- Amazon.co.jp ・本 (184ページ)
- / ISBN・EAN: 9784896916782
感想・レビュー・書評
-
詳細をみるコメント0件をすべて表示
-
2002年出版で、1990年代のデータが使われているので、1970年代から2000年前後の若者の状況がよく理解できる。
そこから、日本の経済的な背景から心理面、仕事感、結婚観まで書かれ、若者の根っこを作れ!と警告を鳴らす。
しかし、その点は改善されず、2011年現在、その根っこを作れなかった若者が社会的弱者として、社会問題となってきている。
1990年からの若者の問題の発端を知るのはこの本から。
そして、その問題をどう対応すれば良いかは、宮台教授の就活原論を読むとよいと思います。
ーーーーー
豊かさを実現した社会ではややもすると、親世代も子世代も手に入れた豊かさを失うまいとして保守化し、活力を失っていく。とりわけ学歴や偏差値だけがよりよい生活実現の条件ととらえられている社会では、子どもたちは勉強をする機械となり、そこから落ちこぼれる大量の子どもたちは、生きる場がない。落ちこぼれない子どもたちも、親にとっての「いい子」を守ろうとして、限られた生き方しかできない。
子育ては、転換すべき段階にある。厳しい労働の世界から子どもを遠ざけ、もっぱら教育の場に隔離した時代は、終わっている。共働き家庭があたりまえ、母子家庭や父子家庭の増加もみこまれるなかで、家庭の一員として子どもに役割や責任を与えるとともに、生きた社会にかかわることを積極的に進める方向へ転換がのぞまれている。
自分の頭で考え、回答をみつけ、自分の道を選択しながら進んでいく時代がすでに始まっている。だから大人は、子どもの生活に根っこを生やすさまざまな試みをしなければ、次世代の大人たちは生きる力を見につけることができないのだ。 -
本書の著者である宮本みち子さんの講義を奥さんと一緒に放送大学で見た。
人生について夫婦話し合ってきたことを再認識し、奥さんに改めて感謝した。
気づけばアラフォー、子供たちが人生について考える時に夢が膨らむような社会であるようにしたいなぁと思う。
今、アー坊(5歳)がなりたいのはパン屋さん! -
すばらしい。多角的にフリーターの若者を分析。どれも説得力があり、とっても勉強になります。コストパフォーマンスの高い一冊です。
-
今、日本の若者たちは崖っぷちに立っている。―「パラサイト・シングル」論、フリーター、未婚化、少子化、モラトリアム……。
これらを「彼ら(=若者たち)」だけの問題にするのではなく、当事者は社会だと訴える筆者の姿勢に共感しました。
数多くの資料を使いながら論理が展開されていて、非常に分かりやすいです。が、何だか胸を締め付けられたような気がするのも確か。
ま、私も『社会的弱者』の一人になるのかな…。