フィンランド・森の精霊と旅をする - Tree People (トゥリー・ピープル) -
- プロダクション・エイシア (2009年5月20日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (128ページ)
- / ISBN・EAN: 9784903971018
感想・レビュー・書評
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美しい本だし、興味深い本だった。
この手の写真を中心にした本はあまり好まないのだけど、この本は手放しに称賛したい。様々な伝承と、人々の声が長い時間をかけて渉猟され、記録されている。
カルシッコという、木に没年とイニシャルを刻む風習も興味深かったが、個人的には熊と少女の写真に独特の美を感じた。自然と人の、驚くほどの近さを目の当たりにした思いだ。
良書である。図書館で借りた本だが、改めて購入したい。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
人間と樹の関係を、例えば「持続可能性」という観点から、捉えなおすことももちろん重要ではあるのだけれど、
もっと大きな意味での「記憶」であったりとか、文化的な物語から、
人間の中に畏怖であるとか、羨望であるとかいうものを呼び起こせたのなら、
世界は大きく変わっていくのだろうなぁ。
今の社会を成立させているのは、
勿論欲望の肥大、安楽さの希求ではあるのだけれど、
その皮をもう一枚剥がして見えるのは、
自然への畏怖の欠如であり、
それはつまるところ人間の「生」の軽視なのだろう。
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かつて人びとの信仰を集めた樹木が、
まだここ、私たちの森の中に生きています。
古代には、「寺院」とされていた場所です。
神殿は、大理石ではない、黄金でもない、ただ、裸の空の下でふるえる木々。
そこでは、自然の神秘のささやきをいまも感じることができるのです。
森は、はかりしれないほど豊かで多彩な物語に満ちています。
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精霊たちの暮らす森は、人の属さない領域です。
森の精霊たちのとりなしがあってはじめて、人は森の許しを受け、森と接することができます。森の恵みを得るために、人は境界を渡って森へわけいります。敬意をもって、森を傷つけないように細心の注意を払いながら。
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父さんは50歳の若さで亡くなった。春の種まきの季節に、父さんとふたりでカルシッコの木の横を通りかかったとき、大きな枝が折れて別の根の付け根にぶら下がっているのを見てどんなに驚いたことだろう。どう説明していいのかわからない光景だった。風はまったくなかったし、折れた枝はいたって生き生きとしていた。その年の8月、父さんは突然亡くなった。動物はあらゆる種類のことを敏感に察知することができる。いったい木はどうなのだろう。
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死後 人生の記憶をとどめるため 名前と生きた時間が刻まれる松の木 人びとの思い出は やがて木々の生命力の中に包まれていく
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当時、森の重要性についてはたえずさまざまなメディアが強調していましたが、どれも経済的な効果や、エコロジカルな視点ばかりでした。森の文化的、精神的な側面は、議論からいつも抜け落ちていました。
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私たちのプロジェクトがきっかけになって、木と人とのスピリチュアルな関係、その歴史や神話が、学校の教材として扱われるようになりました。
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分身の木。そして、いずれまた木に取り込まれるカルシッコ。ゆつくり眺めながら読むのがオススメ。
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本当に綺麗な本。
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装丁が残念すぎた。
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森と湖の国フィンランドで〝もっとも美しい本〟賞に選ばれた本です。
2人の女性写真家が、15年の歳月をかけて、フィンランド各地の森を訪ねて、森と人との関係を幻想的な写真におさめました。古くから語り継がれてきた神話や詩も、人と自然の関わりを美しく物語っています。
自然を敬い畏れる心が、文明や経済の名のもとに失われていくのは、遠い祖先から受け継がれてきたはずの文化や精神を否定するようで、とても悲しいことですネ。 -
写真とシンプルな文章。
フィンランドでは、分身の木というものがあり、
木と人が寄り添って生きているそうです。
人々は哀しいとき、苦しいときその木の元に行き、
木と話をするそうです。 -
文教大学広告企画制作サークルの発行誌 『FOGPARTY』Vol.6 において、「本~めくり、ひろがる、せかい」の特集に応じ、学生の皆さんから選ばれ紙面にて取り上げられた図書です。
企画コーナー「FOGPARTY Vol.6 掲載図書」(2Fカウンター前)にて展示中です。どうぞご覧下さい。
展示期間中の貸出利用は本学在学生および教職員に限られます。【展示期間:2012/1/10-3/19まで】
湘南OPAC : http://sopac.lib.bunkyo.ac.jp/mylimedio/search/book.do?target=local&bibid=1608526 -
知ってるようで知らない北欧、フィンランドのこと。美しい写真を堪能しながら学びました。パラパラ眺めてるだけで楽しい一冊。
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♥
カルシッコに興味を持った本
くまと結婚する話がおもしろかった