取締役、通商産業省情報処理振興審議会専門委員、早稲田大学研究院客員教授などを歴任。また、晩年のルー・タイスの右腕として活動、ルー・タイスの指示により米国認知科学の研究成果を盛り込んだ最新の能力開発プログラム「 TPIE」、「 PX2」、「 TICE」コーチングなどの開発を担当。その後、全世界での普及にルー・タイスと共に活動。現在もルー・タイスの遺言によりコーチング普及及び後継者として全世界で活動中。一般財団法人サヴォイア王家諸騎士団日本代表、聖マウリツィオ・ラザロ騎士団大十字騎士。近年では、サヴォイア王家によるジュニアナイト養成コーチングプログラムも開発。日本でも完全無償のボランティアプログラムとして「PX2」と並行して普及活動中。

「2023年 『新・夢が勝手にかなう手帳 2023年度版』 で使われていた紹介文から引用しています。」

苫米地英人の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×