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- Amazon.co.jp ・本 (398ページ)
- / ISBN・EAN: 9784898064177
感想・レビュー・書評
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同じ著者が書いた「桶狭間」の書籍と比べると、推論の積み重ねが多くて論拠がやや危うい気がしますが、「『明智光秀』と名乗った者は誰か? またその係累とは?」ということについて、歴史考察として面白く読みました。洋の東西を問わずどんな国でも王都は魔都なんだな、と思いながら……。信長は光秀個人というより魔都(京の足利幕府)の機構そのものに排除された、という見方は納得できるものがありました。
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光秀とは何者であったのか?
謎に満ちた明智光秀の前半生を読み解く鍵は?
実務能力が高いことから、光秀は足利義輝の頃から仕える奉行衆の一人であり、消去法でいけば○○○○である可能性は高い、との論法は面白い。
光秀と信長の立ち位置は?
「統治権的支配権者」とは鎌倉北条氏、足利直義、細川勝元、三好長慶、そして織田信長。
「主従制的支配権者」とは武家の棟梁たる将軍の血統、征夷大将軍。つまり室町幕府再興を目論む光秀が目指すもの。
二人の目指すもの、二人の信じるもの、二人で補完しあえたもの、二人が相反するもの。
ドラマ性は排して、ひたすら資料を読み解きながら「本能寺の変」を解き明かす。力作です。
追伸
文章のあちこちで自著の宣伝をするのは止めてほしいな。鬱陶しいです。