何も持たず存在するということ

著者 :
  • 幻戯書房
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本棚登録 : 426
感想 : 67
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  • Amazon.co.jp ・本 (254ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784901998338

感想・レビュー・書評

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  • タイトルがとても好き。

    角田さんのエッセイは言葉に力みがないように思う。
    面白く書こうとして、大げさになるようなことがないのではないか。
    だからなのか読んでいてすごくほっとする。
    角田さんのエッセイを読むと、角田さんのことが好きになる。
    私もこうありたいと思う。

    強いとか弱いとか、優れているとか劣っているとかではなくて、ただ自分として存在すること。
    どこにいても、誰が相手でもそれは変わらないことなんだ。

  • あとがきで "ここ十年ほど、私が身近にあると思ったものを書き連ねたのがこの本である。" とあるよう
    著者の生い立ちや身の回りにまつわる感じたことや経験が書かれたエッセイ。


    全体的に経験談を元に作られ、1つ1つのエピソードが
    深い部分まで掘り下げられていて、考えさせられるような内容で想像以上に面白かった。
    経験から学ぶことは多いから、こうやって本を読んだり自ら知らない土地に赴き、そこでしか感じられない経験を大切にしたいと感じた。





  • 角田さんの著作は全部読んだつもりになっていたけど、それは小説だけなのであった・・・(^_^;)

    ガツガツ読んでいた時期に、とてもエッセイまで手が回らん!と思って端折っちゃったのね・・・猛省。

    というわけで、とりあえず一番最後のを読んでみてぶったまげる!
    なぬ~!?大野一雄さんが体育教師だったですと!?
    それを「風変わりなおじさんがいた。おじさんというよりはおじいさんというほうが近いような、初老の男性である。小学生の一年時から彼の存在を知っていたが、彼が何ものであるのかを私は知らなかった。」とは!www

    世界的に有名な舞踏家の大野さんであるが、自分がどれほどの者かなどとは語らなかったらしい。
    「彼はただ、彼自身だった。花が美しさを誇示せずそこにただ在るように、彼は自分自身として、いたのである。」

    これが本書のタイトルにもなっている「何も持たず存在するということ」というエッセイ。
    う~ん、すばらしい!!!この文章に出会えただけでも、この本を手にした価値があります♡

    もちろん、その他にもますます角田さんの様々な面を知り身近に感じられるような、素敵なエッセイが盛りだくさん!!

    さぁ~て、またガンガン攻めなくっちゃ!!!w

  • 2007年くらいまでの角田さんのエッセイをまとめた本。

    小学校低学年で作文を書くことに熱中し、やがて日記をつけることを覚え、父親が癌で死んでいくときには文集用に父親の死をどんな作文にするかを考えていたという。当時の自分の文章を卑しくて傲慢だとしつつも、その卑しさと傲慢さは今も抱えている、とのこと。
    角田さんの自己批判みたいで読むのが辛い感じもあったけど、胸に迫るものがあった。

    ”喜びはかなしみを消去はしないし、かなしみが喜びをおびやかすことはない”と角田さんは別のエッセイに書いていた。素敵な文章だと思った。読んでよかったな、この本。

  • エッセイ集。本はいつだって私たち自身の鏡。成長すればその成長が、怠惰にしていればその怠惰がくっきりと映し出される。自分でも知らなかった自分の姿を知る媒体であり、この鏡を持っていることはとっても幸福である。本を読めることは幸せ。

  • 図書館でシンプルな背表紙に惹かれて、この本を手に取った。読み始めて、初めてエッセイ集であることを知った。角田光代さんの気張らない等身大な姿にほれぼれ!
    約10年後、私も角田さんのようなステキな30代になっていたいなぁ。

  • 角田さんのいろいろなエッセー10年分。他の本も読みたくなりました。

  • 2018 1/9

  • 角田さんが旅好きだということで、旅の話が面白かった。

  • 角田さんの作品はやはり小説の方が好きかも。

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著者プロフィール

1967年神奈川県生まれ。早稲田大学第一文学部文芸科卒業。90年『幸福な遊戯』で「海燕新人文学賞」を受賞し、デビュー。96年『まどろむ夜のUFO』で、「野間文芸新人賞」、2003年『空中庭園』で「婦人公論文芸賞」、05年『対岸の彼女』で「直木賞」、07年『八日目の蝉』で「中央公論文芸賞」、11年『ツリーハウス』で「伊藤整文学賞」、12年『かなたの子』で「泉鏡花文学賞」、『紙の月』で「柴田錬三郎賞」、14年『私のなかの彼女』で「河合隼雄物語賞」、21年『源氏物語』の完全新訳で「読売文学賞」を受賞する。他の著書に、『月と雷』『坂の途中の家』『銀の夜』『タラント』、エッセイ集『世界は終わりそうにない』『月夜の散歩』等がある。

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