だれかに、話を聞いてもらったほうがいいんじゃない?―セラピーに通うセラピストと、彼女の4人の患者に起きたこと
- 海と月社 (2023年3月31日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (492ページ)
- / ISBN・EAN: 9784903212807
作品紹介・あらすじ
全米100万部超!
40ヶ国で 刊行!
ニューヨーク・タイムズ・ベストセラー!
数々の栄冠に輝いたノンフィクションの傑作!
やっかいで愛おしい、私たちの心をめぐる「面接室のドラマ」
***
著者はロサンゼルスのセラピスト。
ある日、自分自身の危機に見舞われ、
一風変わった、でも経験豊富なセラピストのもとを訪れることに。
いっぽう、彼女の患者たちの悩みもいろいろだ。
★ 自己陶酔型のハリウッドのプロデューサー
★ 新婚なのに末期がんの宣告を受けた女性
★ 不幸の連続の人生の末、〝最後のチャンス〟に賭ける70歳
★ いつもダメ男に引っかかってしまう20代女性 ……
──それぞれの身に待ち受けていたものは?
【本書に寄せられた賛辞の数々】
この半世紀以上、心理セラピーに関するあまたの本を読んできたが、
こんな本は初めてだ。
きわめて大胆で俗っぽいところもあるのに、
率直で、深く、胸躍る素晴らしいストーリーが詰まっているのだから。
──アーヴィン・ヤーロム(スタンフォード大学精神医学名誉教授)
賢明で、あたたかくて、洗練されていて、おかしくて……。
人間の心の神秘に少しでも興味があるなら、必読。
──スーザン・ケイン(『内向型人間のすごい力 静かな人が世界を変える』著者)
声をあげて笑わずにはいられない、
それでいて、まったく新たな視点から自分を見つめさせてくれる。
夢中で読んだ。
──ケイティ・クリック(ジャーナリスト、ニュースキャスター)
人間一人ひとりの奮闘、奇跡、絆にまつわる真理が鮮やかに描かれている。
すっかり虜になった。
──サラ・ヘポラ(エッセイスト)
本書のおかげで、セラピストがけっして明かさない秘密を知ることができた。
──リサ・ダムール(臨床心理士。『10代の女の子の親が知っておくべき7つのこと』著者)
愉快で、注意深く、有能で、傷つきやすい著者によって、
私たちに潜む〝激しさ〟や〝心の痛み〟に迫る謎が見事に解き明かされた一冊。
──レスリー・ジェイミソン(作家)
愉快なだけでなく、人間にまつわるさまざまな不思議が明らかにされている。
セラピスト、セラピーを受けてきた人、恋愛を経験した人、感情が揺さぶられる経験をした人、
つまり、われわれ全員が、 この本に助けられるだろう。
──A・J・ジェイコブズ(ジャーナリスト)
感想・レビュー・書評
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まるで海外ドラマを見ているような感覚になりました。
一人の人物(主人公)を中心に、複数人のサブキャラも並行してストーリーが進んでいく、あの感じです。
登場人物全て(著者含め)、個性的。
さらっと紹介しますと、こんな感じです。
楽しくないわけがないのです。
★主人公:セラピスト。40歳を前に失恋し、うつ状態。セラピーに通い始める。
★ジョン:脚本家。
自分以外の人間は全員バカだと思っている。
過剰なストレスで眠れないため、主人公の元に通う。
★ジュリー:がんを患う。余命を宣告され、精神的助けを求め、主人公の元に通う。
★リタ:70歳を前に恋人を探す。3度の離婚。幼少期から現在まで辛い過去を引きずる。それらを克服するべく、主人公の元へ通う。
★シャーロット:アル中でうつ状態。主人公の元へ通う。
★ウェンデル:主人公とジョンの妻のセラピスト。
本だと時間の経過が分かりずらいのですが、大体1年間分くらいの話だと思います。
人が心の傷(弱点)を克服していくのって、1回セラピーに通ったくらいじゃ克服できない。
そもそも自分の心の傷を自分で認める事が難しい。
その作業をセラピストが患者と向き合い、丁寧に導いていきます。そして、患者自身が心の傷や弱みを克服するまでの過程(もがき苦しんでいる様)をセラピストの観点から描いています。
しかも、コメディタッチで!
(作者の方、ホント、天才だと思う。シリアスと笑いの塩梅が絶妙なのです。)
イロイロと気になるフレーズがあったのですが、特に気になったのはこちらです。
”きっと、人はみな、自分の殻を破り、本当の自分を見せる前に、相手を疑い、相手に毒づき、疑問をもつ必要があるのだろう。”(抜粋)
自分をさらけ出すのって怖いです。
ましてや、心の傷・弱点を見せるのは、相手がセラピストとはいえ難しい。
心の傷・弱点って人間の死活問題だと思うんですよね。
そこを突かれたら立ち直れない所というか。
だから、自分でも自覚したくないものだし、あれこれ複雑な手段で自分自身、うやむやにしてしまうものだと思うのです。
話すからには、それを受け取るにふさわしい人物か、試したくなるのかもしれません。(生存本能的な面で)
本に登場する患者たちは、セラピストと一緒に原因にたどり着くことができます。
何があったのかを自分の言葉で伝えるシーンは感動的で。ドラマ化して欲しいくらいです。
(今までの?な振る舞いから、とうとうここに行きついたかと思うと、涙なしでは読めない。特にジョンとリタ)
人って、支え合って生きているんだな、とハートウォーミングなものを感じました。
人の心の痛みは人でないと癒せないのですね。
結構ボリューミーな本なのですが、面白さを体験したいのであれば、拾い読みはせず丁寧に読んでいくことをお勧めします!(読み飛ばすと何が何だか分からなくなりそう)詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
たまたま、本当にたまたまこの本を書店で見かけた。普段はあまり立ち入らないコーナーを見ていたのは、ただ時間潰しのためだった。
そこに、この本が平積みされていた。なんとなく手に取って読みたいと思ったのだけれど、正直言うと分厚いので電子で読もうとした。残念ながら電子がなく買うか悩んで結局帰った。でも、どうしても忘れられなくて再び書店に行って買った。
そんなふうに、意識してなかったけれどわたしが欲していた、求めていたなにかに出会える本があるんだな、と思った。
この本に出会えてよかった。
この本を書いた作者の方にありがとうと伝えたいし、そこに至るきっかけになったウェンデルにも感謝したい。面白くて、共感して、ときに自分のことのようだと居た堪れなくなって、嬉しくなりあたたかくなり、そして、助けてもらった。
出会えてよかった。
電子で読んでも本を書い直しただろうけど、本で読めてよかった。 -
日本でこんなカウンセラーはどうやって見つけたらいいのでしょうか?
良いカウンセラーに巡り会えたら、人生変わるんだろうなぁ。
結局は愛。
孤独、寂しさから依存症に繋がっていくのかな。
自分を愛する。
愛を循環させて、雪だるま式に。
回復段階があり、準備が1つずつ整っていく事が必要。
すぐには回復出来ないのが普通なので、焦らず、無理強いしないで徐々に自分のタイミングで回復を待つ。人それぞれかかる時間は違う。
恨む、憎む、後悔する時間、過去に囚われている、執着している時間は、自分を苦しめているだけ。自分を責め続けている。
自分が過去を嘆いていても、あなたが過去に囚われている時間でその相手には何も起こってない。
自分で自分を苦しめているだけの時間。
私を愛してくれる人が願ってることは、私の幸せ。
自分を幸せにするために時間を使おう。
何があっても、私は幸せになって良い。
私は幸せを感じるために生きている。
自分を苦しめるために、わざわざ生きてるんじゃない。
檻に入れられていると思ってるけど、その檻は目の前の柵だけ。横には無い。
目の前の柵をよけて、前に進める。いつも自分は自由。俯瞰する。
刺激と反応の間に自由がある。
どう反応するかは自分次第。
人は自分で選択したい生き物だから、人やセラピストに言われた事はしない。嫌がる。
自分のタイミングで、自分がしようと思えた時に行動する。
セラピストはクライアントが本当に心で思ってる事を訊ねて、引き出してくれる。
行動するのは、クライアント自身。
人はいつでも自由である。
幸せになる権利がある。
自分の中の愛を人と循環させて生きていこう。
今が1番幸せと思える人生に。
過去に囚われて、自分で自分に罰を与える行為は辞めよう。
過去に囚われているのは、その出来事が消化出来ていないから。 -
金言の数々に喜んだり打ちのめされたりしながらも読むのを止められない
教わり、救われた。ただかなり乱されもしたのも事実
これは何度も読み返す一冊入りしたと確信している -
誰かに話をすることで自分を客観視、立ち直っていくというのがセラピーの役目であるようだけど、一直線に立ち直っていくものではない。
不都合な状態が心地よくなっている場合がある。
不幸の自己陶酔に慣れてしまっていることを、教えてくれて、そこから一緒に寄り添って自分が変わっていくことを後押ししてもらうことが必要。
そこで話をする人と、話を聞く人の相性も、状況に作用するようだ。