- Amazon.co.jp ・本 (276ページ)
- / ISBN・EAN: 9784895001342
感想・レビュー・書評
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これは、ズルイ。
この本は、ズルイ。
人間にとってなくてはならない「食欲」というものと、
それに関わりあう様々な「人」の歴史。
軽妙洒脱。
友達の日記を読むような、一緒にラーメンを食べるような。
これ、電車の中とかで読めない。
くすくす笑う、「アブナイ人」になってしまう。
実際もうおっかしいんだ、アクマだのタクヤだのオニガワラだの。
ばかばかしいけど一度読むと忘れられない、この空気。
カウンターで小声でコチョコチョと冗談を言い合ってる、アレ。
で、最後に、
変わらないものなんてない、と気付かせてくれる。
25年、という時間の記録。
おかしさと、かなしび。
響かないワケがない。
ズルイ。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
三鷹にあった中華そば屋、「江ぐち」と筆者との四半世紀を綴った本。
三部構成で、
一部・・・元々の「江ぐち」について勝手に書いた作品。過去二回絶版。
二部・・・新潮社から復刊された際のあとがき。というにはあまりにも素晴らしい。
三部・・・最近の筆者日記から抜粋された江ぐちの話。
となっているのだけれど、どこを取っても見事。
まず一部。行きつけのラーメン屋さんと、そこの店員さんについて勝手に想像して書かれたエッセイ、いや小説。ここまでくればもうばっちり小説。
弟に似てるから「タクヤ」だの他にも「アクマ」に「オニガシラ」っていうネーミングセンスが中学生みたいでどうしようもないのだけれど、そこからひしひしと感じるのは、日によって当たり外れが大きいという「江ぐち」への愛。大体なんだ、日によって当たり外れが大きいラーメン屋って。とっても素敵じゃないですか。
二部では、その後の江ぐちが語られていて、なんか時間が流れたんだなぁ、という感慨を感じさせ、三部では郷愁やら何やらと・・・大量の涙が出ます。本当に、出ます。
ああ、なんで俺は行った事も食べた事もないラーメン屋さんの話を読んで、しかもラーメンを食べてるだけの話で、こんなに涙が出るのだろう、と不思議に思うくらいに泣きました。それはやはり、筆者の深い江ぐち愛があるから、愛くるしい店があるから、素敵な人々がいるからなのだなぁとしみじみ思います。
ずいぶんと昔に出た作品の復刊+αという体裁だけど、すでに今年ナンバーワンだと思います。絶対に、読むべき。そして図書館じゃなくて、買うべき。だってまた絶版になんて、もうこういう素晴らしい作品を絶版になんて、してはいけないから、お金を出して買って、良さを回りに伝えてみんなでお金を出して買って読むべき作品だと思います。 -
ラーメン、中華そば、余り食べないけれど、食べたくなる。
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行った事のない、そしてこれからも行くことは多分ない
「お店は無くなっちゃけど・・・継承されてるみたいなので。」お店なんだけど、昔から知ってる感じで暖かい気持ちになる本です。久住さんはエッセイでも面白いな、と思う本です。 -
84年に最初に出た本を第1部に、
01年に出た文庫版あとがき
+今回の10年の出版に際してブログから抜粋した日記で構成。
第一部の文章には、
モロに師匠である赤瀬川原平さんの文章の影響が出てますね。
こっそり店内で観察しながらコソコソ仲間同士で笑い合っている内容を
そのまま本にまでしちゃいながら、
出版後に店に行ってからのビビり加減が凄すぎる。
不惑を過ぎてもそのへんはあまり変わらないのね。
mixiやTwitterでいつでもすぐに情報が入って来てしまう寂しさは
なんか分かるなあ。
仲間内だけで盛り上がるネタとして熟成していく醍醐味も
スピードと関与する人の多さで平たんになっていく気がする。 -
楽しく読むことが出来た。
老舗の良さが伝わってくるような一作だった。 -
町のラーメン屋さん江ぐち。
カウンターの中の人に勝手に名前を付け、プライベートの過ごし方を妄想する…。
1杯1000円近くする行列のラーメン屋さんとは異なる。
物語のある江ぐち。
チャーシューをチャシューと書いてある江ぐち。
学生時代から50になるまで通って、お店や店員さんの行く末を、学生時代そのままの視線で見守り続ける作者の江ぐち愛に感動しました。 -
一度食べたいメンマと中華そば
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ラーメン屋でここまで膨らませられることがすごい.
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ラジオで紹介されてたから読んだんだけど、面白かったー!ラジオのテーマは「告白」。
なんか愛される個人店舗って素晴らしいなぁ。私は三鷹にはなかなか行かないから難しいけど、是非いつかハシモトくんの作る中華そば みたかのお店に行きたい!