中国から日本が見える (That’s Japan 2)

著者 :
  • ウェイツ
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  • Amazon.co.jp ・本 (110ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784901391238

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  • 社会主義市場経済
    市場経済は 資本主義の典型的な概念である。
    計画経済という言葉と完全にぶつかる。
    そういう意味で 社会主義市場経済は 水と油を混ぜたようなものだ。
    そして 共産党の独裁という言葉だけをのこして
    共産党独裁資本主義 を作り上げた。

    ゴルバチョフは 政治改革からはじめた。それでソ連共産党は崩壊した。
    鄧小平は 経済改革から初めた。
    鄧小平に政治的な改革の意志があったかどうかはよくわからない。
    たぶん、政治改革の意志は 全くなかったのだろうと思う。

    矢吹晋はいう
    『今の中国の経済は資本主義の中でも、ワイルドキャピタリズムだということです。
    明治期のように、資本主義の原始的蓄積をしている状態と考えたほうがいいかもしれません。
    女工哀史の女工たちは、何も輸出するものがなかった時代に自分たちの労働で外貨をかせいで、それがお国の為になるというので、労働条件は厳しくても当時としては誇りを持って働いていたはずです。
    今の中国では、沢山働けば 買えるという希望を持っているということが大事だと思います。』

    働けば なんかの為になるというストーリーが構成できた時代。

    共産党は 共産主義政策を何一つしていない。

    中国の閣僚は学歴が高く、テクノラートである。

    農民戸籍と都市への流入を防ぐ方法は 中国国内に 植民地を作ったに他ならない。

    鄧小平は 発展主義者である。
    『発展是硬道理』

    『追い上げる中国』と『追われる日本』

    『中国に進出してうまく海外展開をやった企業と、出遅れて失敗した、戦略をあやまった企業との対立』

    朱鎔基は優れたエコノミストだった。
    まずは 貿易黒字を確保する為に 元を切り下げた。
    そして 黒字になってから 元を安定させた。
    中国の貿易黒字、直接投資受け入れ、外貨準備高も充分にあったので
    元を切り下げる必要はなかった。
    にもかかわらず 98年から2000年に 元切り下げ必須と日本のマスコミは騒いだ。

    斜陽産業のトップが 経済連の会長をやっていては日本はだめになる。
    中国進出に失敗したものほど 声が大きい。

    わかりやすく 具体的。
    中国をよく見ていない人たちが 中国脅威論を言う。
    そして、そこから日本のあほさ加減も見える。

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著者プロフィール

1938年生。東京大学経済学部卒。東洋経済新報社記者、アジア経済研究所研究員、横浜市立大学教授を経て同大学名誉教授。朝河貫一博士顕彰協会代表理事、21世紀中国総研ディレクター。『朝河貫一とその時代』(2007年)、『日本の発見――朝河貫一と歴史学』、『尖閣問題の核心』、『敗戦・沖縄・天皇』、『南シナ海領土紛争と日本』(2016年)、『沖縄のナワを解く』(2017年)、『習近平の夢』(2017年)、『中国の夢』(2018年)、『コロナ後の世界は中国一強か』(2020年)など著書多数。

「2021年 『天皇制と日本史 朝河貫一から学ぶ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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